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プレイ感想@ゲーム「逆転裁判5」*ネタバレあり [逆転裁判]

3DSゲーム“逆転裁判5”のプレイ感想(総括)です。
以下の記述にはネタバレを含みます。

逆転裁判5

逆転裁判5

  • 出版社/メーカー: カプコン
  • メディア: Video Game


各話の細かな感想については、感想&プレイ日記をご覧下さい。
【感想&プレイ日記 記事一覧「逆転裁判5」】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/gt5
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304187281-1


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逆転裁判5、最後まで楽しく遊ぶことができまして、
無事に一周目をクリアしました!!
前作の逆転裁判4の発売から六年三ヶ月……
今回は、逆転シリーズのファンが
待ちに待った新作だったわけですが、
その多大な期待に充分応えて頂けたと思います。
大変面白かったですし、遊びやすかったです。



まず、ストーリーが素晴らしかったです。
第一報を見た時、爆破された法廷が舞台で、
法曹界の暗黒時代が描かれると知った時は
ちょっと戸惑いましたが、
実際に遊んでみると、
最後には明るい未来をちゃんと感じることができました。
特に終盤は、主要キャラクターから
「不正を無くそう」との強い意思がびんびん伝わってきて、
深い感動に繋がっていたと思います。
特に、不本意ながら暗黒時代の始まりの象徴となっていた
主人公・成歩堂龍一(以下なるほど君)と、
新キャラクター・夕神迅(以下ユガミ検事)の手で
それを終わらせ、次に繋げるという展開には、
私も凄く興奮しました。
遊んでいて燃えました!!!!
最後の法廷の終盤(第5話「未来への逆転」法廷第1日目終盤)では
何度も何度も泣きそうになりました。

また、逆転裁判シリーズと言えば、
各話の出来事が僅かに繋がっており、
最終話を遊ぶことで初めて全体像が見えて、
“黒幕”の存在が明かされるのが定番です。
今回は、第1話が始まる前に起こった事件が未解決のまま、
お話が進みます。
終盤で改めてその公判に臨むこととなり、
その内容がこの逆転裁判5の肝となるわけですが、
一連の事件の実行犯(真犯人)が明かされるだけで、
彼にその命令を下した“黒幕”は出てきません。
しかし、その真犯人の正体が意外でしたので、
物足りないとは特に思いませんでした。
非常に身近な人物が実は真犯人だったという真実は、
私にとって衝撃的で、悲しくて、面白かったです。
私はまんまと騙されてしまい、
以前からその真犯人を非常に好ましく思っていたので、
受けたショックは大きかったです。
その分、生じた高揚感も凄かったです。
びっくりしながらも興奮しました。

また、今回は、当たり前と言えばそうですが、
ざっと見たところ、
お話に矛盾が無い(辻褄が合っている)のが良かったです。
「え? ××って※※なんじゃない?」と思ったところは、
台詞や設定でカバーされていたと思います。
個人的に一番驚いたのは、
感想&プレイ日記にも書きましたが、
第3話“逆転学園”で、一路真二先生が、
登場時には本当にあの杖を持っていなかったことです。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-07-27-3
前作の4は、内容がちょっと酷かったですからね……。
良かった良かった。



キャラクターについて。

まず、新キャラクターたちが大変良かったです
「既存のキャラクターと遜色無く良かった」と書きますと、
ちょっと大袈裟になってしまいますが
(ご存知の通り、皆、痛烈で魅力的な個性を放っている他、
プレイヤーの思い入れがとても深いので、
そこに追い付くにはまだまだだと思います)、
新キャラクターたちは皆、
変人だらけの逆転裁判の世界によく馴染んでいたと思います。
皆、格好良かったり可愛かったり渋かったりするけれど、
言動がコミカルでおかしくて、
でも、心の内には大事な想いを抱えていて……と
強かったり弱かったりする部分が魅力になっていて、
彼らの言動はプレイ中の楽しみの一つでした。

