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感想@ドラマCD「46番目の密室(原作:有栖川有栖)」*ネタバレあり [ドラマCD・声優CD感想]

有栖川有栖氏のミステリ小説「46番目の密室」が
豪華なキャストさんでドラマCD化されました。

46番目の密室

46番目の密室

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キャラモモ
  • 発売日: 2010/10/28
  • メディア: CD

以下の記述にはネタバレを含みます。

キャストさんは以下の通りです。
火村英生:神谷浩史さん
有栖川有栖:鈴村健一さん
真壁聖一:浜田賢二さん
石町慶太:遊佐浩二さん
杉井陽二:小野坂昌也さん
船沢辰彦:中井和哉さん
檜垣光司:入野自由さん
鵜飼警視:中村悠一さん
大崎警部:杉田智和さん


BL以外のドラマCD/ラジオCD/声優さんの企画CDの感想記事は
こちらの一覧ページでまとめています。
感想記事一覧:ドラマCD・声優CD
(BLCDに対する感想記事の一覧はこちら【感想記事一覧:BLCD】)

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こちらは、確か、
“アリス”シリーズと呼ばれる一連の作品の
最初のお話ですよね??
私は、有栖川有栖氏の作品は
読んだり読まなかったりしていて
記憶も定かでないのですが、
タイトルを見て「昔、読んだ……はず」と
朧げな事を思いました。

正直に言いますと、
事前発表で火村英生役を神谷浩史さんが務められると知った時には、
えええ!と驚いたと同時に、
失礼ながら、不安を覚えました。
なんていうか……神谷さんが駄目というのではなくて、
火村ってオッサン臭いというか、
神谷さんのお声よりもっと低い声優さんの方がハマるのでは?と
思えたからです。
逆に、有栖川有栖役の鈴村健一さんに対しては、
「まぁ、妥当かな?」と思えました。


実を言えば、お二人以外のキャストさんを知らない状態で
今回、こちらのCDを聞きましたので、
「うわ、中井さんだ」「え? 遊佐さん?」
「ゆ……ゆうきゃんさんまで!」「杉田さんww」と、
声優さんにそれほど詳しく私でも
さすがに聞き覚えがある声が聞こえてくる度に
反応してしまいました。
なので、役云々ではなく、
その声優さんを思い浮かべてしまい、
途中で「あれ……××さんって誰の役だっけ」と
少しだけ混乱した時もありました。
(私は、基本的に、ブックレットは視聴後に見るタイプです)

それにしても、キャストさんが豪華過ぎます。
原作の人気の高さに配慮した結果なのかな?と思いました。
皆さん、お上手な方ですし、知名度もありますから
脇役で使うのが勿体ない。



ミステリ作品としては割と軽めな内容であるのは
原作の時点でそうなので、
こんなものかなと思いました。
小説をCD化したとしては、そう悪くなかったです。
有栖の視点でお話が進むので、
モノローグがやたらと説明調なのも仕方がないと思います。

作中で「だんしょう」の話題が出ますが、
言われて私も最初に思い浮かべたのは「男娼」でした。
パソコンの変換では、ちゃんと最初に「談笑」が出ましたがww



懸念していた火村役の神谷さんについては、
悪くはなかったですが、違和感は最後まで残りました。
というのも、これは個人的な嗜好なんですが、
私は、神谷さんが普段より少し低めに発せられる声を
少しだけ苦手としているんです。
但し、この苦手というのは
「聞いていて嫌/不愉快」という意味ではなく、
「あ〜……神谷さん、頑張ってるなぁ」と
彼が意識してその低い声を出しているのを必ず想像してしまい、
結果、それが雑念となって、
作品の世界に集中できなくなるからなんです。
BL作品を挙げてしまって申し訳ないですが、
「座布団3」でも、神谷さんは今回の火村のように
低い声を頑張って出されているのですが、
聞いていると、その頑張りが透けて見えてしまうんです……。
つまり、この声の低さですと、
役よりも、神谷さんご自身を強く意識してしまうので、
今回も火村が登場する為に、
「あ、神谷さんってば頑張ってる頑張ってる」と思えてならず、
気が削がれた結果になりました。

