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感想:劇場版「機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」*ネタバレあり [ガンダム00:アニメ感想]

9/18から公開になりました
劇場版「機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」の
感想です。


ネタバレを多大に含みます&長文です。
私はテレビシリーズからの大ファンです。

機動戦士ガンダム00関連の感想は
こちらの一覧ページでURLをまとめています。
機動戦士ガンダム00:感想記事一覧


────

公開初日はTGSの一般公開日でとても行けなかったので、
二日目である9/19に見てきました。
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劇場に入ると、まず最初に00のポスターが飾られていたのが
嬉しかったです!
00_2.jpg

ダブルオークアンタ
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会場ではパンフレット(スタンダード版)を買い求めたのですが
当然のごとく、限定ガンプラは売り切れでした。
ストーリーカードも貰えませんでした。
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シアターの入口前では
業者製のマイスターズの衣裳が展示されていました。
(販促/でもCOSPAのように版権を買ってはいないと思います)
00_5.jpg



では、以下から具体的な感想です。

ネタバレはなるべく回避していたのですが
それでも除けきれなかったものがあり……
私は以下を知った状態で劇場版を見ました。

・ティエリアが自爆→小さなティエリアが登場
・グラハムが刹那を助ける為に亡くなる
・刹那&フェルト
・ミレイナ→ティエリア

グラハムの件は、ネットでネタバレで見た瞬間に
思わずパソコンから顔を背けました。
嘘バレであってほしいと祈りながら見ました。
なので、グラハム隊長が戦場に出る度に
はらはらドキドキさせられ……最期の瞬間は涙、涙でした。

その前にアンドレイも亡くなっていたので
見ながら「こりゃ、ハムも本当に死ぬなー」と思えたことから
それなりに覚悟はしていたのですが、やはり辛かったです。
特に、最後が「え? これで終わり?」と唐突に思えた分、
もう少し耐えれば生き延びられたじゃないかー!!!と
本気で思いました。
まぁ、あそこでグラハムが頑張らなければ
刹那も駄目で、人類が滅びていたかもしれませんので、
彼が命を賭けた甲斐はありましたが……
でもでも、グラハムには生きていてほしかったです。
もし万が一、次回作があるなら
最後の刹那みたいにメタル化したグラハムが
「やぁ少年! 随分と待たせたな」と
何事もなかったかのように颯爽と登場してほしいです。
いっそ、生き別れの双子の弟が出てきて(以下略)。

というか、アンドレイとグラハムは、
アニメの2期で亡くなるはずだったのに
劇場版をやる事になったから
急遽、生かしたというキャラなんでしょうね。
たしか監督さんのインタビューかなにかで
このような言葉を見聞きした覚えがあるのを
観賞後にふと思い出しました。
この二人がアニメ2期で亡くなっていた可能性を思えば、
今回の劇場版での散り様は凄く格好良かったですし、
スタッフさんにもかなり考慮されているなと感じましたが、
それでも、生きていてほしかったです。
なんか、心にぽっかり穴が空きました……。
好きキャラが亡くなるのは、本当にきついです。


そして、亡くなったのが惜しいと切実に思ったのが
今回の新キャラであるデカルト・シャーマン。
こういう、寄生系を敵とするお話の場合、
仲間の中で一番強い人が寄生され、敵となるのは
定番中の定番です。
なので、調子に乗ったデカルトが寄生された結果、
途中で戦線離脱する羽目になるのは
予想できていましたが、
まさかあんな風に呆気無くお亡くなりになるとは……。
公開前にあれだけ煽っておいて、
「彼の出番はこれだけ?」と呆気に取られました。
作中全体で考えれば、彼は序盤の要なので、
活躍もそれなりにしていますが、
完全に刹那のかませ犬というか、
ソレスタルビーイングが本格的に戦うまでの
前哨戦キャラで終わっていたのが
勿体なかったです。
純粋種のイノベイター同士の共闘とか、
彼の最後の意地とか、
あれこれ見たいものは多かったなぁ。
ただ、全体的に尺が足りない状態で
(あれもこれも描かなければならない)
他の人も描写不足であるのを踏まえると、
彼だけが突出して少ないというわけではないので、
これでも仕方がないと思えますが
──強い不満が残ります。


