感想@アニメ「屍鬼」第腐汰悼話(第20話)*ネタバレあり [アニメ感想]
フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は第腐汰悼話(第20話)です。
私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。
前回の感想はこちら。
【第悼と柩話(第19話):屍鬼狩り】
各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
【2010年7月 開始作品】
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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。
尾崎医院、亡骸の傍らに残された意味深なメッセージ。それを記したものは、まだ建物の中にいる。敏夫と大川は階段を上がっていく。山入では空腹と、抗いがたい欲望に震える律子、徹は自分自身の葛藤に苦しくなり、声を荒げる。
最初のターゲットだった桐敷千鶴を殺した時は、
人々の間に抵抗感がまだ強かったものの、
屍鬼を倒す事に対して
村民が徐々に馴れているのが、なにげに怖いです。
特に、“殺人”の定義が曖昧になっていて、
人か屍鬼かでなく、
仲間か裏切り者かの問題になっているのがそら恐ろしいです。
(たとえ人間であっても、屍鬼側につく者だったら敵とみなす)
冷静に考えてみれば、最後、松と呼ばれた協力者を殺したのは
れっきとした殺人なんですが、
尾崎医師が「お、おい……」と止めの言葉を発しただけで
誰も文句を言わない空気が確かにありました。
村や村民を脅かすものは敵で、
敵を一掃しなければならないとの防衛反応が過剰に出ている事が
よく分かります。
そんな中、山入りでは動きがありました。
頑として人を襲わない律ちゃんに苛立つ徹ちゃんの気持ちは
私にも痛いほどよく分かります。
徹ちゃんは、人を襲いたくなんかないんだと言いつつ、
辰己たちの命令を守ってそうしていたわけですが、
実際のところ、
屍鬼としての本能(血を吸いたい/人を襲いたい)に負けた部分も
確かにあるわけで。
泣きながら「ごめん」「本当はそんな事をしたくないのに」と言いつつ
血への欲求に逆らえずに流されていました。
でも、同じ状況にありながら、
決して血を吸おうとしない律ちゃんを目の当りにすると、
徹ちゃんの中で、その言い訳が成り立たない
(正当化されない)んですよね。
だからこそ(自分が辛いから)
進んで律ちゃんを自分と同じ側に落とそうとしていました。
でも、すっかり屍鬼としての考え方が染み付いていた徹ちゃんも
律ちゃんの
「なんで生き返ったんだろう」「あのまま死んでいたかったのに」云々の
発言を聞いて、
人間としての理性や感情を取り戻したようで。
最後、二人で座りながら寄り添っている姿には
原作の小説を読んでいるせいで、そうなる事を既に知っている私にも
ぐっときました。
そして、静信に語られた沙子の言葉。
自分は別に悪い事をしていない。食事をしただけ。
自分も好きでこうなったわけではない。
これが神に見放された者の末路か……との問いには
静信じゃなくても答えられなかったと思います。
確かに、沙子は悪くないです。
その殺人には彼女なりにそうする必要があったわけですから。
でも、補食される側である人間からすると
その道理は全く通用しないわけで。
虚しくてせつなくて、なんとも言えない気持ちになります。
これが、“屍鬼”全体を象徴する独特の空気なんですよね。
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続きの感想も書きました。
【第腐汰悼と悲屠話(第21話)】
宜しければ、合わせてご覧下さい。
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2011-01-05 20:55
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