さくらもちモチ

感想：NHK大河ドラマ「龍馬伝」第48回（最終回）：龍の魂*ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の感想です。
今回は第48回「龍の魂」です。
最終回です！

以下の記述にはネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
【第47回「大政奉還」】

各回の感想記事のURLはこちらのページでまとめています。
【感想一覧：NHK大河ドラマ「龍馬伝」】

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最終回でした。

今回は放送時間が延長されましたが、
この内容だと「した意味あるの？」と思ってしまいます。
ぶっちゃけ、大政奉還を終えた今、
龍馬を語る上で残っている大きな事件は
彼自身の暗殺なわけで、
まさにここがクライマックスなのですが、
逆に言えば、これしかないので
だらだらし過ぎだと思いました。
個人的な好みで言えば、
前回と今回を合わせて1時間半の尺で放送したら
中身も濃いですし、
お話のテンポも良かったのでは？と思いました。

それと、このドラマでは新撰組sageが基本だったのでしょうか。
以前のシーンもそうだったように、
彼らの描写があまりにも一方的過ぎる上に
シロウトの私でも稚拙じゃないかと思える茶番劇だったので
目に余りました。
今回の中岡との対峙も首を傾げてしまいました。
新撰組の出番を作った点では良いのかもしれませんが、
そもそも、あのシーンが不必要にさえ思えました。


そして最後。龍馬が暗殺されるシーン。
選挙速報のテロップが
一番良いシーンで掛かっちゃったのは
もう仕方がないとして。
龍馬って、私の記憶だと即死だったと思うのですが
（違っていたらすみません）
もしそうでなくても、
あれだけ斬られていたのに長々と喋られると、
感動するどころか逆にしらけます。
また、情感たっぷりな口調と演出に
つい誤魔化されそうになりますが、
冷静に台詞だけを考えてみると
龍馬はあまり大した事を言っておらず、
雰囲気だけで押しているのが分かってしまいましたし……。
「まだ死なないのww」とツッコミを入れたくなりました。

岩崎弥太郎が龍馬に対して
「お前が嫌い」「お前を認めたくない」と言いながらも
実は彼の事が大好きだったというのは
最初からぶれがないので、良かったと思いますが、
ここまでやらなくてもいいのでは？と
思わないでもなかったです。
この辺は個人の好みによるのでしょうが、
私はもっと控えめでも良かったです。
そういう弥太郎にはとっくに飽きていましたので。


さて総括です。
去年の大河ドラマ“天地人”があまりにも酷かったので、
それと比べれば良かったと思いますが、
個人的にはバランスの悪い大河だったように思います。
たとえば、第二部の終盤と第三部。
武市半平太と岡田以蔵の件をこれでもかと長々とやった後で、
随分と駆け足描写だった第三部には
「どうしたのww」と言いたくなりました。
また、これはその回を担当されたスタッフさんの好みが
大きく出たのでしょうが、
些細な事をもたもたと流す回と、
話の展開が早過ぎてわけが分からなくなっている回との差が
とても大きくて
戸惑う事がしばしばでした。
作品を全体的に見る人がいなかったんじゃ……と思えるぐらい
あちこちで、バランスの悪さを強く感じました。


役者さんについては……
福山雅治さんは、私の好きなタイプの役者さんではないので
彼の熱い演技に対して鬱陶しく思えた時もありましたが、
（すみません）
そこが龍馬らしい点だったかもしれません。
ただ、第三部以降の彼の立ち振るまいは、まさに龍馬！で、
役が板につくってこういう事なんだなという事を
しみじみと実感できました。

香川照之さんはお上手な方なので、
評価は特に変わりませんでした。
岩崎弥太郎の言動は、何かにつけて大袈裟過ぎるのが
煩かったですが、
これは彼の演技のせいではなく、
脚本での彼の描き方がそうなんだと分かっていましたので、
香川照之さんを下げる評価には全く繋がっていません。


約一年間、毎週欠かさずずっと見てきたのに
龍馬に対して興味を持てなかった
（彼を好きになれなかった）のを思うと、
私はこのドラマを楽しめなかったんだなというのが
よく分かります。
せめて、一人でも感情移入できる登場人物がいたら
良かったのですが……。
好みに合わなかったのが、とにかく残念です。






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