さくらもちモチ

感想＠アニメ「屍鬼」第髏苦話（第6話）*ネタバレあり　[アニメ感想] [編集]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼（しき）」の感想です。
今回は第髏苦話（第6話）です。

私は原作（小野不由美先生の小説）の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
【第偽話（第5話）：恵の気配、徹の死】

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
【2010年7月 開始作品】

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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。

増え続ける死。手詰まりの敏夫は怒りをあらわにする。静信の持って来た情報にも、礼を言うどころか暴言を投げつける有様だ。夏野はある仮説を胸に秘め、ビデオや書物を調べはじめる。そして何げなくした保との会話から、あるキーワードに辿り着く。「起き上がり」だ。

武藤徹の死に続き、
今回は、作中での大きなターニングポイントがあります。
それは勿論、“起き上がり”という単語の登場です。
先に夏野がそれに気付くのも勿論ですが、
彼の「清水さんが生き返ることは絶対にないんですね」との発言を機に
尾崎敏夫が「これは疫病じゃない」との仮説を立てるのは
作中でも大きな意味を持つシーンです。

そして、原作ではここから
夏野は夏野、尾崎は尾崎で、
“起き上がり”である屍鬼に対抗していくわけですが……
小説版を最後まで読んだファンからすると、
ここで夏野と尾崎がもっと親密に連絡を取っていれば、
悲劇はもう少し早く終わったんじゃないかと思います。
（アニメ版は、死んで起き上がった夏野が、
人狼と化しながらも、彼らを裏切り、
秘かに尾崎と手を組みますが）



そして、まだ人の側にいる室井静信が調べ上げたことが、
今回、尾崎に軽んじられていましたが、
後で物凄く重要だと分かるので、
私は見ていて「あああああ」となりました。

このブログを見ている人は、
既に原作を知っている方や、ネタバレばっちこいの方だと思うので
遠慮なく書きますけれども……
現在は、外場村の中で人がばんばん死んでいるのと平行して、
村を運営していく上で重要な職にある人々が
兼正によってどんどん入れ替わっている状態です。
たとえば、駐在さんや役場の人間などがそうです。
そのうち、外場村に不審死が相次ぐこと自体が
彼らによって揉み消されるようになります。
また、いちいち墓を掘り起こすのを面倒に思う兼正は、
葬儀社まで新たに作ってしまい、
死体安置所での振り分けを楽にできる仕組みまで作ります。
（屍鬼に噛まれても、誰もが必ず起き上がるわけではない）
なので、尾崎と夏野以外の村の人間が、
この異常事態の真相にはたと気付いても、
もうどうしようもなくなっているわけですが、
この時点では、尾崎がまともに話を聞かなかった事で、
あまり重要視されてないんですよね。
でも、こうしてしっかりと描かれてはいます……。
これ、屍鬼に襲われる恐怖と同じくらい
後で真実が判明した時にかなりの怖さを感じられる事なので、
原作未読の方は、是非、注目してみて下さい。
役場や駐在所だけでなく、
普通の民家でも入れ替わりが起こっているのが説明されるシーンは、
行き場がない屍鬼として見れば、
空き家を利用するだけなので、当然のことなんですが、
人間側で考えてみると、ゾッとする事態です。
多分、アニメでも描かれると思いますが、
自分の全然知らない人が××さんと呼ばれていて、
でも、自分の知ってる××さんはこの人じゃないのに、
他の人は、まるで自分が間違っているように言っている
……のは、かなりの恐怖です。


そういえば、アバンでの清水恵の巻き戻しの演出は
とても面白いなと思いました。
そして、ここだけを見ると、恵がちょっと可哀相ですww
夏野にしてみれば、そら恐ろしいことなんですがね……。
だって、夜に破った葉書が、朝になったら無いんですよ！
死んだはずの恵が来たって分かるんですよ！！
私なら、外を一歩も歩けなくなると思います。
当然、窓も開けられません。




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続きの感想も書きました。
【第弑魑話（第7話）：墓を暴く夏野】

宜しければ、合わせてご覧下さい。