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感想@舞台「戦国BASARA3 宴 弐」凶王誕生×深淵の宴*ネタバレあり [舞台 戦国BASARA]

舞台「戦国BASARA3 宴 弐」凶王誕生×深淵の宴を観てきましたので
感想を記します。
(11/6 東京公演:東京ドームシティホール)

舞台「戦国BASARA3 宴弐」 DVD 初回限定版

舞台「戦国BASARA3 宴弐」 DVD 初回限定版

  • 出版社/メーカー: イーネット・フロンティア
  • メディア: DVD


キャストさんはこちら(敬称略)
石田三成:中村誠治郎
片倉小十郎:吉田友一
猿飛佐助:村田洋二郎

伊達政宗:滝川英治
真田幸村:吉岡佑
竹中半兵衛:川隅美慎
豊臣秀吉:小田井涼平
毛利元就:小谷嘉一
黒田官兵衛:白川裕二郎
上杉謙信:AKIRA
かすが:知念沙也樺
雑賀孫市:八代みなせ
風魔小太郎:高橋光
大谷吉継:新田健太
北条氏政:山本健史
いつき:酒井蘭
三好三人衆・長兄:金田進一
三好三人衆・次男:遠藤誠
三好三人衆・三男:白崎誠也

以下の記述にはネタバレを含みます。

私はゲーム“戦国BASARA”シリーズのファンで、
舞台は“戦国BASARA2”から観劇しています。
好きなキャラクターは竹中半兵衛です。
豊臣軍ヽ(o・ω・o)ノ万歳
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————

“戦国BASARA3 宴”と言えば、
松永久秀という戦国武将がキーマンです。
しかし今回は
“戦国BASARA3 宴 弐”というタイトルであるにもかかわらず、
彼の出演はありません。
また、サブタイトルが“凶王誕生”であるものの、
石田三成が凶王化する
(=豊臣秀吉に死なれて絶望する)原因である
徳川家康の出演もありません。

この時点で「今回の舞台は大丈夫なの?」と心配になった他、
前回の舞台(戦国BASARA3 宴)+武将祭で
前任の蒼紅役者さんがご卒業されたこともあり、
今回は公演前から舞台の出来に対する強い不安を抱いていました。
その他にも、
私は普段からネタバレを避けるようにしているのですが、
それでもネットでは、今回の舞台に対する不満や怒りが
表面上の賞賛に隠れてかなり見えましたので、
「あぁ、今回の舞バサはヤバそうだな」と思っていました。

実際、「どんなものを見せられてもいい」ぐらいの覚悟を決めて、
全く期待しないで観劇した結果、
席がアリーナ3列目のセンターブロックだったこともあり、
「思っていたよりも悪くなかった」という感想を持ちました。
ハードルを低くしていったことが良かったみたいです。



今回の舞台は、タイトルの通り、
ゲーム“戦国BASARA3 宴”の内容を元にした二本立てです。
一本目は、主従コンビ(猿飛佐助+片倉小十郎)が活躍する
“深淵の宴”でした。

まず最初に驚いたのが、ネットで伝わってきた噂通り、
武将紹介を兼ねたオープニングの殺陣が無くなっていたことです。
これまでですと、
シリーズ全体を背負う主役・伊達政宗を始めとして、
役者さんが一人ずつ登場し
敵役のアンサンブルを相手に見事な殺陣を披露して下さるのですが、
今回は数人ずつの登場+殺陣の繰り返しで、
映像による武将名の紹介もありませんでした。

以前のOPの個人殺陣については、
役者さんの人数が増えるに従って時間も長くなるのが難点でした。
夏のイベント(武将祭)では五十分もありましたので
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-07-19
私も「ちょっとどうにかした方が良いのでは?」と思っていました
……が、武将祭並みの大人数ならともかく、
今回の人数ぐらいなら、以前と同じOPの方が良かったです。
でも新しい試みをして下さったことは、高く評価します。

今回は、プロジェクションマッピングが一切無く、
舞台後方の巨大スクリーンへの映写だけだったのも
淋しかったです。



【“深淵の宴”についての感想】
ゲーム“宴”における彼らのシナリオの内容は、
発売当時に遊んだきり、あまり手を付けていないので
うろ覚えなのですが、こんな感じだったと思います。
・片倉小十郎
瀕死の伊達政宗を連れた状態で松永先生と遭遇!大ピンチ!
→よく分からない流れで何故かけんしんさまと戦う
→奥州に戻ったら忠勝宅急便がキター!!