また、遊佐さんや杉田さんが登場された後は
「遊佐さん/杉田さんの方が
私が持ってる火村のイメージに近いかな?」と思えた事から
つい比較してしまいました……。

なので、神谷さんのお声に引っ掛かりを覚えたのは
私の個人的嗜好や感情によるものなので、
普段からそれを気にされない方には
「なんでこれが問題なの?」と言われてしまうかもしれません。
あ、神谷さんの声の演技については、
いつもの通り、お上手です。
さすがさすが。

あぁ、でもでも、神谷さんのお声は、
このジャケット絵のイメージにはぴったり合っていると思います。
46.jpg
つか、この火村が若いww


(追記)
特典フリートークによると
神谷さんご自身も「なんで俺?」と驚かれて
相当ご苦労されたみたいですね。
神谷さんも、アリスシリーズのファンからの懸念を
プレッシャーとして重々承知しているようで、
逆に微笑ましく思えました。
でも、やっぱりバリトンじゃないww
そして、おまけの火村トークは
最初に聞いた時に、うっかり、ギャグかと思ってしまいました。

ただ、まんだらけの特典CD(個別トーク)は……
収録後でお疲れなのか、
神谷さんにしては珍しく
投げ出し感たっぷり&雑なトークでちょっと残念でした。



有栖役の鈴村健一さんについては、
声の質や高さについてはぴったりでしたが、
関西弁の出る出ない時の差が激しくて、
出た時の“取って付けた感”が強かったことから
最初は思わず笑ってしまいました。

上手く説明できてないかもしれませんが……
有栖って確か、大阪生まれの大阪育ちですよね。
なのでコテコテの関西弁ユーザーなわけですが、
こちらの作品では標準語がメインなので、
彼は標準語でモノローグを発しています。
でも、皆さんもよくご存知のように、
関西の方が標準語で喋られても、
長く関東に住んでいたり、
特に専門的な勉強をされたりした以外の方は、
細かなところで言葉に関西弁が残るのが普通です。
喋っている内容は標準語なのに、
イントネーションがところどころ関西弁のものになりますよね??

でも、鈴村さんの有栖の場合、
彼が標準語を喋る時は、標準語のイントネーションで、
関西弁が時々混じる状態なので、
その落差が凄く激しいんですよ。
で、結果、有栖が関西弁で喋る時には
なんか変な感じがして
そこだけ浮いていたようにも思えました。
尤も、これは、お話が進んで聞き馴れてきたら
それほど気にならなくなりました。
それに、実際の会話を聞くならまだしも
関西弁のイントネーションで標準語をずっと喋られていたら
聞いているこちらは耳が疲れてしまうでしょうし。


鈴村さんの関西弁はどうなんでしょう。
私は生まれも育ちも関東なので
良いのかどうかは分かりません。



メインキャストの声優さんのファンは勿論のこと、
有栖と火村の声にこだわりの無い方は、
問題なく聞けると思いますのでお勧めです。
でも、こちらの作品はファンも多く、
強いこだわりを持たれる方がいてもおかしくないので、
キャスト表を見て、もし少しでも引っ掛かったなら
止めておいた方が無難かもしれません。
無理をせず、原作の小説を読んで
脳内で声の補完をされた方が無難です。

原作の小説を読んだ事がなくて、
メインキャストの声優さんのファンだという方には
こちらのCDを強くお勧めします。
アリスシリーズは、割と気楽に読める作品が多いので、
有栖川氏の世界を知るきっかけにしてもらえれば
嬉しいです。


新装版 46番目の密室 (講談社文庫)闇の喇叭 (ミステリーYA!)乱鴉の島 (新潮文庫)妃は船を沈める (カッパ・ノベルス)火村英生に捧げる犯罪本格ミステリの王国赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)

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2010-09-24 08:13  nice!(0) 
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