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感想@連続テレビ小説「梅ちゃん先生」第1週:あたらしい朝が来た*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の感想です。
今回は初回を含む第1週(第1〜5回)の
「あたらしい朝が来た」について記します。

連続テレビ小説 梅ちゃん先生 Part1 (NHKドラマ・ガイド)

連続テレビ小説 梅ちゃん先生 Part1 (NHKドラマ・ガイド)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/03/24
  • メディア: ムック


以下の記述にはネタバレとなる部分があります。


────

主演が堀北真希さんということで
朝の連ドラを久し振りに見始めました。

役柄にもよりますが、
昭和初期(戦中・戦後)ものを演じるメインの役者さんには、
“品の良い古さ”を感じられることが必須だと、
私は勝手に思っています。
古さ(悪い言葉で言えば「ダサさ」)だけでも駄目で、
品の良さだけでも、時代を感じることはできないので
この両方が上手くミックスされた雰囲気を醸し出す方でないと
見ていて落ち着かない/自然に受け入れられない気がします。
そういう意味で、主演の下村梅子役の堀北さんや、
その姉・下村松子役のミムラさんというキャスティングは
ぴったり合っていると思います。
二人とも、気立てがよくて真直ぐな性格らしいのが
外見からよく伝わってきます。
特に松子は、チャーミングで素敵です。
近所でも評判の才女という設定がぴったりだと思います。



さて、昭和二十年の八月十五日という
いわゆる「戦争が終わった日(今の終戦記念日)」から
お話が始まったわけですが……。
冒頭から強い違和感を感じたのは、
初っ端で語られた梅子の習性についてです。

いや、この頃って、
食糧難で、農村に住んでない人は特に苦労して……みたいなイメージが
私の中でとても強いので、
「寝坊をした時は朝ご飯を食べずに出かける」という梅子が
ちょっと信じられなかったんです。
実際、作中で何度も「配給が〜」と言われていたり、
皆で米が少ない雑炊を啜っていたり、
ほんのちょっとワカメがあることですら嬉しい話題になっていたりと、
今とは大きく違う食料事情については詳細に描かれていると思いますが、
だからこそ、私には、
当時の人々にとってご飯は一番の楽しみであり、
遅刻してもご飯を食べ逃すなんて
あり得ないんじゃと思えてなりませんでした。

また、梅子が持っていくお弁当の中身が
おにぎり一つとお芋一本だったり、
戦後、おにぎりが闇市もどきで売られていて、
それを食べたい梅子が「高くて買えない」と
我慢をしたりするシーンがありますが、
父・下村建造(高橋克実さん)が大学教授だということもあって、
下村家の経済事情って、よそと比べるとかなり良い方ですよね??
戦災孤児であるヒロシの描写などを見れば、
「わざわざ説明されなくても分かる」ことではありますが、
この生活水準は、当時の平均と比べてどうだったのかを
ちょっと言及してもらえると、
戦争を知らない世代としては
「あぁそうなのかぁ」と理解することができます。

その下村家がある蒲田についても同様で、
空襲を受けて酷い状態だというのは映像で分かるのですが、
他の地域と比べてどうだったのかを
ナレーションで説明してもらえると、
全体像を把握しやすいと思います。
当時の蒲田って、品川ほどではないけれど都市部なんですよね??
でも農村にも港にもそこそこ近いから物資は流れてきやすく、
人も集まってきやすいので、
闇市などが生まれたのは必然なのでしょうか。



さて、お話について。
何をやっても失敗ばかりの梅子が、
ヒロシという戦災孤児の命を助けたところで今週の放送が終わりました。
隣の家の子が「一発当ててやる」的な野望を抱いているように、
戦争を終えたことで、皆が前向きになっている空気が
始終あったと思います。
そんな中で、自分は何もできないと落ち込むばかりだった梅子にも
少しは明るい光が見えてきたようで、何よりです。
父親が医者、兄が医者志望の学生とはいえ、
出来の悪い梅子が医者になるには多々の苦労があるでしょうが
私も暖かく見守りたいです。

それと梅子が自分の名前を嫌がっている描写がありましたが、
私も、吉岡智司(成宮寛貴さん)と同じ理由で
「梅」という名前が大好きです。
アニメにもなった漫画「君に届け」のくるみちゃんが
「『うめ』って呼んだら殺す」って脅すほど嫌がっていて
その理由がババくさいというものだったんですが、
「梅」って響きが可愛いし、凄く素敵な名前だと思います。



その智司さんについて。
彼が戦死するだろうとは私も想像していましたので
特に驚くことはなかったのですが、
その描き方が面白かったので記述しておきます。

家に若い軍人風の男が訪ねてきたと聞かされた梅子が、
「智司さんが帰ってきた!」と思い込み、
姉の松子を連れて急いで帰宅します。
玄関の戸を開けると、そこには確かに若い軍人風の男の後ろ姿があって
──というところでその日の放送が終わり、
視聴者に気を持たせます。
でも、ぶっちゃけ、視聴者もこれが智司さんだとは思ってないわけです。
私も、智司さんの死を知らせに来た軍の知人かなと想像していました。

しかし、その正体は父の弟(梅子にとっての叔父)でした。
ここで一旦、智司の生死から話を離した後で、
配達遅延になっていた彼からの葉書が今さら届くという展開になり、
彼が亡くなっているフラグが立ちます。
案の定、その直後(松子がその葉書の内容を読む前に)
彼が亡くなっていることを知らされます。

少し前のドラマでしたら、やはり、
軍人さん風の男が訪ねてきた時点で
智司の死が明らかになっていたでしょうが、
今はもう、そこからもう一ひねりしないと駄目らしいというのが
大変興味深かったです。

松子は気付いてないようでしたが、
梅子は淡い恋心を抱いているみたいでしたよね。
そこら辺が見ていて楽しかったので、
もう見られないのがちょっと残念です。



第1週の最終日(第5回)で
大学教授だという父親が医者としての知識や腕がようやく披露されたのも
良かったです。
食中毒と言えば、今は、
身体から毒素を出しつつ、
失われた水分や栄養を補給するのが基本的な治療法でしょうが、
当時は「注腸(ちゅうちょう)」しかできなかったんですね。
教授なら、病気そのものや治療についての知識が豊富でしょうから
「これがあれば治るのに、無いからできない」というもどかしさに
やりきれない思いをすることも多かったでしょう。
ヒロシが無事に助かって良かったです。



次週は、これまでにもあれこれと迷いを見せていた
兄・下村竹夫(小出恵介さん)に何かあるようで、
見るのが楽しみです。




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2012-04-07 15:41  nice!(0) 
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