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感想@映画「プラチナデータ」*ネタバレあり [映画・舞台]

映画「プラチナデータ」をDVDで観ましたので
感想を記します。

プラチナデータ Blu-ray  スタンダード・エディション

プラチナデータ Blu-ray スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: Blu-ray

主なキャストさんはこちら(敬称略)
神楽龍平/リュウ:二宮和也
浅間玲司:豊川悦司
水上江利子:鈴木保奈美
志賀孝志:生瀬勝久
白鳥里沙:杏
蓼科早樹:水原希子
戸倉稔:遠藤要
蓼科耕作:和田聰宏

以下の記述にはネタバレを含みます。
原作の小説は未読です。


————

映画の公開前に劇場でこちらの予告を観て
少し気になっていたのですが、
大変失礼ながら、
人情ものでない東野圭吾さんの作品は
私の好みに合わないことが多いので、
結局、止めてしまいました。

ただ、作品に対する興味はずっと持っていましたので、
今回、DVDのレンタル開始と共に借りてみました。



まず最初に抱いた感想は……
「劇場で観なくて良かった」でした。
予想通り、つまらなかったです。

国民のDNAデータが密かに採取され、
警察の捜査に利用されている
→作中の主要人物(神楽龍平/二宮和也さん)が
そのデータによって犯人と疑われることにより、
恐怖を感じられる
……という序盤は良かったのですが、
神楽龍平が実は二重人格者だという真実が分かった辺りから
「あれ?」と思うことが多くなりました。

というのも、こういった真相が明らかになった場合、
観客(視聴者)は作中の登場人物たちと共に
「ええっ?!」と驚かなければならないものですが、
この作品で明かされる真相は面白くなく、
驚くこともできないので、
私も「ふうん、そうなんだー」と思う程度で終わってしまい、
作品に対して全く興奮できなかったんです。
決して、お話が淡々と進んでいるわけではないのですが、
観ている私の気持ちがそこに全く乗らないので、
お話が進んでも面白くない
→ちっとも夢中になれなかったんです。

他にも、作品の肝であるネタとして、
密かに採取されている国民のDNAデータの名前が
“プラチナデータ”で、
別に“真のプラチナデータ”と呼ばれるものも存在し、
実は、全てが明かされてはまずい立場の人々の為に
プラチナデータが特別に改ざんされており、
それを発見できるのが
中盤の物語の鍵である“モーグル”だと分かるのですが、
上記の神楽の二重人格の件と同様に、
これらが分かっても興奮しませんでしたので
(観ていても感情が動かない)
衝撃を受けることができませんでした。
神楽が実はサブの人格で、
メインはリュウの方だったと分かった点も同じです。



最後まで一通り観た後、
ちょっと時間を置いて再度観た時に、
何故つまらないのかという理由に気付きました。
それは、神楽の二重人格ネタが作中で重く扱われているのに、
それとプラチナデータとが深く関わらないからなんですよね。
身に覚えが無いのに、
プラチナデータによって自分が犯人だと特定される
→それは自分が多重人格者だったから
——というところだけなんです。

途中、国際問題(笑)も少し出てくるのですが
別に面白くなく、意外でもなかったので、
物語を大袈裟に彩る要素だとしか思えませんでした。
言葉が悪い喩えで言うと(すみません)、
細くて小さな海老の周囲に分厚い衣を付けることによって
大きな海老フライに仕上げた感じ……です。
プラチナデータという付属品を纏わせたことで
物語は壮大であるように装われていますが、
実は神楽の二重人格ネタがメインであるのを踏まえると、
本来はそうでもない、割とよくある内容だと思います。

プラチナデータというネタそのものは、
近未来の日本において、実現してしまいそうなことです。
着眼点はとても良いと思えましたので、
これはこれで、二重人格の話とは切り離して、
別のお話で観たかったです。

そう、こちらの作品は、
誰かの悪意によって冤罪が仕立てられる恐怖を普通に描けば
良かったのではないでしょうか。
でも、二重人格というネタを大きく入れ過ぎた為に
お話の方向性が変わってしまい、
色々と勿体無いことになっていました。
もし本当に、二重人格をメインにしたかったのだとしても、
プラチナデータを絡ませなない方が良かったように
感じられました。



その大袈裟な“衣”。
音楽やセット、台詞回しなどがそうですが、
作中で数度あった逃亡アクションシーンもそうであると
私は思いました。
緊張感が無い、中途半端な内容です。
全ては二宮さんを格好良く見せる為なんでしょうが、
作品としては不要だったと思います。



二宮さんは……眼鏡+スーツ姿は格好良かったです。
ちゃんとインテリっぽく見えますが、天才には思えなかったなぁ。
滑舌が悪くて、
台詞の一部が潰れちゃっているのも気になりました。

豊川さんはさすがでした。
この作品の視点は、
前半は浅間刑事に、後半は神楽に置かれることが多かったのですが、
全てにおいて
浅間刑事に統一した方が良かったのではないかなと思いました。
(それではジャニーズ映画として成り立たないんでしょうが)

二宮さんのファンなら、観ても損はしないと思います。



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2013-09-25 17:27  nice!(0) 
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