それと、最後!
過去と未来が描かれていて、
過去(イオリア)についてはむちゃくちゃ嬉しかったですが、
未来はあれでいいのww
刹那は……私は一瞬、
彼がホログラム系になったのかと思ったのですが、
あれはメタル化しているんですよね。
ELSと分かりあった結果なんですよね。
すっかりお婆ちゃんになって目もろくに見えなくなった
マリナ姫とやっと再会し
手と手を取り合うシーンは
(視角に頼らず、触れることで心の交流を図るところは
まさに00のテーマ「相互理解」だと思います)
大変良かったのですが、
“刹那・F・セイエイ”という個人の幸せを考えると、
果たしてこれで良かったのか……と首を傾げてしまいます。
刹那は達観している人間で、
私たち庶民が考える幸せには興味がないかもしれないけれど、
人並みに、美味しいものを食べたり、
時間を無駄にするほど親友とくだらない事を話をしたり、
身体が疲れるほど昼寝したり、
恋人といちゃいちゃしたり、家族を持ったり……という
ありきたりな幸せを一切体験せずに
一生を世界平和/相互理解に捧げちゃったのは、
とても崇高な事だけれど、とても淋しいと思えます。
アニメの2期の最後で、
刹那は純粋種のイノベイターとなった事で
孤高の人になってしまったけれど、
マリナ姫だけは
彼個人の幸せを祈ってくれていたようだったので
私にはそれが救いだったんです。
でも結果がこれで……。
結局、刹那はイノベ化した時点で
そういう俗っぽい事とは完全に縁を切ったのでしょうが、
彼に対しては、「良かったね」と言う事はできません。
これが、ガンダムという大作の主人公が背負うべき
宿命なんでしょうか。
作中で最後に描かれた未来ではイノベが急増しているようで、
刹那だけが頑張らなければならない事態にはなってませんが、
あの後の彼が、「俺には生きている意味があったんだ」なんて
堅苦しい事だけでなく、
ただただ「生きていて良かった」と思えるような
素晴らしい人生を過ごしていてほしいと
強く願います。



さて、不満ばかりを先に述べてしまいましたが、
もう少し視野を広げて感想を書きます。

00の世界の特色は、
“紛争根絶を訴えながらも武力を行使する”矛盾と、
“武力での争いは何も生まない/問題を解決することはできない”
という結論──これに尽きると思います。
結局、最初に提示した問題をアニメの全50話で描き通し、
また、この劇場版でも貫いたのは凄いです。
制作側の「これを描きたい」という強い意思を感じます。

世界平和・相互理解を説く00の世界において、
武力で相手を無理にねじ伏せる事が大団円に繋がるのは
あり得ない事です。
今回は、あのクラウスまでもが銃を取ったのだと
分かるシーンがありますが
(相互理解は自分たちの保全が確定された上での事であって
その大前提が崩れ、犯されるのであれば、自分は銃を取るという
人間としてはごく自然な行動です)
その行動は当然の事でも、
双方が対立したまま
片方が武力でもって相手を制圧してお話を終えたのでは
00であるとは言えません。
なので、刹那が人類代表という形でELSと対話をしたお陰で
彼らの侵攻が止み、地球に平和が齎されたという結果は
非常に00らしい終わり方だったと思います。
でも、ガンダム各機が尽力し、
1期最後のアルヴァアロンや2期最後のリボーンズガンダムみたいな
とてつもなく強大な敵に立ち向かうのも
見たかった私としては、
「00らしいお話だったけど
果たしてこれはガンダムの映画と呼べるの?」と思いました。
今回は道を切り開くまでがメインの戦闘だったので、
その後が無い(戦う代わりに対話をする)事に対して
「あれ?」と拍子抜してしまったんです。
特に今回は、刹那が飛び込んだ直後にEDを迎えますし。

