さくらもちモチ

感想：ドラマ「相棒 Season9」第11話：死に過ぎた男*ネタバレあり　[テレビドラマ感想] [編集]

テレビドラマ「相棒 Season9」の感想です。
今回は第11話「死に過ぎた男」です。

下記にはネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
【元旦SP：聖戦】

各話の感想記事のURLは、他作品と共に
こちらの一覧（インデックス）ページでまとめています。
【テレビドラマ感想一覧：2010年秋 放送開始作品】

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まずはあらすじです。テレビ朝日の公式サイトより転載します。

6年前、同僚と海に転落、死亡したはずの信川の他殺体が発見された。元妻の彩子（河合美智子）は失踪宣告で多額の保険金を受け取り、シェフである今の夫と再婚。自宅をレストランに改築していた。が、信川が生きていたとなると保険金を返済する必要がある。彩子にも動機があるのだが…。
信川が佐藤という偽名で真紀子（中原果南）と同棲していたことがわかった。右京（水谷豊）と尊（及川光博）は、真紀子の部屋で信用金庫の封筒と千葉の地方紙を発見。千葉で発生した自らの事故のその後を、信川は地方紙を取り寄せて調べていたらしい。
右京と尊は地方紙をチェックし、信川が殺害される3日前に掲載されたある記事に注目する。その記事とは…!?“2度死んだ男”に隠された秘密とは？

新年一発目の放送だった前回は
元旦スペシャルでしたので、
今回は通常放送としては始めての回となります。
そんな第11話は、ドラマ“相棒”の典型的なお話でした。

真相が分かってしまえば、ごく単純な殺人なのに、
（犯人も殺害方法も動機も普通）
偶然やら捜査の読み違いやらがあって、
本来よりも複雑になってしまっている
──それが、杉下右京の執念と素晴らしい頭脳で
少しずつ解決されていくわけですが、
最後、事件の真犯人が被害者を殺さずとも良かったという
可能性と理由を挙げて、
その犯人に猛省させる事でドラマ全体の後味を悪くしている点まで、
まさに、“相棒”が得意とし、ウリとしている展開だと
思えました。

ただ、この後味の悪さは、
こうも頻繁に使われていると、
ドラマの最中でそれに繋がる手がかりを見た瞬間に、
「あ、もしかしてこれって……」という想像に繋がりますので、
意外性がなくなってきているのが残念です。
今回のお話の場合は、それが指輪でした。
誰かと新たに結婚するならともかく、
被害者が元妻とまたやり直したいから指輪を贈るというのは、
ちょっと不自然なのでは？
指輪が結婚の象徴だとは私も思いますが
再婚を考えている相手に贈る物ではないと思います。
何かプレゼントするなら、他に選択肢がある
（他の物を贈った方が自然）のような気もしましたので、
実はそれが犯人へのプロポーズ用ではなかったのかとの推測に
すぐに至りました。

また、「一人になるのが嫌」で、
被害者と出会った事で「もうこれで一人にならずに済む」と
安堵していた真犯人が、
誤解から被害者をいきなり殺すって
あまりにも短絡的だと思います。
このお話のオチからいって
真犯人が被害者を問い詰めたら事件が成立しないので
それをしないのがポイントなのですが、
この辺は脚本の穴というか
制作側に都合がいい展開だなと思ってしまいました。
それ以外の、特に右京さんが
真実にどんどん迫っていく描写は好きだったので
特に残念に思ってしまいました。


面白かったわけではないけれど、
「つまらない」と一刀両断にして切り捨てるほどでもない……
そういう意味で、今回は、
“相棒”としては普通で、直球で、地味な回だと思いました。
相棒の正統派なお話なので、安心して見ていられますが、
シリーズのファンで作風に馴れている私には
ちょっと物足りなかったです。
「この先どうなるんだろう」「この事件の真相は何だろう」と
ドキドキしたかったので……。
こういう話が基本なので、無くては困るとは分かっていますが、
以前の第8話“ボーダーライン”までとはいかなくても、
少し冒険して頂きたいです。




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続きの感想も書きました。
【第12話：招かざる客】

宜しければ合わせてどうぞ。