感想@映画「武士の家計簿」*ネタバレあり [映画・舞台]
映画「武士の家計簿」の感想です。
WOWOWプライムで放送されたのを見ました。
以下の記述にはネタバレがあります。
────
映画公開前に、テレビや映画館でこのCMを見ていましたので
ずっと気になっていました!
江戸時代──しかも幕末の武家ともなると
どこの財政も火の車で、とてもとても大変だったとは
私も知識として知っています。
下級武士の質素倹約話だなんて面白そうじゃないか!
と思えたからです。
……そう思って見始めたのですが、
冒頭は主人公の息子・猪山成之(伊藤祐輝さん)の語りから
始まりますし、
猪山家も序盤は、一見、裕福そうなんですよね。
つまり、猪山直之(堺雅人さん)による倹約話になるまでが
そこそこ長いんです。
また、私は、
倹約話はあくまでこの作品の一部分であるということに気付くまで
時間が掛かりましたので、
成之への躾や算術指南、
そして直之の父・猪山信之(中村雅俊さん)が亡くなるあたりから
退屈になりました。
映画を見る前に、
「これは直之を中心とした猪山家の話だ」と分かっていれば
自分の中でもう少し折り合いを付けられたかもしれませんが、
楽しみとしていた部分がこれでもう終わったらしいと知ったせいで
急に興味を持てなくなりました。
話が暗くなったこともあり、見ていて面白くなかったです。
成之への厳しい躾も、
直之が試みている倹約に通じてはいますので、
これも倹約話だと言われれば否定できないのですが、
この辺から笑えなくなってくるので
(中途半端にシリアスな内容になっている)
楽しくなかったです。
猪山家の人々が次々と亡くなっていく以降の展開については、
観る人の好みによるかと思います。
でも倹約話が、メインとはいえ話の一部でしかなかったので、
悪い言葉ですが、CMに騙されたなぁという思いが拭えません。
お話全般が明るく楽しい倹約コメディとして描かれていると
錯覚してしまいますもん。
勿論、その部分が作品の目玉であるのは間違いないのですが、
あのCMは、映画ファンに優しくない作りだなと思えました。
今回、私はテレビで視聴しましたが、
もし映画館でお金を払って見たとしたら
残念に思ったかもしれません。
確かに、倹約の部分は面白いですし、
直之が生真面目な性格で、四角四面であればあるほど
逆にそれがユニークに思えてならなくなるので、
そこまでは観ていて楽しいです。
でも、成之の成長後は、
それが終わってしまったのを惜しく思えるほど退屈でした。
そろばんで始まってそろばんで終わり、
そろばんを払うシーンで終わるというのは
私でもそうすると思えるほどありきたりでしたが、
王道で良かったと思います。
また、直之の妻・猪山駒(仲間由紀恵さん)が
嫁入りの直後に、
直之がそろばんを弾く音を褒めるシーンがあります通り、
そろばんの珠の音がとても心地よいです。
でも、百数十人が一斉にそろばんを弾いている時の音は、
テレビで聞いていても結構凄かったです。
弾いている当人は、数に集中しているせいで
あまり気にならないのかもしれませんが……。
私は、期待し過ぎて自滅した感がありますので、
この作品をこれから見ようという方は
あまり期待せずに、
流されるまま楽しまれるのが良いかと思います。
2012-04-10 22:58
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