・猿飛佐助
ましらましら(毛利と刑部の会話を盗み聞き)
→ましらましら(城が伊達に奪われてる!大将、何やってんの!!)
→ましらましら(夜の大坂城を攻めて俺様の実力を見せちゃうよ)



今回の舞台は、それぞれの話を、
他の武将も加えてダイジェスト風に描いていく作りでした。
しかし、悪く言えば「ぶつ切り」です。
すみませんが、お話にまとまりがなかったように思えました。

片倉小十郎の話で、
松永久秀の代わりに三好三人衆を出したのは、
私にも予想できたことでしたので、
驚くことこそ無かったものの、
とても良かったです。
三好三人衆を演じられた役者さんたちが
アンサンブルの方々ですので、
とにかく殺陣が上手いこと上手いこと!!
しかも、声や喋り方もちゃんと彼らに似せて下さったので、
完成度が非常に高かったです。
存在感もばっちりありました。
なので、三好三人衆の出番がそこだけだったのが残念です。
殺陣メインで、あと1シーン追加されていたら
もっともっと良かったなと思いました。

こてんぱんにやられた伊達政宗が、
上田城で休憩した(笑)後、何故か奥州に戻らずに、
勢いに任せて石田三成を討ちにいくという展開でしたので、
筆頭(政宗)の無謀さ、若さ、青臭さはよく出ていたと思います。
この“深淵の宴”では、
従者二人がそれぞれの主を窘めるというテーマがあるようですので、
自身の状態もよく考えない、血気盛んな政宗というのは、
諭される・嗜められる側として必然な未熟さなんでしょうが、
私には魅力的に思えませんでした。
それを諭す・窘める側の片倉小十郎も同様です。



一方の真田主従。
主の真田幸村や軍の行く末を心配する猿飛佐助が、
一時的に上田を離れ、暗躍するというお話です。
前半は、石田軍の刑部(大谷吉継)や毛利軍の毛利元就との会話が
見どころの一つだったと思います。
でも、刑部の笑いネタはしつこくて好きになれませんでした。
原作であるゲームでも、
刑部は「ひひひ……」と耳障りな感じで度々笑いますが、
あんな風に長く大袈裟に笑うことは無いので、
キャラクター性が損なわれていたと思います。
物事を誇張した上での演技は、
舞台の醍醐味の一つでもありますが、
刑部のいちファンとしては、
原作のゲームから大きくはみだすことは、
あまりやらないでほしかったです。
しかも、一度で終わらず、数度もありましたし……。
以前の舞台では、千秋楽恒例のネタとして
徳川家康が笑い上戸になっているネタがありましたが、
制作側はこれらの笑いを舞台の定番ネタにしたいのでしょうか。
正直、家康のも別に面白くないので、
個人的には「要らないな」と思っています。

中盤、自分の留守中に
上田城を伊達軍に奪われたと知った佐助が、
不甲斐無い幸村に対して怒り、呆れ、
思わず手を出してしまう場面があります。
ここ、私の記憶違いかもしれませんが、
ゲームでは平手打ちじゃなかったでしたっけ……。
これは個人的な感想なのですが、
拳で殴るのは、お館様こと武田信玄の特権で
(どこか子供っぽい/真面目だけど、お遊び要素も感じられる)、
佐助の叱り方は信玄と違うんだなぁと感心した覚えがありますので、
「あれ?」と違和感を覚えました。
あの佐助が幸村を殴るなんて滅多に見られないので、
「いいぞ、もっとやれ!」と思わなくもなかったですが、
原作ではっきりとした描写があるなら、
舞台でもそれに準じてほしかったです。

