さくらもちモチ

感想：NHK大河ドラマ「龍馬伝」第39回 馬関の奇跡*ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の感想です。
今回は第39回「馬関の奇跡」です。

以下の記述にはネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
【第38回「霧島の誓い」】

各回の感想記事のURLはこちらのページでまとめています。
【感想一覧：NHK大河ドラマ「龍馬伝」】

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今回は久々に面白かったです。
但し、ネタ回として！！！！！！

いやぁ……砲弾が容赦無しに飛び交う戦場を
三味線を肩に掛けた高杉晋作（伊勢谷友介さん）が
の〜ろの〜ろと歩いていく図は
撮り方も含めておかしかったです。
ここだけ舞台を見ている気分になりました。
こういう演出に対して
「現実的にこんなのあり得ない！」とケチをつけるのは
非常に野暮な事だと私は思いますので、
笑いながら（ごめんなさい）堪能しましたが、
真面目には見られなかったかな……。
でも、伊勢谷さんの高杉は
初登場時からずっと格好良いですね！！
ぶっちゃけ、主人公の坂本龍馬（福山雅治さん）より
カリスマがあると思います。
言動から、「あぁ英雄さんだ」と感じられますもん。



龍馬は、ううん、今回から最終章（第四部）ですが、
第三部になって急に好戦的になったのが
私には未だに変な感じがしてならないです。
それまでの平和主義は一体どうしたのかと問いたいww
そりゃ、人間、生きていれば
主義主張が変わる事はよくある事でしょうが、
大河ドラマの主人公の根幹とも言えるそれを
ドラマ後半から変えるのは宜しくないと思います。
こういう展開になるのなら
「戦うのも一つの手段」として
最初から割り切れる龍馬にすれば良かったのに……と
愚痴を漏らさずにはいられません。

戦いからは何も生まない、
同じ国同士が争っても良いことなんてない事を信条とし、
争いで物事を無理に決しようとする人々を
ドラマの初回から必死に諌めてきた龍馬が
いきなり「このままじゃいかん」
「幕府を倒すぜよ（キリッ」となって
ドヤ顔で説教を始め、皆を煽るなんて
全然魅力的じゃないです……。
ここは、
そういう平和主義の龍馬でもとうとう我慢できなくなった
（それほど酷い世の中であるという証）
という表現かもしれず、
平和主義者の龍馬がいよいよ立つ！という事で
日本が夜明けを迎えたような新時代の幕開けが
描かれたのかもしれませんが、
普通にドラマを見ていると、
反戦主義の言葉では誰もまともに聞いてくれないし
都合も悪くなってきたから、
思いきって掌を返してみた！というふうに
受け取る事もできてしまいます。
平和主義者が無理に戦っているならまだしも、
龍馬は積極的に先頭に立ってるんだもんなぁ……。

そもそも、平和主義者が
金の為に武器商人をやる時点でおかしいww
主人公が好戦的なのは
大河ドラマとしては相応しくないので、
前半までの龍馬の設定がそうなるのは、必然だったのでしょうが。
これならいっそ、
土下座だけで全てを解決してしまうスーパー龍馬を
この大河枠で見てみたいです。



皆が「龍馬」「龍馬」言う事に対して
嫉妬を露にした岩崎弥太郎（香川照之さん）の不満は
すごくおかしかったなぁ。
口先ばかりで何もしない……って、
まさにこのドラマの龍馬ですww

制作側は、やたらとヒーロー扱いされる事が多い龍馬も
実は普通の人だったんですよ
（特別なヒーローだったわけではない）という事を
多少強調したかったのでしょうが、
本当に、龍馬をそういう
“実は駄目人間”としか描けていないこちらのドラマで
こういう台詞が出てくるとなると、
「分かってるなら何とか改善してよ」と言いたくなります。
これは個人的な好みも大きいのですが、
このドラマでの龍馬の何が良いのかが、私には分かりません。
私は、過度に彼を英雄視していたわけではないのですが
（そもそも私は龍馬をほとんど知らない）
もうちょっと、中身のあるちゃんとした人として
描いてやっても良いのでは？？



それと、使える予算がもうないのか、
撮り方と音楽で
映像が貧弱になるのを何とか誤魔化すしかないのでしょうが、
役者さんのアップ映像と音楽が仰々しく掛かるのを続けられると、
見ている側としては疲れます。
それに、どこもかしこも強い映像でずっと続けられると
視聴者は見ているうちに馴れてしまうので、
最初はちゃんと強調されていたそれの効果が
失われていると思います。






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続きの感想も書きました。
【第40回「清風亭の対決」】

宜しければ、合わせてどうぞ。