私が最初からずっと好きだったのは、
番轟三刑事(以下バン刑事)です。

夕神姉弟については、
逆転裁判5の世界を作る中心人物ということもあり、
お話が進むにつれて、どんどん好きになっていきました。

希月心音(以下ココネちゃん)も良かったです。
逆転裁判シリーズのヒロインと言えば、
可愛くて、気が強くてお茶目で、
でも時々ふっと見せる真剣さに弱さがあって……というのが定番で、
ココネちゃんもまさにその通りでしたが、
先輩ヒロインである綾里真宵(以下真宵ちゃん)、
狩魔冥、一条美雲、成歩堂みぬき(以下みぬきちゃん)と
キャラクター性がかぶっておらず、
新しいヒロイン像がちゃんと作られていたと思います。
ガッツがあって明るく、元気なのは
王泥喜法介(以下オドロキ君)と同じですが、
ココネちゃんは体育会系なんですよね。
この点も、逆転裁判のヒロインとして斬新でした。
すぐ走っていっちゃう点が、むちゃくちゃ可愛かったです。



次は、既存のキャラクターについて。
なるほど君が凄く良かったです!!!
存在感は、さすが初代主人公だけあって、相変わらず立派でした。
事務所所長として、そして先輩弁護士としての風格があり、
“オドロキ君やココネちゃんが尊敬する人”として
きちんと描かれていたと思います。
これを言ってはいけないのを承知の上で書きますが、
なるほど君がこんなに頼もしいのなら、
逆転裁判4の彼もこうであってほしかったと思いました。
あのなるほど君も、異様な個性がありましたので、
変わり種としては好きですが、
今の彼を見てしまうと
「何だったんだろう、あれは」と思ってしまいます。

オドロキ君は、今回、複雑な立場になりましたが、
逆転裁判4の時に感じられた未熟さが消えた代わりに、
先輩弁護士としてココネちゃんを引っ張っていく強さが
しっかりと生まれていて、
なるほど君と同様に頼もしかったです。
成歩堂なんでも事務所を離れた後、
ちょっと荒んじゃった的にワイルドだったオドロキ君は、
かなり新鮮で、
見ていて面白かったです。

御剣怜侍(以下御剣検事)や
綾里春美(以下はみちゃん)、みぬきちゃんなど、
再登場の脇役キャラクターについては、
やはり懐かしさが一番にきました。
彼らについては、新作に登場するかどうかが一番の問題で、
ゲームに出られれば、よほどのことがない限り、
キャラクター像がまず崩れることはないので、
今回も安心して遊べました。
真宵ちゃんからの手紙には泣けました。
早く、お姉さんになった彼女に会いたいです。



システムについて。
今回、細かいところで改良が加えられたようです。
私が遊んでいて特に有難かったのが、
探偵パートで“調べる”を行なう際に、
既に調べたところには印が付くようになったことです。
また、法廷パートの尋問では、
証言の数と、これが幾つ目の証言であるかが、
小さな点と丸で表示されるようになったのも、
嬉しかったです。

新要素“ココロスコープ”について。
正直、まだ完成系ではないなと思いました。
その理由は、感情と証言の違いが分かりにくいのと、
正解してもあまり嬉しくなかった点です。
なるほど君の“サイコ・ロック”は、
探偵パートでも法廷パートでも使える上に、
見た目も音も派手なので、
正解した時のインパクトがあります。
オドロキ君の“みぬく”は、
対象の些細な変化を見つけなければならないという点で
難易度が少々高く
細部をちまちまと調べてようやく見つけられる時が多いことから、
ストレス(緊張)から解放された安堵感で
爽快感に似た気持ち良さを得られます。
しかし、ココネちゃんの“ココロスコープ”は、
そもそも感情を四つに分けることが難しくて、
曖昧な感情については、人によって解釈が異なることから、
ゲーム中での正解が万人のそれであるとは限らないのが
難点だと思います。
これは、感情入力があるゲームには必ず付いて回る問題です。
(懐かしいところで言えば“東京魔人学園”とか)
今回は、探偵パートではオドロキ君の“みぬく”を、
法廷パートではココネちゃんの“ココロスコープ”をと
分けて使うようになっていましたが、
今後もこうなるのかなぁと思いました。

同じく新要素の“カンガエルート”は、
感想&プレイ日記にも書きました通り、
まんま、PSPゲーム“スーパーダンガンロンパ2”の
“ロジカルダイブ”のミニゲームが伴わないバージョンです。
私はこのミニゲームが大嫌いでしたので、
それが無いこの“カンガエルート”は有難かったのですが、
既視感はむちゃくちゃありました。