なんていうか……
刹那の危機に、ラファエルに乗ったティエリアが助けに来たり、
倒れた刹那を救出したサバーニャがELSから全力で逃げていて、
もうヤバい……という時になって
グラハム率いるソルブレイヴス隊が救援に来るところなんかは、
「そろそろ××(ティエリア/ハム)が来るよね」と思った時に
ドンピシャでその展開が来る事から、
お約束がお約束通りに進んで気持ち良く思える上に、
CB側の劣勢がとりあえず覆されるので、
見ていると爽快感を味わえたのですが、
最後に強大な敵を倒さなかった分、
戦闘面で物足りないと感じるというか、
「これで終わり?」と思ってしまうんです。
刹那の行動を見ていれば、戦闘はあくまで
対話に持ち込む為に仕方なく行なっている事であって、
戦闘がメインではないとはよく分かる──分かるんですが、
ガンダムの勇姿も見たい一ファンとしては
残念だなと思う部分があるのは否めません。
クアンタそのものが
専用パイロットである刹那の意思を尊重している分、
戦う為の兵器でなく、対話をする為の乗り物になってますから
仕方ないのですが……。
今回は、戦闘シーンに限っていえば、
ガンダム以外の機体(フラッグとかブレイヴとか)の方が
断然、活躍しているよなぁと思ってしまいました。
どれか一つ、好きなプラモデルを貰えるとしたら
私は即決でブレイヴ隊長機を選びます。
ソルブレイヴ格好良いですよね!!!
色もいいし、デザインもいいし、
飛んでるところも格好良かったです。
久し振りに「プ……プラモ買いたい!!!!」と思いました。


クアンタ以外のガンダムは、勿論、
各機体にそれぞれ見せ場はありましたが、
やはり物足りなかったです。
というか、戦闘中に素早く動いているので、
勢いを感じて圧倒される反面、目で追いきれず、
細かいところまで見る余裕がなかったです。
この辺は、劇場で二度三度と見ていったり、
家でDVDやBDでじっくりと見たりすれば、また違うのでしょうが、
少なくとも一回見ただけでは
「そうだ、××のガンプラを買おう!」という意欲までは
湧きませんでした。

ただ、戦闘面の物足りなさから
「これってガンダム……?」と思えても、
ガンダムの各シリーズの根底にあるテーマが
“世界平和を望む人が多いにもかかわらず
争いが決して無くならない世界”であるのを思えば、
最後、刹那がELSとの対話に挑んで彼らの攻撃を止めさせた
こちらの00も、
当然、ガンダムの作品の一つなんですよね。
「これが一番新しいガンダムの答えか」と
しみじみと思いました。



次は、もう少し細かい(気になったシーンの)感想を書きます。

最初の劇中劇(映画)は、
全体的にオーバーアクション気味だったのと
敵としてアルヴァアロン&大使が出てきちゃったせいで
「これ絶対、劇中劇ww」と分かったので、
見ていておかしかったです。
また、興奮する友達に対して、
あの戦いの当事者だった沙慈が冷めた言動をしながらも、
最後に「僕はいなかったな」と冗談めいて言う辺りは
現在の彼の立場や心境がよく描かれていると思いました。
1期の沙慈なら、友達と同様に興奮して観たでしょう。
何が真実かなど興味はなく、
与えられる情報/娯楽をそのまま素直に楽しんだはずです。
2期の沙慈なら、この映画に興味を持たなかったと思います。
また、今の沙慈の反応は、
当事者であれば当然のそれとなります。
ソレスタルビーイングの面々は勿論のこと、
軍関係者たちがもしあの映画を観たら、
彼と同様の反応をしたであろう事を思えば、
沙慈は彼らの代表だなと思えました。
あ、沙慈たちが劇場を出た後、建物外壁のスクリーンに
ちーびー姿のマイスターズが
ちょろっと出ていたのが嬉しかったです。


