感想@映画「天国からのエール」*ネタバレあり [映画・舞台]
映画「天国からのエール」をテレビで観ましたので
感想を記します。
天国からのエール プレミアム・エディション(2枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: Blu-ray
主なキャストさんはこちら(敬称略)
大城陽:阿部寛
大城美智子:ミムラ
比嘉アヤ:桜庭ななみ
真喜志ユウヤ:矢野聖人
伊野波カイ:森崎ウィン
仲村キヨシ- 野村周平
以下の記述にはネタバレがあります。
————
こちらの作品は、2011年に公開されました。
当時も気にしていたものの、
実話もの+モデルの方が病死されたらしいということで、
よくありがちな“お涙頂戴もの”なのかなと思い、
結局、劇場で観るのを止めてしまったんです。
今回、テレビのNHK BSプレミアムで放送されるということで、
楽しみにしていました。
あらすじはこちら。
沖縄で小さな弁当屋を営む大城陽は、妻の美智子と愛娘、母親の4人で穏やかに暮らしていた。ある日、陽は近所の高校生たちがバンドの練習場所に困っていることを知り、ガレージを音楽スタジオに改造し無料提供する。そこに集まる子供たちを家族のように叱ったり励ましたりしつつ交流を深めていく。やがて一組のバンドがプロデビューを目指す中、陽の体に異変が…。余命を宣告されながらも夢を追いかける主人公を阿部寛が熱演。
最後は主人公・大城陽(阿部寛さん)が死を迎えましたので、
同様に父を癌で亡くした私は、涙が止まりませんでした。
でも、大城が比嘉アヤ(桜庭ななみさん)たちには
病気のことを徹底的に伏せていたからか、
そのことが問題になってくるのが物語の終盤で、
お話のメインはやはり、
彼が彼女らの夢の手助けをしながら、
大人としてしっかりと導いている点でした。
スタジオを作ることを
大城が奥さん(美智子/ミムラさん)に知られた際、
彼女から「なんで他人の子の為に?」と
信じられないというように詰られましたが、
その返答として「他人の子供だからだ」と言い、
自身の信念を打ち明けるシーンが
特に素晴らしかったです。
うちの子、よその子と区別せず、
島の大人として島の子供の面倒を観るという姿勢は、
口で言うだけでもなかなかできないことです。
それを本当に実行してしまうとは……。
この貼り紙も良かった!
1.あいさつをしましょう
2.赤点は絶対ダメです!
3.機材の取り扱い注意」!
4.線を越えない!
5.イベント全員協力
6.後輩には優しく教えましょう!
7.9時以降の音出しやめましょう!
8.勉強を優先させましょう!
9.鍵の管理はリーダーがしっかり!
10.人の痛みのわかる人間になれ
上記の通り、
大城をモデルとした実在の人物がいることは知っていましたが、
この作品の主題歌を歌うステレオポニーが
作中でのあじさいスタジオ(あじさい音楽村)出身だとは
初めて知りました。
ステレオポニーがもう解散してしまったのが残念です。
とにかく、大城が魅力的な人間でした。
常に言動が真剣なので、
子供たちも“信用できる大人”として彼を見ていたのが
よく伝わってきました。
また、躾として子供の頭をポカッと殴っていたのも
良かったです。
スタジオを子供たちに使わせるに当たって例外を作らず、
その規則が破られそうになると即座に怒る姿勢が、
明朗で分かりやすく、公平で、
子供たちからの篤い信頼に繋がっていたんだと思えました。
怒るべき時にきちんと怒るのは、大人の務めですよね……。
また、大城を支える奥さんも素晴らしかったです。
病院帰りに行なわれた結婚式の時に、
結局、夫の大城が子供たちに病気の件を明かさないと知って
非常に複雑そうな表情を浮かべていたシーンでは、
私も何も言えませんでした。
最後、大城の遺志を継いだ彼女が
幸せそうに子供たちの面倒を見るのも良かったです。
写真立てをちょんと触って微笑む最後のシーンが、
ちょっとせつなくて——でも、優しさに溢れていて、
素敵でした。
お勧めです。
2013-10-30 21:54
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