さて、ここまでべた褒めに近い感じで書いてきましたが、
不満もありました。

まず、この逆転裁判5というゲームは、
単独での評価と、シリーズ続編+最新作としての評価が
異なると思います。
私が下した単独での評価は、上記の通りです。
遊びやすいですし、何より楽しいので、
逆転裁判シリーズのファンは勿論のこと、
これまで全く遊んだことがないプレイヤーにも
遊びやすい内容になっていると思います。
まったくの逆転初心者にしてみれば、
カメオ出演のキャラクター(牙琉響也やみぬきちゃん、はみちゃん)が
ちょっと出しゃばり過ぎていて、
彼らのことがよく分からないこともあり、
不満に思うこともあるかもしれません。
ただ、この点については、
逆転裁判シリーズのファンへの考慮もあるので、加減が難しく、
どちらも満足できる正解は無いと思います。

で、シリーズの続編+最新作として評価を付けるとなると、
申し訳ないですが、単独での評価より点数を下げざるを得ません。
単独での評価なら、今回、私は85点を差し上げます。
しかし、シリーズ続編・最新作という部分を加えるなら、
75点しか差し上げられないなぁと思いました。
それは、旧作を配慮しながらも、
システムの改良、新要素の追加など、
新しくなって良かった点もあった反面、
削られた部分に対する不満が非常に大きかったからです。

その最たる問題が、探偵パートにおいて、
決められた場所でしか“調べる”を行えなくなったことです。
私も、“調べる”の重要さを、無くなって初めて痛感しました。
逆転裁判シリーズは、勿論、推理ゲームですが、
各キャラクターが非常に魅力的であることから、
キャラゲーでもあるとも言えます。
一周目のプレイでは話をただ追い、
二周目では、わざと誤った答えを選んでみたり、
あれこれ余計なことをしてみたりする遊び方は、
逆転裁判ファンの中では昔から一般的だと思います。
中でも“調べる”は、お遊び要素が非常に大きく、
キャラクターのくだけた呟きや会話を楽しめるので、
新しい場所に移動できると、
ゲームの進行そっちのけで、ちまちまと調べるのが
当たり前だったと思います。
今回は、殺人現場といった一部の場所では
“調べる”ことができましたが、
魅力的な背景を見る度に
「あぁ、ここも調べたい」と思わずにはいられませんでした。
スタッフさんには、是非、
今回は何故“調べる”を削ったのかをどこかでお話し頂いた上で、
次作での復活をご検討頂きたいです。

もう一つ、大きな不満がありました。
シナリオのボリューム不足の件です。
あれこれ楽しかったけれど、
「え? これでもう終わり?」とも強く思いました。
もっともっと遊びたかったです。
別のお話を第4話として挿入し、
今回の第4話分を第5話に吸収して作ってほしかったです。
いくら何でも、
今回の第4話は内容が中途半端で、容量も少なすぎます。
すっきりしない、納得できない状態で第4話を終わりとするのは、
ちょっと狡いなと思いました。
胸を張って「これは全5話です」と言うことはできないでしょうし、
してはいけないと思います。

それと、これは些細なことなんですが、
本体がDSになってから目玉の一つとされていた指紋検出が、
今回はできなくなっていたのが、地味にショックでした。
トントンしてフーッとやりたかったです。

そして、今回からアニメーションが多々挿入されましたが、
逆転裁判シリーズのファンの一人として素直に語るなら、
ぶっちゃけ要らなかったです。
私は、もう、GBA版の仕様のままで全く構わないので、
新たな面白いストーリーを楽しみたいんです。
「異議あり!」や「待った!」のボイスも、
タクシューさんや岩元さんのままでお願いしたかったです。
勿論、新作としてゲームを発売するには、
新たな目玉要素を生み出さなければならないですし、
何かしら変えていかなきゃいけないでしょう。
元の音声についても、もう使えないとの判断が下されたので
今回から声優さんのものになったんだろうとは、
私も理解できます。
でも! でも!
逆転裁判というゲームが、
GBA版の1の頃から既に完成型に達していたのを踏まえると、
アニメーションを加えるといった変化は要らないと
思えてなりません。
外注で作らせたアニメーションを加えるなら、
そこに掛けたお金と時間で、
シナリオをもっとボリュームアップしてほしかったです。
なんていうか……言葉は悪いですが、
逆転裁判4以降、
ファンが「力を入れてほしい」と望んでいる点と、
制作側が実際に力を入れる点が違うような気がします。
“調べる”の削除は、まさにこれだと思います。
これを望んだファンはいるんでしょうか??