嬉しかったと言えば、特派員の池田さんww
まだご健在ww


序盤、マリナを助ける際にフラッグで現れた刹那が
非常に新鮮でした。
そして、姫を助けるのは主人公だよな〜〜と
感慨深くなりました。
刹那がライルに勧められたにもかかわらず
マリナに対して挨拶をせずに去っていくのも良かったです。
「イノベのくせに鈍感」というライルの指摘もいいww
そして私は、ライルがカタロンに所属していたのを
すっかり忘れていたので(すみません)
シーリンが「ジーン1」と彼を呼ぶまで
「なんでシーリンがライルに反応してるんだっけ」と
不思議に思ってしまいました orz


あ、そうそう、今回、
タイトルバックが出るまでの時間が短く、
「え? もう?」と驚きました。
と同時に、「これからガンガンお話を進めていくぜ!」という
スタッフさんの気合いも感じられました。
縦書きのスタッフロールも好きでした。


地上に落下したELSが人々を襲うシーンは
かなり怖かったです。
アレルヤ&マリーのシーンまで行くと、
アレハレの勇姿を楽しむ方に興味が移動しましたが
それまでは本当に怖かった。
こんなんじゃ迂闊に外に出られない!!と
本気で怯えました。


イノベの増加を政府の大統領が懸念していたあたりは、
SEEDのコーディネーター対ナチュラルの構図を
思い出してしまいました。
最後、外宇宙用の船がイノベを乗せて出発しましたが、
このせいで
イノベと普通の人間が争うような事にはならないの?と
懸念もしました。
ここ、肉体を持つティエリア
(か、ティエリアタイプのイノベイド?)らしき人物が、
ふわ〜と横切っていったのが、嬉しかったです。


イノベイドと言えば、
アニメ2期で消えていった彼らと同タイプのイノベが
作中で頑張って働いているのが見られたのも良かったなぁ。
本当に自然に溶け込んでいますよね。
また、置鮎さんとか白石さんとか、
そのタイプを代表する声優さんが
彼らの声をちゃんと当てられていたのも
良かったです。



最後に、主要キャラクター別に感想を書いていきます。
上記と重複するかもしれませんがご容赦下さい。

・刹那
良くも悪くも、彼は“刹那・F・セイエイ”でした。
刹那の考え方には一本の筋がきちんと通っていて
決してぶれなかったのは良かったけれど、
上記の通り、あまりにも達観しすぎていて
見ていると辛いと思えた部分がありました。
でも、あの段階で皆から頼りにされるのを受け止めるには
ああいう彼でないと駄目なんだろうなとも思ったり。
未来においてイノベが増えたなら、
刹那の負担もかなり減っただろうけれど、
CBのメンバーなどはもう
刹那を直に知っている人間はいないでしょうから
(今のメンバーの中でイノベ化した人がいれば別ですが)
彼個人の幸せがどうなっているかが心配です。
マリナやフェルトのように、
彼の無事や幸せを祈る人がちゃんといますように。

刹那が、ニールやクリス、リヒティに励まされるシーンは
とても良かったなぁ。
人付き合いの少ない彼だからこそ、
深く付き合った人間から受けた影響は大きいんだなと
思いました。


・ライル(ロックオン)
テレビアニメ版で感じたチャラチャラしたところが
無くなっていたのが良かったです。
ニールと違い、皆の面倒を見るタイプでないのは
相変わらずでしたが、
人間関係に問題は無いようなので安心しました。
彼がアニューとの写真をぼんやり眺めていたシーンが
せつなかったです。
彼女が亡くなってからまだ数年しか経っていないのなら
ライルは時々ああしているのかなと思いました。


・アレルヤ(ハレルヤ)
最初にハルートで出撃する時に、
アレルヤが「マリー、ごめん」と謝った後、
ソーマ化しているマリーが返答したのを受けて、
出撃の掛け声として
「アレルヤ・ハプティズム、ソーマ・ピーリス〜」と
言っていたのが嬉しかったです。
アニメ版2期の終盤で
アレルヤはソーマとしてのマリーをちゃんと認めていたのが
ここでもちゃんと生きていますね。