それと、私は、
ゲーム“宴”での月影戦がとても好きなので、
このシーンを舞台で観ることができて幸せでした!
三成が言わば“出落ち”の存在になっていて、
全部持っていったのも、同じで良かった……のですが、
最後の刑部の呼び出しは、
その前に、「せっかく寝た三成を起こしたくない」という
優しい(?)台詞があった上での
「結局、自分が三成を呼んじゃうの?!」というオチなので、
物足りなかったです。
せっかくの月影戦なのに、
そこで使用されたBGMが違ったのも残念でした。



また、最後の盛り上がりとして、
蒼紅主従それぞれが戦うシーンがありました。
(小十郎は政宗と、佐助は幸村と戦う)
私の中でのこの四人は、かなり好きな方に入るキャラクターなのですが、
お話に気持ちが乗らず、全然盛り上がりませんでした。
なんというか……
前回の“宴”舞台でも酷かった
「一方その頃、××では〜」という区切りが多く、
お話がぶつ切り状態だったので、
感情が徐々に盛り上がっていかず、
結局、最高潮の場面で感動状態に達しなかったんです。
途切れ途切れのお話を追っていくのも、それなりに疲れますので、
感動する気力が無かったというのもあったかもしれません。



さて、“深淵の宴”に関する感想はこれで終わりとして、
次に、第二幕の“凶王誕生”について思ったことを記します。
(個々の役者さんに対する感想は最後にまとめます)


【“凶王誕生”についての感想】
大好きなキャラクター・石田三成が主役!
しかも豊臣主従(豊臣秀吉+竹中半兵衛)も出る!
……ということで、
豊臣軍ファンの私は、こちらがより楽しみであり、
心配でもありました。

結論から書きますと、
「最後は良かったけど、他はちょっとビミョー……?」というのが
素直な感想です。
上記の通り、今回は役者さんのご都合で徳川家康の出演が無いのですが、
いないのに彼の存在を強く感じることはできましたので、
その点では上手く誤魔化せていた/成功だったと思います。
瀬戸内の舞台のように、
今度は徳川軍の旗が鍵になっていたのには
思わず苦笑しそうになったものの、
あのシーンは必死に旗を探す三成があまりにも痛々しすぎて、
ツッコミを入れる気になれませんでした。
また、舞台という制約の多い表現方法の中で、
旗は、敵の正体を簡潔に表す小道具として優れていると思います。
(でも冷静に考えると、「たかが旗で……」となってしまうので、
観客側に考えない努力を強いる小道具ではあると思います)



まずは、三つまとめて行なわれた宴会芸について。
最初、真田軍がいつものように宴会芸を始めかけたところで、
けんしんさま率いる上杉軍に邪魔をされるのは良かったと思います。
“軍神歌劇団”は凄く面白かった!!!
私は宝塚歌劇のファンで、戦国BASARAの花組公演も観に行っています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-06-25
ゲームの上杉軍には“雪組”という部隊が存在するほど、
元から宝塚歌劇を意識したところがありましたが、
今回は、そのヅカ版の舞台の影響も少しはあったようです。
上杉軍の宴会芸は“ベルサイユのばら”のパロディで、
けんしんさまがアンドレならぬ“謙ドレ”になった他
(最後には、小さいけれど羽根もちゃんと背負いました)、
名曲「愛あればこそ」のパロディ曲を
けんしんさまとかすががソプラノで歌い、
アンサンブルを含めた真田軍が
二人の後ろでシャンシャンを持ちながらコーラスを担当しました。
何より、ヅカ版の舞台の主題歌のサビの部分
(バーサーラー、バッサラーバッサラー♪の部分)が
途中で挿入された時は、
びっくりして爆笑しました!
こちら、休演日前の公演までは行なわれず、
この日(11/6)が初めてだったらしいです。
鈴木先生や宝塚歌劇の事業部に許可を取ったんでしょうね。
とても嬉しいサプライズでした。
すっっっごく興奮しました。
ヅカ版の舞台を観なかった方には伝わり辛いかと思いますが、
この曲のサビの部分は耳に残るんですよ。

