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感想@臨場 劇場版*ネタバレあり [映画・舞台]

“臨場 劇場版”をDVDで視聴しましたので
感想を記します。

臨場 劇場版 [DVD]

臨場 劇場版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD

以下の記述にはネタバレを含みます。


テレビドラマ版の感想(URL一覧)はこちら
臨場:第1シーズン(再放送)
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/drama_re
臨場:第2シーズン(2010年春)
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/drama201004

————

このテレビドラマシリーズが好きだったのに、
タイミングが合わなくて、
何となく映画館で見そびれてしまった作品です。
でも、最初の通り魔連続殺人事件のシーンを見た瞬間、
これは劇場で見なくて良かったかもしれない……と思ってしまいました。
それぐらい、ショッキングな映像です。
これはあくまで作り物で、
見ている私が襲われることはないと分かっていても、怖い怖い。
とにかく衝撃的です。
一度、最後まで見終えた後、また最初から見たんですが、
この通り魔事件だけは怖すぎて、
ちょっと気合いを入れる必要がありました。

何ということもない、ごくごくありふれた日常生活なのに、
遠くから女性の悲鳴のようなかん高い声が混じり始めて、
「あれ? これ、なんだろう」と思って見ているうちに
画面では路線バスが広場に突っ込んでくるという状況です。
ようやく停まったバスの出入口から
乗客たちが転げ落ちるように逃げ出した後に登場する
波多野進(柄本佑さん)も
かなりのインパクトがありました。

この通り魔事件は、作中の時間でいうと過去の出来事で、
お話もすぐに二年後の現在に移るのですが、
あまりに印象が強くて、
次の殺人が頭の中になかなか入らなかったです。
映画という、時間が決まっている設定上、
余計な要素(エピソード)はあまり入れてこないので、
この殺人もさっきの通り魔殺人事件に繋がっているはず!とは
思えたんですが、
気持ちを切り替えることがなかなかできませんでした。



作中では、幾つかの殺人事件の捜査と一緒に、
倉石義男(内野聖陽さん)の今が描かれています。
病魔に蝕まれているらしく、
彼が相当な苦痛を耐えているシーンが何度となく挿入されているのが
結構辛いです。
また、恩師・安永泰三(長塚京三さん)が
倉石と全く同じ症状を抱えているらしいのも
真相究明の一つに繋がっているのがせつない……。

せつないと言えばラストシーン。
これが、雨の中で倉石が路上によろよろと倒れる冒頭のシーンに
続くんだと思うんですけれども、
あれだけ花でいっぱいだった部屋が
急に殺風景になっていたのが感傷的で
(金魚を引き渡しちゃうシーンが予兆だったとはいえ)、
見ていてすごく悲しかったです。
必死に電話を掛けている小坂留美(松下由樹さん)の声も
せつないせつない。



現在の殺人事件の真相について。
波多野が最低最悪の殺人鬼で、
実は反省なんかこれっぽっちもしていないというのは
置いておくとして……
倉石には否定されていましたが、
安永教授の気持ちも分かるなぁと思いました。
死体を見ることに対して他人より慣れているとはいえ、
通り魔事件にたまたま居合わせ、
自分も被害者になり得るかもしれなかった究極の状況で、
目の前で一人の女性が死んでいくのを見たら
——しかも、自分の命がもう尽きることが分かっていたら、
通常なら抑えられたかもしれない奇妙な責任感に煽られてしまうのは
無理も無いことのように思えます。
安永教授の行動は間違っていますし、
それを認めてはいけないのでしょうが、
義憤に駆られてしまった感情は理解できます。



途中、ちょっと散漫に思えるような部分もある他、
真相究明において派手な盛り上がりは無いですけれども、
実直に作られている良い作品だと思います。


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2013-02-06 21:11  nice!(0) 
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