感想@アニメ「屍鬼」第悼話(第10話):夏野を呼ぶ懐かしい声*ネタバレあり [アニメ感想]
フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は第悼話(第10話):夏野を呼ぶ懐かしい声です。
私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。
前回の感想はこちら。
【第柩話(第9話):月夜の衝撃に敏夫は】
各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
【2010年7月 開始作品】
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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。
彼らの脅威となってしまった夏野は存在を許されない。粛清の気配を感じる夏野。部屋で彼らの訪れを、息をひそめて待つ夜、静かに窓を叩く者が現れる。その声は親しげで、どこか懐かしい…。
結城夏野の元に屍鬼(腹話術の子)が訪ねてきた後の話と、
安森節子が尾崎敏夫に保護された後の回想が
同時に描かれました。
特に後者(尾崎対屍鬼の攻防戦)については
前回の感想記事でも書きましたように、
フジリュー先生の漫画で読んだ時に面白いと思えたことから、
前回の放送だけで終わったのを残念に思っていたので
このように、今回の放送において
回想という形で捕足されていたのが
とても嬉しかったです。
特に、辰巳をリーダーとした屍鬼の集会ww
以前から何度も書いてきましたように、
屍鬼は人がベース(生きている頃の記憶がある)なので
その行動も非常に人間っぽいんですよね。
そして、屍鬼化した安森奈緒が
とても生き生きとしているのが、見ていて哀しくなります。
さて、前者。
そりゃ、宗教などに興味がなくても、
息子がいきなり部屋中にお札や十字架を貼り出したら
親としては気味悪がる+それらを取るのは当然です。
でも、夏野が両親に真実を説明したところで
余計に怪しまれるのがおちで……。
この辺の夏野の不運さは、見ているのが辛いです。
そして何より、起き上がった武藤徹の来訪が辛い…… orz
死んだはずの親友の声が外から聞こえたら、
夏野でなくても、窓を開けずにはいられませんよね。
彼が屍鬼だと分かっていても夏野がそうしてしまったのは、
ごく自然なことだと思います。
屍鬼になった徹ちゃんが、夏野の前に最初に現れた時、
彼が夏野に顔を見られたくないとして
手で必死に隠そうとしているのが、物凄く印象的です。
屍鬼として、そして元人間として感情が揺れてしまう
──嫌だと思っていても、屍鬼としての本能を抑えられないのは
徹ちゃんの特徴であり、
彼のテーマでもあるので、見ていて面白いです。
(たとえば、この先、屍鬼になる看護婦の律子さんは
屍鬼になって血を吸いたい欲を抱えながらも
必死に抵抗し続けるので、
ある意味、彼と彼女は対比の関係にあります)
また、今回の放送の最後では、
夏野がとうとう徹ちゃんに襲われてしまいましたが、
この時点では、まだあまり血を吸われてない
(言い聞かせもされていない)のも、大変面白いです。
↑これについては次回の放送で分かるはず。
この時点では、徹ちゃんは夏野の血を吸いながらも
人間の感情の方がまだ勝ってるんですよね。
でも、一度吸った事で抵抗がなくなったのと、
辰巳から「ちゃんと吸え」と脅されたことに加えて、
これが一番の理由でしょうが、
徹ちゃん自身がひどくお腹が空いていた事もあって、
次に夏野を襲う時は、遠慮なく大量に彼の血を吸ってしまう
──屍鬼としての感情や欲が勝ってしまうと分かるのが
辛いです。
そして最後の吸血は、徹ちゃんの中で
血を吸いたい欲(屍鬼)と、
夏野を殺したくない(人間)との感情が入り乱れた結果、
彼は冷たい涙を流しながら思いきり吸血するという事態になります。
この感情の変化というか、それぞれの差の表現具合が
フジリュー先生の漫画では、本当に素晴らしいです。
辛いけれど、面白い。
(また、小野主上の小説では、漫画版と違い、
夏野は起き上がらずに亡くなりますので、
その後の徹ちゃんが本当に哀れでなりません)
漫画版では、ここら辺で、
尾崎医師が起き上がりの存在を指摘する前に
この件を煩く騒いだ末に
敢無く自滅してしまうお婆さんが登場したはずですが、
これは夏野の話が終わった後にやるんでしょうか。
あぁ……それにしても、
分かっていた事だけれど今回は辛いな!!!!
唯一の救いは
フジリュー先生(そしてアニメ版)の夏野が
私が最初に小説を読んだ時にイメージした彼と
全然違う点です。
人狼として起き上がっちゃう点も含めて
「よその子の夏野さんが襲われている」感がしてなりません。
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続きの感想も書きました。
【第悼と悲屠話(第11話):桐敷の屋敷へ!】
宜しければ、合わせてご覧下さい。
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2010-09-11 09:20
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