[参考]宝塚歌劇 音楽配信サービス|TCAミュージック
http://www.tca-pictures.net/music/cgi-bin/detail.cgi?goods_code=TZL-032
この表の下から三曲目(上から十三曲目)の
みりおこと明日海りおさん&彩城レオさんの“戦国BASARA”の試聴で、
最後にちょこっとだけそのメロディが流れます。
ちなみに、みりおさんはけんしんさま役でしたヽ(o・ω・o)ノ

伊達軍の宴会芸は、いつき率いる一揆衆と合同だったものの、
内容はいつもの“片倉小十郎ゲーム”でしたので、
新鮮味が無かったです。
何より、前回の舞台で「ジジイ卒業」と謳っておきながら、
彼の孫として同じアンサンブルの方が目立っているのに呆れました。
しかも、胸にはジジイの遺影付き。
(顔写真の大きなポスターを胸から貼り付けていた)
ジジイの孫の登場についても、事前にネットで情報を得ていましたので、
観たら絶対に不快になるだろうなとの覚悟はしていたのですが、
実際は想像していた以上に酷かったです……。
なんですか、あれは。
笑っているお客さんもいたので、好評なのかもしれませんが、
私はドン引きしました。
ジジイの役者さんを外す事はできない
=出すからにはやっぱりジジイのネタを絡ませたいという考えは、
私にも理解できます。
ライビュ中継されている大千秋楽で
演出の西田さんが2ちゃんねるの住民を変に煽ったり、
舞台“宴”DVDの特典映像で
ジジイ役の方がネットを敵視する発言を冗談風に発していたり……と、
彼らが(というか西田さんが)
ネットにおけるジジイ批判に対して攻撃的であるのは明白ですが、
ここまでしなくても良かったのではないでしょうか。
せめて、ジジイの孫だとの自己紹介を終えた後の出番では、
ジジイの遺影を外してほしかったです。
あれを胸に貼り続ける意味が、
もしネット批判に対する答えだとしたら、
とても愚かだと思いますし、
もし笑いの演出だとしたら
あまり宜しくなかったのではないかと思います。

演出の西田さんが中心となって作っている舞台ですから、
彼の考えや劇団の色が強く出てしまうのは、
ある程度までなら仕方の無いことだと思います。
でも、これはあくまでゲームを元にした二次元の舞台なので、
オリジナルキャラの役者さんで笑いを執拗に取ることは、
なるべくなら控えてほしいです。

そして、待ちに待った豊臣軍の宴会芸ですが……
贔屓目で観ても、途中まではあまり面白くなかったです。
武田軍(真田軍)もそうですが、
ああいうギャグ系のネタは、
専門の人に頼んで作ってもらうか、
監修してもらった方がいいと思います。
でも!!!!
最後に披露された刑部の縄跳びは凄かったー!!!
三成のドSっぷりも鬼畜で良かったです。



さて、本編について。
今までもそうだったのですが、
近頃の舞台では、主役キャラクターの出番が少ないのが常で、
今回は第一幕で佐助と小十郎が出まくっていたのが珍しかったのですが、
第二幕の三成は、例に漏れず、主役の割に出番が少なかったです。
とはいえ、現在ではまだ描かれていない
秀吉たちが存命中の豊臣軍の描写があったのは、
彼らのファンとして嬉しかったです。
三成が豊臣秀吉や竹中半兵衛に頭を下げるべく、
右に左にといちいち体の向きを変えていたのは可愛かったですし、
いつもの「許可」「宣誓」ネタも、観ていて楽しかったです。
また、軍議に嫌々と参加していた黒田官兵衛が
とても良い味を出していたと思います。
官兵衛による武器での笑いは、
誰を相手にしても全般的に面白かったですし、
北条氏政との会話では、彼の人の好さもよく表れていて、
魅力的に描かれていたと思います。

でも、雑賀孫市が離反したくだりでは
「え? そんな理由で?」と首を傾げました。
豊臣の横暴さを孫市に気付かせないほど、
半兵衛たちが勧誘時に頑張ったという解釈もできなくはないですが
「今更それを知ったの?」と思わずにはいられませんでした。

