さくらもちモチ

感想@映画「英国王のスピーチ」*ネタバレあり　[映画・舞台] [編集]

映画「英国王のスピーチ」をDVDで観ましたので
感想を記します。

以下の記述にはネタバレを含みます。


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図書館でDVDを借りて観ました！
洋画は、字幕を目で追うのが面倒臭いので、
映画館でも自宅でも、吹き替え版で観ることにしています。



ずっと観たかったこの映画。
その期待通り、とても面白かったです。
幼い頃から吃音に悩まされているイギリス王・ジョージ六世
（現在の女王・エリザベス二世の父親）が、
スピーチ矯正の専門家ライオネルの協力を得て、
国民に向けてのスピーチを行なう……という
明朗簡潔なストーリーなんですけれども、
最初から最後まで飽きずに楽しめました。

特に、最後のスピーチは圧巻でした。
比較対象として、
それより先にヒトラーの演説が作中で流れるのですが、
早口でまくしたてることで他人を圧倒する彼の話し方に対し、
ジョージの話し方はゆっくりで、辿々しい部分もありましたが、
実に実直で、真摯で、熱意があり、
私も聞いていて好感を持てました。
このスピーチをするにあたり、実を言えば、
ジョージは用意された原稿を読んだだけなんですけれども、
ラジオでこれを聞いた聴衆の中には、
彼がリアルタイムで考えながら話していると誤解した人も
いたかもしれません。
それぐらい、言葉が生きていました。
非常に感動的でした。
スピーチが終わった直後、
城内にいたスタッフが全員、拍手をしていましたが、
私も一緒にそうしたくなりました。



また、登場人物が皆、魅力的でした。
「王になどなりたくなかった」と悩むジョージに、
彼を支える優しい妻・エリザベス、
そしてジョージの友となるライオネルと、
特に主要人物は皆、とてもチャーミングです。

私が注目したのは、
ジョージがライオネルの自宅を訪ねた場面です。
ライオネルの息子の作りかけの飛行機模型を見て、
ジョージが目を輝かせるシーンでは、
王族であるからこその彼の苦しみも垣間見えて、
とても良かったと思います。

ジョージがライオネルの元に通うようになってからも
一筋縄ではいかず、
二人が喧嘩をしては仲直りをして絆を強めていく点も
良かったです。
その度にジョージの心の弱さが浮き彫りになるんですが、
それも彼の魅力だと思えてくるんですから、不思議です。

そして、英国王室が舞台というだけあって、
出てくる調度品や衣裳にも見応えがあります。
内装とか小物とか、細かく見ていったらきりがないほどです。



押し付けがましい無駄な感動は無く、
最後のスピーチで見事にお話を締める内容は
大変素晴らしかったです。
良い映画でした。
観る人を選ばない内容ですので、皆さんにお勧めします。