また、ダブルオーでELSに襲われた刹那を救出するべく、
サバーニャがトレミーに向かって必死に急ぎ、
ティエリアが自爆した後、
次に囮になるのはこのハルートだとして
彼がソーマと共に進んでそうしたのも良かったです。
というのも、2期の中盤までのアレルヤだったら
マリーかわいさのあまり、
彼女が共にいる状況で、自ら進んで囮になるなんて
絶対にできなかったと思います。
(ハルートは複座型で、アレルヤとソーマが共に乗ります。念のため)
あんな瞬間的な判断で
マリーを危険に晒すことも迷わず選べたのが
今のアレルヤの心の強さだろうなと思いました。


・ティエリア
ラファエルでの救援後、
青パイスーで登場したティエリアを見られた時には
私、感動のあまり嬉し泣きをしました。
(↑ここの、ヘルメット脱ぎ立てで髪が乱れているティエリアが
むちゃくちゃ美人さんで、大好きです)
ティエリアは、肉体の有無に対して固執してないようですが、
私はやっぱり彼が肉体を失うのを見るのは辛く、
アニメの24話は未だに冷静に見られないです……。

そして、ラファエルでの救援は
見ていて「そろそろティエリアくるよね」から
「キター!」となるので
本当に嬉しかったです。
また、新しいセラフィムに対して
彼が「セラフィム!」と言っていたのも
嬉しかったです。
でもでも、自爆は
ティエリアにとって大した意味を持たないと分かっていても
見ていて非常に辛いです。

小さなティエリアについては、
上記の通り、ティエリアが小さくなる事だけ知っていたので、
「あ、こういう“小さい”なんだ」と納得しました。
あれはかわいい……
というか、ティエリアならではだと思いました。

フェルト曰く「昔に戻ってしまった」刹那との最初の会話で、
ティエリアが彼に説明を請う
(ELSを攻撃しなかった理由)場面では、
昔の二人を彷彿とさせる緊張感がありましたが、
何も言わない/言えない刹那を理解できる余裕が
今のティエリアにはあるようで、
自分で尋ねておきながら、結局、自分で答えた返事には、
彼が人として柔らかくなっていたのを感じました。
あのティエリアの返事は、もしあの場にニールがいたら
途中で彼がそう発していた言葉だったと思います。


・スメラギ
相変わらず、美人さんで格好良かったスメラギさん。
指揮官としては安定していて、
見ていて頼もしかったです。
ELSの防衛戦でカティとの通信があったのも良かった!


・フェルト
見る前に「刹那×フェルトで確定らしい」と聞いていたので、
刹那が目覚めた後のフェルトの台詞を聞いて
「あれ?」と思いました。
確かに……フェルトに手を握られた刹那が目を覚ます展開は
感動的でしたが、
私には、彼女が彼に対して個人的な恋愛を諦めたように、
その台詞から感じられました。
とにかく、「彼の愛は〜」の辺りは達観しちゃってますよね。
それと、フェルトが刹那を見守るのは良いのですが、
あの戦いの時は、最初はコックピットにいてほしかったなぁ。
刹那をひたすら見守るフェルトに向かって
そんなことしてる場合じゃなくない?と
ツッコミを入れたくなりました。

1期から比べると、フェルトは本当にお姉さんになっていて、
私は彼女に対してほろりとしました。
ELSによる母艦の侵食が酷くて、いよいよヤバいから脱出を
──というスメラギさんの指示に対して、
1期最後(クリスの判断で自分は逃がしてもらえた)を挙げて
「もう、除け者になって助かるのは嫌」
「全員で生き残る!」と叫んだのは良かったなぁ。
あれは皆の士気も上がりましたし、いい台詞だったと思います。


・ミレイナ
今の髪型は、私はあまり好きじゃないかも。
ごめんねミレイナ。
でも、フェルトが上記を発した時に
「ミレイナも残るですぅ!」と即座に返事をしたのは
大変良かったです。
まだ若いのに覚悟が決まってるよなぁ。
だからこそ、イアンとリンダがELSに襲われて
いよいよ今生の別れが──という時に
ミレイナが必死になっていたのが痛々しかったです。