いつきは凄く可愛くて、観ていて和みました!
筆頭(伊達政宗)がいつきの頭を手でポンと触れるシーンは、
思わず「うわー」と内心で声を上げそうになるほど萌えました。
でも、いつき自身が本来は宴シナリオに出ないキャラクターなので、
ちょっと勿体無いなと思いました。
(孫市も出る必要の無いキャラクターですが、
“秀吉を裏切る”要員として出番が作られていました。
で、孫市がその選択をする要員として
いつきが登場していたというわけです)

前回の“宴”舞台もそうだったんですが、
今回も、風魔小太郎の殺陣が素晴らしかったです。
三成との殺陣を、もっともっと観たかったです。



今回は豊臣主従が復活していて嬉しかったんですけれども、
何故か、秀吉と半兵衛の間には距離を感じました。
この二人、見ているこちらが恥ずかしくなるほど
相思相愛のコンビですが、
今回の彼らからは、
倦怠期を迎えた喧嘩中の夫婦みたいな匂いがしました。
語弊があるのを覚悟で変な感想を書きますと、
半兵衛は本気で秀吉の為に動いていて、
秀吉もその熱意を認めていて感謝もしているけれど、
半兵衛に無理をさせるのは本意でないので、
そこまでしてほしくないと注意する
——でも半兵衛は頑張ってしまうという前提で、
皆には見えないところで
二人が殺伐とした言い合いをしている……みたいな。
本当に微妙なところなんですが、
ラブラブ夫婦みたいだった戦国BASARA2の舞台の時とは
違った印象を受けました。



最後は、非常に私好みな内容でした!!
私、死にネタや不幸ネタを特に好みますので、
こういう終わり方はむちゃくちゃ大好きです。
上記の通り、私の好みは
西田さんの演出とは合わないようなのですが
ここでは(前回の“宴”舞台の第二幕もそうでしたが)
「ありがとう、西田さん!!!!」と心の中で叫びました。

三成は、官兵衛の裏切りを目撃しただけでなく、
孫市が裏切ったらしいとの報告も受けた上で、
半兵衛に目の前で死なれてしまい、
もうどうしよう、絶望しかないと思ったところで、
室内に飛び込んできた兵が家康の名を口にするのを耳にします。
この時、一緒に控えていた刑部は、
“兵が発した「家康」の名=彼の謀反”だと分かっているんですよね。
勿論、観客も。
でも、三成だけが現状を全く分かっておらず、
その可能性があることを疑いもせず、
一人で「そうか。家康が帰ってきたか!!!」と喜び、
彼と共に戦ってどうにかする希望を見い出している愚かさが、
もう、せつなくて辛くてたまらなかったです。
そんな三成を見かねた兵による
「徳川家康、謀反!」の言葉で再び絶望に落とされるという最後も
大変良かったです……!
三成がとても可哀相でなりませんが、
私は「うおおおおお」と興奮するほど好きな展開でした。
しかも、それを否定するだなんて、
三成はどこまで家康を信頼していたんだと思い、
しんどくなりました(でも好きです)。

個人的には、
三成が最後に「あの男はそんなことをしない」と否定した後、
報告してきた兵に「ですが、これはまことです」などと反論されて、
三成が力づくでその兵を黙らせてから(その場で斬る)
じわじわとその現実に気付いていく
……という展開が加えられていた方が、より好みです。
でもこれは、あの舞台を見た上での感想なので、
もし実際にこうだったとしたら「蛇足だ」と思ったかもしれません。
とりあえず、時期的にぴったり合うので、
冬コミの新刊でこのネタを書くことで
自己昇華させようと思っています。

どちらにせよ、一度は自分がきっぱりと否定したことを
嫌でも肯定しなければならないだなんて、
本当に、三成には辛い話だなぁと思います。
でも、再三書いていますが、こういう展開は大好きです。
豊臣の軍議で幸せそうにしていた分、
幸と不幸の落差がちゃんと出ていて良かったです。
(尤も、当の三成は、
秀吉たちに許可を求めたり宣誓をしたりで忙しく、
幸せを感じるどころではなかったようですが)



