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感想@アニメ「屍鬼」蔡蒐話(最終話/第22話)*ネタバレあり [アニメ感想]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は蔡蒐話(最終話/第22話)です。

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  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray

私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
第腐汰悼と悲屠話(第21話)

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
2010年7月 開始作品

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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。
修羅と化した「人」は、屍鬼を狩りつくす。静信は瀕死の傷を負い、沙子も捕まってしまう。姿を現した夏野、その前に立つ辰巳の姿。敏夫は村を守るため、力を尽くすが…。全てが終わる。


最終回です。

トラックで逃げる際の尾崎医師の呟きが印象的ですが……
一番大事なのは村そのものではなく人間なので、
あの火災で、生き残った皆が逃げられたようなのは
確かに良かったと思います。
でも、狭い村の中で、
生き残った者のほぼ全員が家族を屍鬼のせいで亡くしていて、
思い出を示すような物(アルバムなど)を
何一つ持ち出していない状況なのを踏まえると、
もう村は、実質的にも村民の心情的にも
火事と共に消えていったんだなと思わずにはいられませんでした。
まさに、外場村は終わったんだと思います。

この屍鬼騒動で、あそこまで物凄い事件を体験した村民なら、
もう二度と思い出したくもないというのが本音でしょう。
火事から逃げ出した今は
皆でとりあえず近くの町に身を寄せて、
事態と火事が沈静化するのを待つばかりでしょうが、
その後は、遠い親戚を頼ったり、
一人で知らない街に移ったり……と、バラバラになると思います。
こう言っては不謹慎ですが、
ぶっちゃけ、役所が燃えた事で、村民には戸籍などが無い状況なので、
自分という人間を新しく始めるにはもってこいの状況なんですよね。
村に死が蔓延した事は、火事で帳消しになりますし、
亡くなったり屍鬼になった者のほとんどは、
その火事で亡くなった事になるはずです。
そして来年の夏、もしかしたら村の一部の者が
鎮魂の為に、外場村だった場所を訪れて
皆が再会できるかもしれませんが、
誰かが「こういう事はもう今年で終わりにしませんか」と言って
それすらも最後にするかもしれません。
事件を思い出すには、あまりにも村民が傷付き過ぎました……。

それにしても、千鶴が皆の前で処刑されるまでは
あともう少しで屍鬼の村になり変わるはずだったのに、
そこからここまで逆転した人間の力と執念は凄いです。
そして、沙子を責めた時の大川さんの言葉も凄かったなぁ。
普通は、ああ言って
対象のお尻をペチンと叩いてお仕置きをすれば
終わりになるはずなのに。
沙子も、泣きながら「ごめんなさい」と謝って済むはずなのに、
事態が事態なので
命のやり取りをしないと駄目な状況になっているのが残念でした。
沙子も、首謀者である割にあまりにも弱々しかったですが、
ここぞという時には大川さんに牙を剥いていて、
あぁ、彼女はやっぱり屍鬼なんだという事を
嫌というほど実感させられました。


そして、夏野の件。
下地となっているフジリュー先生の漫画がまだ未完である事から
Aパートが終わった時に
「これ、どうやって終わるんだろう」
「夏野は、自分が人狼になった事に対して
どう責任を取るんだろう」と思っていたら、
まさか辰己を道連れにして、ダイナマイトで自爆するとは orz
その前に、杭を打たれた徹ちゃんと律ちゃんを
無言で見下ろしていたシーンが
とても印象的だったなぁ。
夏野が人狼になったのは、間違いなく徹ちゃんのせいですが、
あの時の夏野には、多分、
徹ちゃんに対する恨み辛みは無いですよね。
淡々とあの事実を受け入れていたようなのが、
見ていて逆に辛かったです。

あと、夏野と同様に、この村や村民に辟易していた清水恵が、
死でもってそこから解放されていたのが
虚しかったです。
また、村迫正雄や他の一部の村民もそうですが、
自分が生前の名前を名乗って助けを求めれば、
慈悲の心で村民に見逃してもらえる/救ってもらえると
甘い事を考えているのが
屍鬼の愚かさというか、
人間っぽいなぁと思ってしまいました。



さて、感想の総括です。
小野主上の小説でなく、
コミカライズされたフジリュー先生版の漫画が下地という事で、
特に夏野の設定の変更において
私は非常に抵抗感を持ちましたが、
アニメはアニメで別物として面白かったです。

夏野については、私は、彼が本当に亡くなってしまう事で
彼を大事に思っていた徹ちゃんへの罰になるという考え方を
していたのですが、
このアニメ(漫画)版では、
徹ちゃんは夏野が起き上がった事を知らずに杭を打たれているので、
実は、この点での変更は無いんですよね。
だから、「夏野は死ぬべきキャラクター」としていた私にも
平気で受け入れられるようになったんだと思います。
内容が内容ですので
録画した映像を進んで見直そうという気にはなれないですが、
また後で一気に見たら楽しめるんだろうなと思っています。


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2011-01-06 20:44  nice!(1) 
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