ミレイナによる「ティエリアさんが好き」は
微笑ましく思えました。
多分、ティエリアはまともに相手にしないでしょうが、
ミレイナが彼に付きまとうのを想像するのは
楽しいです。


・イアン
今回はトレミーの操縦だけで
これといった出番が無かったのが残念です。


・沙慈&ルイス
沙慈は凄く良かった。一番の成長を感じました。
外見もですが、心が完全に大人になりましたよね。
自分ができる事でやるべき事をやる……として、
ルイスと別れるところなんか
本当に頼もしかったですし。
沙慈は、ご存知の通り、一般市民の代表なので、
ELSと直に戦うことはできなくても
彼のように強い意思でもってなにかできる事をした人は
多かったんだろうなと想像できました。

ルイスは……とりあえず彼女が無事で良かったです。
今回は脳量子派所持者として苦しむばかりでしたが
彼女がメタル化したら洒落にならなかったので……。
でもあの分だと、ルイスもイノベ化したのでしょうか。
となると、最後まで普通の人間であろう沙慈とは
寿命が異なりますが、
この二人が最後まで幸せであるといいなと願っています。


・デカルト
彼については上記で散々書きましたが、本当に惜しいです。
刹那を主人公として際立たせなければいけない以上、
彼の存在が途中から中途半端なものになるのは必然ですが、
あんなに簡単に退場させるのは勿体ないです。
重要そうに思えたキャラクターが呆気無く亡くなっていくのも
ガンダムの醍醐味なのかもしれませんが、
公開前に新キャラとして多々宣伝されていた(押されていた)割に
これでは、
「この程度の活躍だったなんて」と思ってしまいます。
そして、この数十年後に
イノベイターが全く珍しくない存在になっているのを思うと、
この時点で、その稀少さからモルモットになっているのが
哀れでなりません。
カティが「ならば大尉待遇を」と改善を求めていましたが、
その僅かな間だけでも
彼が人間的な扱いをされていたなら良いなと思いました。

今回、このデカルトを演じられた勝地涼さんは
声優さんでなく、役者さんだそうで。
私は、大変失礼ながらお名前を存じ上げませんでしたが、
パンフレットを見て「あ、この方なんだ」と驚きました。
(お顔はさすがに知っていました)
素敵なお声でした。
プロの声優さんって、良くも悪くも
台詞の抑揚の付け方がオーバー気味なので、
勝地さんにはそういう癖がない事で、
デカルトの異物感(普通の人間とは違う)を
上手く出せていたと思います。
聞き辛いところも特に無かったですし、
これから先、小栗旬さんみたいに、
機会があれば声のお仕事に
バンバンチャレンジなさっても良いのでは?


・カティ
今回は、優秀な指揮官としての彼女を堪能できました。
カティ准将かっこいい!!!
彼女が敵に回るとどれだけ大変かは、
アニメの2期で散々味わわされた分、
この劇場版では、
彼女が味方になるとどれほど頼もしいのかを
最初から最後までじっくりと味わえました。
コーラとのキス未遂は、
「どうせ邪魔が入る」と想像できたものの
本当に未遂で終わってしまって残念でしたww


・コーラサワー
コーラは不死身だから
最後まで絶対に生き残るはず!と分かっていても、
今回はさすがにヤバいと思いました。
カティとの最後の通信では、泣きました。
だからこそ、彼が機体から放り出された瞬間は
「良かった−!!!」とガッツポーズをしたくなりました。
(機体がELSに侵食されていたので)
さすがですコーラ。
不死身の名は伊達じゃない。

また、ELSが何なのかがよく分かってない時に、
パジャマ姿で缶ビールの差し入れをカティにした彼の推測が
なにげに真実に至っていた
(宇宙人が攻めてきてたりして〜)のが
おかしかったです。