【役者さんに対する感想】
どうでもいいことなんですが……
私、ゲームは戦国BASARA2から遊び、
最初に好きになったのが伊達主従だったんです。
で、その後に秀吉と半兵衛のシナリオを遊んで
一気に豊臣軍にハマったのですが、
もし「次に好きな主従は?」と言われたら
即答で「真田」と答えると思います。
一押しではないですが、
伊達主従・真田主従にはそれなりの思い入れがあります。
その上での感想です。


中村誠治郎さん(石田三成)
今回も殺陣が凄かったです!!
私が観た日は、第二幕の“凶王誕生”の最後で
刀の鍔が舞台と客席の間に飛んできたので、
それにちょっとびびった私は、
自分もあの惨劇の場面に本当に居合わせたような錯角を覚えました。
演技も良かったと思います。
三成がとにかく可哀相でした。


吉田友一さん(片倉小十郎)
語尾を伸ばす喋り方が、
どうもヤクザの三下というかチンピラっぽくて、
以前から気になっていたのですが、
今回も直されてなかったのが勿体無いなぁと思いました。
大きな声を出さなければならないので、
どうしてもそうなるのでしょうけれど、
語尾はもうちょっと短かめにすると
もっと小十郎らしくなるんじゃないかと思いました。
(例を大袈裟に挙げると、
筆頭に名を呼ばれた時に、
ゲームの森川小十郎は「はッ!」と答えるのに対し、
舞台の吉田小十郎は「はァァッ!」と答える感じ)


村田洋二郎さん(猿飛佐助)
殺陣の時に、以前より大きく、格好良く動けていて、
見栄えがするなぁと思いました。
ご本人がより動けるようになった
(殺陣が上手くなった)だけでなく、
今回は第一幕の主役の一人なので、
大きな動きのある殺陣をつけてもらったということも
あるのかもしれません。
でも忍三人で戦う場面になり、
風魔役の高橋さんの殺陣と見比べた途端、
若干、見劣りしてしまい、
「あれ? さっきまで上手だったのに」と
面食らってしまいました。
演技については、少し違和感がありました。
これは個人的な解釈なので、他の人とは違うかもしれませんが、
宴の佐助はもっと鬱々としているというか、
幸村とは違う形で彼もドツボにハマっていて、
「ましら」の単語を連発している印象があったんです。
刑部相手に慇懃無礼に話すところなど、
もうちょっと声を低めに、抑え目にすると
そんな感じも出たのかもしれないなと思いました。
あと、衣裳の裾が相変わらずほつれていて、
パンフレットの写真にまで細い糸が出てしまっているので、
早いとこ衣裳さんに何とかして頂きたいです……。


滝川英治さん(伊達政宗)
声が何となく前任筆頭の久保田さんに似ていて、
最初に「え? あれ……?」とびっくりしました。
今回の筆頭は酷い怪我を負っているという設定ですので、
殺陣がお上手かどうかは語れないのですが、
「殺陣をやるって想像以上に大変なんだな……」と
彼を観ていて何故か思いました。
それともう一つ。
筆頭は、たとえ脇役の話でも
主役オーラを遠慮なく放っているキャラクターです。
私が初めて久保田さんの筆頭を観た時、
彼はそれをびんびんに放っていて凄かったので、
滝川さんも筆頭役に慣れたらそうなるのかなと
今から楽しみにしています。
筆頭はシリーズの顔ですので、
滝川さんが背負うプレッシャーは
とても大きくて重たいのでしょうが、
頑張って頂きたいです。
私も応援します。
あと、腰に下げている六爪の水かき部分の黒い布が
無惨なほどびりびりに破れていたので、
早いとこ衣裳さんに(以下省略)。


吉岡佑さん(真田幸村)
上記の滝川さん同様、吉岡さんも
前任幸村の細貝さんに声や雰囲気が似ていて、
役者さんが交代しているのに違和感が無かったのが不思議でした。
幸村は特に叫ぶことが多く、
台詞を発するだけでも大変でしょうが、
何を言っているのかが分からない時が何度かあったので、
滑舌をもう少し良くして頂きたいです。
それと、槍を構える時に
膝をもう少し曲げて腰を落とした方が良いと思います。
宴の幸村は、未熟さ故の迷いが強く出ているるキャラクターなので、
そうした部分で彼の青さを表現しているのかもしれませんが、
今の状態ですと、見映えがしません。
きつい言葉ですみませんが、格好悪くて幸村らしくないです。