厳しい言葉も使いましたが、
上記は、楽しく遊べたからこそ
「××だったら、もっと良かったのに」という不満です。
残念でしたが、この不満を次回作以降への期待に変えて、
スタッフさんを応援するつもりです。



音楽は今回も良かったです。
ここぞという時に、
“王泥喜法介のテーマ”が掛かるのが嬉しかったなぁ。
あれは元の楽曲が良いからですね。
普通の時に聞けるアレンジの違うバージョンも好きです。
“サイコ・ロック”の時に掛かる曲は、
懐かしすぎて感動して、「うわぁ……!!!」と興奮しました。
ただ、“追いつめられて”的な、
疾走感のある、ぐいぐいと押し込んでくるような曲も
欲しかったです。

背景は、特に九尾村が良かったと思います。
あそこは“調べる”を隅々までやりたかったです。
本当、勿体無い。



最後に、主要キャラクターについて簡単な感想を綴っていきます。

成歩堂龍一(ナルホド君)
我らが主人公・なるほど君!!
今回は前髪の短い一房が下りていましたけど、
これがいいアクセントになっているなぁと思いました。
ぴょんぴょん動くのがかわいい。
良き所長、良き先輩弁護士として、
最初から最後まで素敵に描かれていたと思います。
ハッタリが主という弱点も、非常に魅力的です。


王泥喜法介(オドロキ君)
今回は少々ワイルドな面も披露しましたが、
その分、最後の法廷の乱入後に見せた必死さに
リアリティがあって
凄く凄く良かったです。
4では初々しかったのに、
今回はちゃんと先輩として振る舞うようになっていたので、
私はつい、親の視線で見てしまいました。
みぬきちゃんとのやり取りも相変わらず良かったです。


希月心音(ココネちゃん)
逆転裁判のヒロインは、皆、頑張る子だけれど、
ココネちゃんも本当に頑張っていました。
ゲームを遊ぶ前は、ココネちゃんへの関心が全く無かったのに、
いつの間にか彼女を大好きになっていました。
ココネちゃんが笑顔で
拳をもう片方の掌で受け止めてバチンとやる仕種をする度に、
私も明るい気持ちになれました。
成歩堂なんでも事務所唯一の体育会系として、
今後も頑張ってほしいです。


夕神迅(ユガミ検事)
この人には頭が下がります。
上記でも少し触れました通り、
当初はあまり興味が無かったのですが、
お話を進めるにつれて、どんどん愛着が湧いてきて、
遂には大好きになりました。
彼を見ていると、逆転裁判3のゴドー検事を思い出します。


番轟三(バン刑事)
逆転裁判の刑事と言えば、糸鋸刑事で、
検事に頭が上がらない人というイメージが強いです。
でもバン刑事は、ユガミ検事の部下ではありましたが、
相棒という要素が強く、
暴走しそうになったユガミ検事を
バン刑事が実力行使で止める場面が何度もありました。
アニメ“TIGER & BUNNY”のスカイハイを思わせる
「ハッハッハ」という笑い方も魅力的で、
こういうキャラクターがシリーズの一員に加わったんだと思うと
この先が楽しみで仕方がありませんでした。
……なので、彼が真犯人のスパイだったことは
とてもショックでした。
惜しいキャラクターを無くしたなぁと残念に思っています。



感想は以上です。
私の中で、逆転裁判というゲームは、
何度も何度も遊ぶのが当たり前の事となっているので、
二周目以降も頑張ります。
楽しみ!

次は逆転裁判の舞台観劇とイベント参加です。
時間が取れましたら、レポート&感想記事を書く予定ですので、
また拙ブログを覗いて頂けたら嬉しいです。


ここまでお読み下さり、ありがとうございました。



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2013-07-29 22:46  nice!(0) 
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