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感想@映画「鈴木先生」*ネタバレあり [映画・舞台]

映画「鈴木先生」を観てきましたので感想を記します。

映画 鈴木先生 オフィシャルガイド

映画 鈴木先生 オフィシャルガイド

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

以下の記述にはネタバレを含みます。

主なキャストさんはこちら(敬称略)。
鈴木章:長谷川博己
足子瞳:富田靖子
秦麻美:臼田あさ美
小川蘇美:土屋太鳳

勝野ユウジ:風間俊介
田辺満:浜野謙太


私は、原作の漫画は未読ですが、
テレビドラマ版は放送終了後にDVDで視聴しました。
その感想はこちら。
[鈴木先生] LESSON1:誰も正解を教えてくれない! それが学校
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2013-01-15-2


────

待望の“鈴木先生”映画化……!ということで
この情報を知った時から公開を楽しみにしていたのですが、
上映館が少ない少ない!!
映画を観る為に、ちょっと遠出をする羽目になりました。

私はDVDでドラマを視聴していましたので、
序盤のOPで、この作品が“11”とナンバリングされていたのが
凄く嬉しかったです
(ドラマは全10話)。
だからなのか、
今回の作品は映画だからと変に気張ったところは無くて、
寧ろ、ドラマ版の延長上という感じがしました。
でもこれは、映画として物足りないということではなく、
テレビ版が既に映画並みに凄かったと言うべきかもしれません。
ドラマファンは是非観るべき!!
ドラマを観ていない人は、DVDで視聴してから是非どうぞ。



ドラマ版の“鈴木先生”では、
性の問題が特に衝撃的だったせいか、
そればかりがクローズアップされがちですけれども、
性に関係の無い問題が取り上げられる時もありました。
そして、11話目である今回の映画も、
性の話は全く出てきません。
勝野ユウジが小川蘇美を公開レイプしようとしますが、
皆の前で「今からレイプします」と宣言するばかりで、
小川蘇美も制服のジャケットを脱ぐ程度です。

その小川蘇美。どこまでカミサマなの……!!

小川病が復活してしまった鈴木先生は勿論ですが、
今回のキーパーソンである勝野ユウジも、
小川蘇美に対して変に惹かれていますよね。
そもそも、なんでレイプなんだろうと思いました。
勝野ユウジは、
真面目な良い子ちゃんに育てられている中学生の心身を
わざと傷付けることによって彼らを“守る”としていましたが、
別にレイプじゃなくたっていいですよね。
なので、それは、
小川蘇美という存在を知ってしまったからこそ、
彼はわざわざその手を選ぼうとしたのかなと思っています。
もし、勝野ユウジが小川蘇美と出会ってなかったら
──そもそも小川蘇美という存在があの学校に無かったら、
勝野ユウジがあの学校を襲撃したとしても、
生徒たちを傷つける手段として
女子生徒へのレイプを選ばなかったのではないでしょうか。

小川蘇美が、騒ぐ他の生徒たちや勝野ユウジに向けて放った
「心が壊れるのを許してはいけない」という台詞が
むちゃくちゃ印象に残りました。



勝野ユウジに対する鈴木先生の説得が
いい感じで行なわれていたので、
スタンガンによる反撃には本当に驚きました。
勝野ユウジによって小川蘇美が無理に連れていかれる中、
床に倒れている鈴木先生の身体が
びくんびくんと痙攣していたのも、怖い怖い。



居場所が無くなって、
どんどん追い込まれていく勝野ユウジの気持ちは分かるので、
彼の台詞は観ていて辛かったなぁ。
ただ、一人の女として、
公園に不審者がいるというのは、たとえ勘違いでも怖いので、
演劇の練習の最中に勝野ユウジや田辺満を怪んでしまう
女子生徒の気持ちも分かります。

この問題は、本当、難しいですよね。
まず、喫煙者イコール不審者ではないので、
公園の喫煙所を撤去したからといって
不審者出没への対策にはならないと思います。
大体、喫煙者が徐々に減っている現状を踏まえると、
寧ろ非喫煙者の方が不審者のいる確率は高いかもしれませんしww

また、公園は誰が来ても良い場所なのは確かですが、
私たちは、そこに集う他の人間に対して
身分(立場)や用件を無意識のうちに求めてしまうのかなと
思いました。
たとえば、赤ちゃん連れの大人なら、
「この人は赤ちゃんと散歩する為に公園に来ている」と分かります。
また、時間帯がお昼〜午後で、お弁当などを持っていれば、
「この人は昼食を食べる為に公園に来ている」と分かります。
こんな感じで、スーツ姿のくたびれたサラリーマンなら
仕事をちょっとサボっているのかな?などと思えるように、
その対象に
身分や用件を表す記号(服装や持ち物、連れなど)があれば、
「あぁ、この人はこういう理由でこの公園に来ているんだ」と
納得できるんですよね。
そして、そういう身分や理由がある人だから怖くない
=“きっと不審者ではないはず”という安心感が生まれるわけで。
でも勝野ユウジや田辺満の場合、そういったものが無く、
昼間から公園にただいて、何をするでもなく座っているので、
他の人からすると、
“何をしているのかよく分からない=怪しい人!”に
なってしまうんですよね。
本来、公園は、
何をしていても自由=何をしなくても自由な場所なんですが。



勝野ユウジや田辺満は真面目だったんだと思います。
とても真面目だったからこそ、
ちゃらんぽらんな人以上に
深刻に追い込まれてしまったのかもしれません。

また、彼らとは紙一重のギリギリの位置にいる人は
現実にも大勢いるはずです。
皆に優しくするのも疲れますし、
良い大人として過ごすのも疲れますから、
そういう時は、作中の終盤で鈴木先生が言っていたように、
自分自身と、自分が好意を寄せる人の為だけに生きてみるのも
良いと思います。
この台詞には、私もぐっときて泣いてしまいました。



選挙のエピソードも良かったです。
これは、昨年末にあった衆議院選の前に観たかったww
「真面目に投票した人とそうでない人の票の価値
(重み)が同じなのは間違っている」って
大人になって既にかなりの年数が経過している私には
指摘することさえ忘れてしまった正論だなと思いました。



それと、足子先生!!
最後、鈴木先生が感謝の意を素直に示したことで
足子先生の頭の中では存在が復活したようですが、
選挙の演説で彼女に反発した二名はまだ消されたままですよねww
まさかずっとあのままなんでしょうか?!



この作品は、本編も素晴らしいですが、
一番良いのはスタッフロールの映像だと思います。
本編が終わったからといって、席を立たずに
是非観て頂きたいです。



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2013-01-16 23:30  nice!(0) 
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