・アンドレイ
アニメ2期の最後で
軍人として民衆の世話を焼いていた彼ですが、
この劇場版では、戦場でも大人の言動をしていました。
アンドレイが亡くなったのは非常に残念ですが、
あれなら、セルゲイもお母さんも
「よく頑張った」って彼を誉めるのでは?
彼は、アンドレイ個人であるのは勿論なのですが、
ELSの攻撃で散っていったたくさんの兵士の代表だと思います。
皆、地球を守りたくて──誰かを守りたくて、
死力を尽くして戦ったんですね……。
正直に言うと、テレビアニメでの彼の言動が
青臭くて苦手でしたので
私は彼をあまり好きではなかったのですが、
この劇場版で大好きになりました。
多分、皆が「さすがロシアの荒熊の息子」と思ったと
思います。


・マリナ
最後(未来)以外は、ビミョーな立ち位置だったと思います。
沙慈と同様に、地球の市井の人々の代表であったり、
政府と軍が抱える問題点を表わす為の存在だったりと
(表面上は平和だけれど争いはまだ残っている)
それなりに意味はありましたが、
ぶっちゃけ、彼女は最後のみの出演でも
良かったのではないかなと思いました。
最後の最後、刹那と手を取り合うのは
さすがヒロイン!でしたが
それ以外はもう全くヒロインじゃないですよね。
大統領がマリナだったらまた違ったのでしょうが
祈るだけのキャラでは、やはり弱いです。


・ビリー
外宇宙用航行艦の名前が“スメラギ”なのは
ビリーのせいなのかな……とか思いましたww
でも、ミーナのお陰で脱童貞できたようで何よりでした。


・ミーナ
ミーナのその外見+声+「ラージャ★」から
トリニティ兄妹の末っ子ネーナと関連があるのは
明らかだと思うのですが、
その辺の説明が全く無し+説明要員+ビリーへの執着
……だけで終わっていたのが残念でした。
ミーナの説明はビリーだけでも済んだはずなので、
登場させたからには
彼女がいてこそ!の何かが欲しかったです。
ミーナに関しては
「ネーナを思わせる子を出す」と決めてからお話を作ったように
私には思えてなりませんでした。
そりゃ、人と人との対話(特に男女)において
恋愛は基本中の基本ですが、
その辺は沙慈とルイスに任せても良かったのでは?
あそこまでビリーに迫るミーナを描くなら、
そこを削ってデカルトの描写に当ててほしかったです。


・グラハム
グラハムは、今回の作中で一番格好良かったです。
名前もグラハムに戻っていたのが、凄く凄く嬉しかった!!
「私が超えなければならないのは、ガンダムではなく、この少年」と
言い切ったのも格好良かったなぁ。
今回のグラハムは、やる事なす事がいちいち男前で
見ていて惚れ惚れします。
顔の傷を未だに治してないのも、彼らしい。
そして、ソルブレイヴス隊を率いる者として
部下に「死ぬな!」と言っておきながら
最期は自ら特攻をかける
(しかも「これは死じゃない」とか言って)のも素晴らしい。
グラハムは最初から最後まで軍人だったなぁ。
まさに機体名ブレイヴ(Brave/勇者)の名に相応しかったです。

個人的には、グラハムがトレミーの中にいるのが
非常に新鮮でした。
そして、アニメ1期から何度もやりあっているのに
フェルトとは初対面というのもおかしかったです。

たとえ二次元の世界とはいえ
キャラが死なずに済むのに越した事はないので、
グラハムが散っていたのは非常に残念です。
あの時は、EVAの劇場版「THE END OF〜」で亡くなった
葛城ミサトさんを思い出しました。
主人公の為に、己の死をもって道を切り開くなんて
格好良過ぎます。
00の世界では幽霊の存在が認められているっぽいので、
先に逝っていた部下たちと
楽しく再会できていれば良いなと思います。
昔のフラッグ部隊の隊員から
「隊長もこっちに来ちゃったんですか。早過ぎません?」って
言われていると良いなぁ。