川隅美慎さん(竹中半兵衛)
半兵衛は、BSRにおける私の最愛キャラです。
前任の崎本さんが割とハマっていましたので、
今回の役者さんの交代には怖さも感じていました。
しかも、公式で先行公開されたお写真では、
首が短くてずんぐりむっくりな体型……??という
大変失礼な印象を持ったのですが、
実際の川隅さんは、細くてすらっとされていて、
ちゃんと半兵衛様でした!!
殺陣の時に、得物の関節剣を持たない左手も
ちゃんとポーズを取っていたことから、
気を抜かずに指先まで意識しているのがよく分かりました。
決めの構えで胸を開いていたのも、
半兵衛らしくて良かったと思います。
川隅さんの声は、前任の崎本さんよりちょっと高めでしたが、
すんなり聞けました。
崎本さんとは印象が違う半兵衛ですけれど
どちらが優れている/劣っているということはなく、
「これはこれでありだな!」と思えました。


小田井涼平さん(豊臣秀吉)
声が何度もひっくり返っちゃったのが残念です。
殺陣はもうちょっと見たかったなぁ……。
普段の秀吉は、あまり動かないですし、喋らないですし、
そうすることで威厳も保たれるので、
演じるのも難しいキャラクターだと思います。


小谷嘉一さん(毛利元就)
安定のナリ様!
得物が大きいので殺陣には見映えがありましたし、
出番も多かったので、満足満足。
ゲームでの毛利にはあまり興味が無いのですが、
舞台での彼は大好きです。
何をやっても「いいぞ、もっとやれ!」と思ってしまいます。
ちゃんと腹黒いのも素敵〜。


白川裕二郎さん(黒田官兵衛)
私は“戦国BASARA2”の舞台から通い始めましたので、
白川さんの官兵衛をちゃんと観るのは今回が初めてです。
(武将祭では観ています)
他の役者さんと同様に、完成度が高くて凄かったー!!
官兵衛は、出番が少ない割に喜怒哀楽の感情が激しいので、
気持ちの切り替えが大変だと思いますが、
とてもハマっていました。
良かったです。


AKIRAさん(上杉謙信)
リアルけんしんさま!
今回は、第二幕の軍神歌劇団の印象しかないのが
良いのか悪いのか……。
でもでも、謙ドレには多いに笑わせて頂きました。
いつか、ヅカのみりおさんとのツーショットが見たいです!


知念沙也樺さん(かすが)
細い!!
体が薄い!!
以前よりかなり痩せられましたよね??
びっくりしました。
戦国BASARA2の時は体が固そうだなと思ったのですが、
今回はちゃんと動けていたと思います。
側転も、きれい……とまではいかないけれど、
2の舞台の時より上手く回れていたと思います。
全然関係ないですけれど、
この前、平日に日テレのPON!を見ていたら、
知念さんがお天気お姉さんとして出られていて
びっくりしました。
当たり前ですが、凄くおきれいなお姉さんでした。
それと、私が見た日のカテコでのご挨拶で、
けんしんさまとの歌で相当ご苦労されていることを
笑いながら明かされていましたが、
生歌で頑張られていることは高く評価したいです。
多少、音が外れていても、
生の歌だからこそ盛り上がるものだと思っています。


八代みなせさん(雑賀孫市)
初披露のダンスがちょっとビミョーだったかも……。
決して下手ではなく、
男性アンサンブルをたくさん従えている姿は
格好良かったのですが、
唐突に始まったこともあり、
私が面食らっているうちに終わってしまいました。
殺陣でもちゃんと動けていると思います。
前回の宴舞台での感想記事でも書きましたが、
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-06-04
瀬戸内の時は体操のような殺陣だったのが、嘘みたいです。
相当な頑張り屋さんなんですよね、きっと。


