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感想@映画「プリンセス トヨトミ」*ネタバレあり [映画・舞台]

映画「プリンセス トヨトミ」の感想です。

プリンセス トヨトミ Blu−rayスタンダード・エディション [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: Blu-ray


以下の記述にはネタバレを含みます。
私は原作の小説を読んでいません。


────

私は戦国系ゲーム(戦国BASARA・戦国無双)が好きで、
しかも豊臣家に由来のキャラ(竹中半兵衛とか石田三成とか)が
好きなものですから、
公開当時もタイトルに惹かれていたのですが、
見ないまま終わってしまったので、
テレビで放映されると分かった時は
諸手を挙げて喜んでしまいました。



まず、タイトルが良いですよね。
片仮名にするとそれっぽくなるというのは定番ですが、
「“豊臣のお姫さま”って何?」って思いますもん。

ただ、実際に見終わってまず最初に思ったことは、
こちらの作品、主人公が
その“豊臣の姫(秀吉の血を受け継ぐ女の子)”でなく、
彼女を見守る人および、
意図的ではないにしろ彼らを害しようとする人たちなんですよね。
“豊臣の姫”に当たる女の子は、
彼女なりに大事なものを守ろうとして頑張るのですが、
豊臣家の末裔という自分の立場を自覚することは最後まで無いので、
彼女がそうしたことで何かをすることはありません。
あくまで、象徴みたいな存在です。
実質上の主人公は、
松平元(堤真一さん)と真田幸一(中井貴一さん)だと思います。

なので、タイトルと内容がちょっとずれています。
しかし、大阪国の存在は
タイトルでネタバレをしない方が良いでしょうし、
これといった代わりのタイトルも思い付かないので、
このタイトルが駄目だと否定することはできないのですが、
私は、こういう“ずれ”が無い方が好みなので、
惜しいなぁと思えてなりませんでした。
繰り返しますが、タイトルそのものは好きで、
うまいなぁと思います。



さて、その内容の感想です。
冒頭、無人の商店街を鳥居忠子(綾瀬はるかさん)が走ったり、
仕事でOJ0を訪ねた松平が伏木な体験をしたり……と
ホラー要素も感じられるような奇妙なシーンがありますので、
見ていて「お……?」と引き込まれました。

ただ、中盤、大阪国国民がぞくぞくと集結するところが
このお話の一番の見所なので、
それ以後はちょっと盛り上がりに欠けているなと思いました。
でも、飽きない程度には面白かったです。

大阪の父親ー息子間で行なわれる儀式がとても印象的です。
真田親子のも凄く良いのですが、
実際には行なわれなかった松平の辛さがよく伝わってくるので
ここはもうぼろぼろ泣いてしまいました。
世代的に、あそこに集まった人達は、
これから続々とあの儀式をするはずで、
中高年が多い現状も、その内、代替わりをする
(若い人たちが増えてきて、平均年齢も少し下がる)のかと思うと、
大阪国の重さみたいなのを私も感じられました。



とにかく、真田が良いです。
最初の登場が、これまたいいんですよね。
なんということのない、
ただ淡々とお好み焼きをやいているご主人という役なので。
真田は、正体が明かされるまで割と印象的に映っているので、
「彼には何かあるな」と感じられるのですが、
その“何か”が具体的に匂わされていないのが良かったです。
豊臣の姫を含めた子供たちは、こんなふうに
何も知らずに彼らによってちゃんと守られているんだなと
実感できました。



通常ですと、
橋場茶子(沢木ルカさん)が攫われたとの勘違いが勃発してから、
真相が判明するまでの間に、
様々なトラブルが起こるのが一般的です。
この映画でも、大阪国の国民が某所に集結して、
最後には拳銃による傷害事件まで起きてしまうのですが、
場所が固定されている(集まった後、皆がそこから動かない)からか、
勘違いによるドタバタが中途半端にしか描かれていません。
おそらく制作側は、意図的にそういうのをバッサリと切って、
真田と松平の対決に集中したんだと思いますが、
私は、この展開に対して新鮮だと感じられたと同時に、
せっかく誘拐かと誤解されたのに
それをハプニングとして生かしきれてない感じもしてしまって、
やっぱり盛り上がりに欠けるかなとも思えました。



最後の最後に明かされるネタバレは好きです。
彼がその子孫だったのか……!と驚くと同時に、嬉しくなりました。

それと、鳥居の大食いについてですが、
よくある「いくらでも食べられちゃう」奇跡の大食漢でなく、
仕事でいっぱい食べなきゃいけなかった時には、
ちゃんと嫌気を覚えている(満腹でもう、口に運べない)のが
良かったです。
私も次に大阪に行った時は、
お城の前の広場で、ソフトクリームを食べます!



気になったことが一つ。
私が見落としたのかもしれませんが、
松平が初めてOJOを訪ねた後、
忘れ物を取りに行く為に戻って、奇妙な体験をしますが、
結局あれは何だったんでしょうか。
無人だったというのは分かるんですが、
事務所の机の引き出しの中がからっぽだったり、
電話が通じなかったりというのは、
ホラーっぽく見せる為の演出以外に意味が無いと思えるのですが。
 ↑
そう見えることが大事だったなら、
つじつま合わせも必要だと思います。


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2012-05-08 10:43  nice!(1) 

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