・イオリア
今回、初めて、後の世にイオリア計画と呼ばれるものを
あれこれと考えている過去のイオリアが登場しました。
その話し相手になっていた人の声が古谷徹さんだったので
「うわ〜〜」と泣きそうになりました。
この時ってまだイオリアが考えをまとめている段階なので、
イノベイドも作られてないですよね??
で、もしこう↑だとして、
イオリアが人類を導く者としてイノベイドを作らせる時に、
今回、話し相手として一緒にいた彼の友を元にして
最初の一人であるリボンズが作られたのだとしたら、
人間とイノベイドの間には優劣や上下がなく、
彼等は、やはり友
(手と手を取り合う者)としての関係性に尽きるんだなぁと
改めて感じました。
リボンズ自身は残念な事になってしまいましたが
ティエリアがCBの面々と協力しあっていたのが、
イオリアが本来望んでいた
人間とイノベイドの関係だったのかな?と思いました。



感想は以上です。
最後に、劇場から帰ってきた後に
私がツイッターに投下したつぶやきを転載します。
上記と内容が一部かぶっています。

  • sa9raribbonsa9raribbonガンダム00劇場版を見てきた!http://f.hatena.ne.jp/twitter/20100920010422 午後10時からのレイトショーなのに、公開2日目だからか満席&9割男性客。みんなパンフ買ってて凄かった。私も珍しく買った。お伴は当然のごとくビール!
  • sa9raribbonsa9raribbonネタバレしない程度の感想を。既存のキャラの中で、劇場版を見たのを機に、私の中で評価が下がった人がいなかったのは良かった。最後の落としどころも非常に00らしいと思う。でもこれはガンダムの映画なのかな?とは思った。
  • sa9raribbonsa9raribbon私はガンダムの他作品をよく知らないんですが、基本的に戦いが否定されているのを思うと、劇場版00も充分にガンダムの映画だと思う。けれど、「ガンダムの映画を見た!」という気がしないww これが新しい、今のガンダムなんだなぁと思った
  • sa9raribbonsa9raribbonそれと、当たり前ですが、新機体が出ている時は戦闘中なので、とても目で追いきれず、細かいところまでよく分からなかったのが残念。勢いで流し見ちゃった感じなので、DVDやBDを買って、家で一時停止しながらじっくり見たいです
  • sa9raribbonsa9raribbonガンダムの映画/宇宙人(笑)というだけでもう既に賛否両論なのかもしれませんが、人の好みはともかくとして、00の劇場版はこうあるべきというのはきっちり押さえられていたと思います。何を描くかという芯も、大黒柱のように太く強くありましたし。
  • sa9raribbonsa9raribbonけれど、不満はやっぱりありまして…一部のキャラの扱いについてなのですが。この辺はネタバレなのでブログに詳しく感想を書きますけど、劇場で見るのはもういいかなと思う理由に繋がっています。なんか色々と勿体ない。この辺は監督さんに直に質問をぶつけたい
  • sa9raribbonsa9raribbonデカルトを演じられた勝地涼さんは大変良かったです。良くも悪くも声優さんって独得の癖があるから、それがないのが、作中でまだ異物扱いされているイノベイターらしかった。声質も素敵。お名前は知らなかったけど、パンフでお顔を見て「この方なんだ」と驚きました
  • sa9raribbonsa9raribbonパンフは、刹那とロックオンのがそれぞれ売り切れでした。スタンダード版はまず売り切れないでしょうが、マイスターズのを希望される方は、事前に劇場に問い合わせた方がいいかもしれません。そして、グラハム名言ノートを 買えば良かったと今さら後悔
  • sa9raribbonsa9raribbon少し経ったし感想もちょっと吐き出したからか、気持ちが落ち着いてきた。今は、買ってきたパンフ(スタンダード)を眺めてた。これでもう00のお話は完結したんだなぁと思うと、ちょっと感無量です。ここまで完走できて良かった


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2010-09-23 23:00  nice!(1) 
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