高橋光さん(風魔小太郎)
今回も凄かったリアル風魔!!
北条の爺ちゃんがメンバーに加わったことで、
沈黙をネタとするギャグがありましたが、
もう、高橋さんの風魔は
「そこにいるだけで風魔!」と思えるので、良かったです。
もう一度書きますが、
三成との殺陣が特に素晴らしかったです。


新田健太さん(大谷吉継)
上でも書きました通り、
笑い過ぎの演技は、刑部らしくないので
私は好きでないのですが、
これは新田さんがどうというより、
彼にそういう演技をさせた方の問題だと思います。
他でいうと、やはり宴会芸での縄跳びでしょうか。
観客も、それは簡単にできないことだと分かっているので、
固唾を飲んで見守りました。
あの瞬間、客席は一つになっていたと思います。
そして、そこで見事に成功させてしまうんですから凄いです。
尊敬します。


山本健史さん(北条氏政)
すみません……。
ゲームでの北条のお爺ちゃんは、
私の眼中に入らないキャラクターでしたので、
興味が全く無かったのですが、
実際に舞台で観てみたら、彼の言動に凄く和みました〜〜。
風魔とのやり取りは、
まさに“お爺さんと孫”という感じでほのぼのとしましたし、
他人任せというか、お調子者なところも憎めなくて、
彼が出てくる度に楽しかったです。
殺陣では、必ずギックリ腰がオチとして付いてくるのが
残念でした。
もっとちゃんと見たかったです。
でも、ダンス(パラパラ?)は要らなかったと思います。
あれが氏政の見せ場の一つなんでしょうが、
どうせなら、演歌で日本舞踊風に舞ってほしいです。


酒井蘭さん(いつき)
小さくて可愛くて、まさにロリっ子!!!
でも役者さんは二十歳で、成人済みだそうで……。
グラビアもこなしちゃう、Dカップのアイドルさんですよ。
鶴姫役の川村ゆきえさんもそうですが、
最近のアイドルさんは何でもこなすことができて、
本当に凄いですね。
今回のお話には深く関わらないキャラクターなのが
勿体無いくらい、
いつきとして凄くハマっていたと思います。
ダンスも良かったですし、
殺陣も、あの大きい槌を振り回してよろめいている姿も含めて
いつきちゃんらしく、可憐で可愛かったです。


金田進一さん・遠藤誠さん・白崎誠也さん(三好三人衆)
上記の通り、再現度が高かったです!
次は、松永先生と一緒に出て頂きたいです。



最後に。
今回、物販のクオリティが下がっていたのが非常に残念でした。
まずパンフレット!
使用している紙が前回までと違いますよね??
表紙が本文と同じ紙っぽい+PPで薄めなのがちょっと……。
それと、撮影後の修正(レタッチ)が全く行なわれなかったのか、
二次元の舞台の商品としては
「ん?」と引っ掛かってしまう出来の写真があって、
かなりショックを受けました。
ピントが甘い写真、
目の下のくまや顔の皺がくっきりと出ている写真、
ドーランと地肌の差が激しく出ている写真、
構図が変な写真(縦であるべきものが横で撮られている)と、
原因が様々なのも酷かったです。
きっとあるであろう次回公演では何とかして頂きたいです。
bsr02.jpg
*商品なので生写真の部分にはぼかし加工を行なっています

そうそう、今回、石川智晶さんが
「青の中の青」と「前夜」という曲を
舞台用に書き下ろしで提供して下さったそうですが、
どちらも良かったです。
(どちらがどっちの曲かは分からないのですが、二曲とも良かった)
もし販売されるなら是非買いたいなと思いました。



感想は以上です。
これから東京公演の楽があり、名古屋そして大阪公演がありますので、
最後の大千秋楽公演ではより楽しめるといいなぁと思っています。
私はいつものように、ライビュ観劇で参加する予定です。


11/26追記。
大阪大千秋楽をライビュにて観劇しました!
【ライブビューイング感想&レポート@舞台「戦国BASARA3 宴 弐」凶王誕生×深淵の宴 大千秋楽*ネタバレあり】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-11-26-1



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2013-11-09 01:48  nice!(0) 
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