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感想@アニメ「屍鬼」第偽話(第5話):恵の気配、徹の死*ネタバレあり [アニメ感想]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は第偽話(第5話):恵の気配、徹の死です。

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  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray

私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
第死話(第4話):恵の気配に夏野は

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
2010年7月 開始作品

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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。
静信は、死者が出た家を周って不審点を洗い出す。そこで浮かんだ共通点は、かなりの人が死ぬ数日前に辞職をしていることだった。夏野は恵の暑中見舞いはがきを受け取る。一層濃くなる恵の気配。徹が死ぬ。


サブタイトルや上記あらすじの通り、
結城夏野の親友だった武藤徹が亡くなりました orz
分かっていた事だとはいえ、見ていてきつかったなぁ。
そしてやっぱり、あの時に出会った巽を
「遊びに来て下さい」と安易に招いちゃったのは
痛恨のミスでした。
(屍鬼は、このように誰かに招かれないと家の中に入れない)

アバンで、徹ちゃんが清水恵に襲われたかもしれないと思い、
夏野が慌てて彼の首筋を見る
→噛まれた痕がなくてホッとする描写がありましたが、
実は腕を噛まれていたと分かる映像はありましたっけ??
なんか、すぐにOPに入ったので
「あれ? カットされた?」と思ったのですが、
徹ちゃんの腕がアップになるシーンって割と重要ですよね。
夏野の知らないところで徹ちゃんが何度も屍鬼に襲われていて
(屍鬼に一度噛まれたぐらいでは死なないので)
いつの間にか死んでいた……というのを
スタッフさんが強調したかったのでしょうか。

ここ、夏野視点で見ると、
つい先日まで一緒に遊んでいた徹ちゃんは、確かに元気だったのに、
家にこもって新作のゲームを遊んでいるのかと思っていたら、
実は死んでいた──って、トラウマになりそうな状況です。
しかも夏野は、この少し後で、
起き上がりと化した徹ちゃんと顔を合わせるわけで。
徹ちゃんが亡くなっただけでも悲劇なのに、
本当の悲劇は彼の死後に始まるというのが、辛いです。



上記の通り、主人公級キャラである夏野にとって、
物凄く大きな出来事がありましたが、
今回の放送のみの主人公は
二人の知り合いである村迫正雄だと思います。

いやぁ……ムカついたww
原作の小説でも漫画でも
読んでいると気分が悪くなる正雄の描写ですが、
今回はこのアニメでもムッとしました。
お葬式で葵たちに窘められた通り、
正雄の中には、常に自分しかいません。
そういう自分勝手さが、周りの人間には酷く浅ましく見えるのに、
正雄自身はそれに全く気付いていません。
彼の甥っこが屍鬼に襲われたせいで具合を悪くし、
病院に連れていかれた後のシーンで、
彼が祖父や実兄に向かって行なった
「これは確率の問題だから、子供でも死ぬかもしれない」との忠告は
彼の無神経さをよく表わしています。
正雄は、忠告のつもりで、
他人から聞いた話(とする自分の推測)を口にしただけで
別に悪気はないんですよね。
というか、「そうだね」と同意されたくてたまらないわけです。
でも、具合を悪くした子の親や祖父である彼ら二人にしてみれば、
「このまま死んでも仕方ないよ」と明るく言われるなんて、
呆れる他ない事態です。
殴られて当然のことを言ったのに、
当の正雄は、何故、殴られたかが全然分かってないのが
哀れでなりません。
正雄の駄目さ加減は、見ていて確かに面白いのですが、
思わず顔を顰めてしまう嫌な感情が湧きます。

ずっと自分を否定されてきた正雄は、
他の誰よりも、自分を認めてほしいという欲求が強いのに、
無神経で軽はずみな言動が災いして
更に他人から嫌われてしまう
(認めてもらえない)という悪循環に陥っています。

そして、起き上がりになった家族に襲われる村民が多い中で、
全く関係ない司書に襲われた点も、
いかにも正雄らしいなぁと思ってしまいます。
そういえば、今回のラストで正雄が司書に襲われたシーンは、
作中で、初めて死者(死鬼)が人間を襲うところが
明確に描かれた部分でもありました。
これは伝染病ではなく、吸血鬼による仕業だと
視聴者がはっきりと理解できるシーンです。
そして、夏野が見た吸血鬼化した恵は、
決して幻影でなく、
本物の恐怖なんだという推測がつく場面でもあります。

原作をお読みの方はご存知のように、
この正雄も、今後、起き上がるのですが……
せっかく屍鬼として捕食者側に立てたのに、
死んだ後も、生前のしがらみで嫌な思いをさせられ、
全然変わらない生活を強いられる
──死んでも人生をやり直せない哀れさが、
彼を通じて描かれます。
だからこそ、正雄というキャラクターは面白いのですが、
時々やりきれない気持ちになります。



そうそう、今回、夏野の手元に
恵からの残暑見舞いの葉書が届きました。
これは当の恵からだと、夏野も推測するわけで、
実際にその通りなのですが
破いて庭にまいた葉書の紙屑が、この後、全部無くなると思うと
恐怖が更に倍になりますww
また、部屋のゴミ箱でなく、家の外に捨てたあたりに、
恵の存在を示すものを置いておきたくない夏野の気持ちが
強く伝わってきます……。

それと、このシーンは、
屍鬼になった今の恵が、
夏野に対して臆したところが全くなくなっているのが
よく表れていると、
私は思います。
恵のお葬式の前後で推測されていた通り、
生前の彼女は、葉書を出したくても出せませんでした。
でも、屍鬼という捕食者側になったことで、
自分が夏野よりも優位な立場にあると自覚している
──夏野は自分の獲物だと思っていることで、
生前なら絶対に出せなかった葉書を
彼の感情を煽る為に出せるようになったのではないでしょうか。



被害者の家を次々に回った室井静信が、
辞職者の多さに気付き、不審に思いますが……
彼と尾崎敏夫の対立の描写は次回でしょうか。
仕方がなかったとはいえ、
ここで尾崎医師が静信の言葉に耳を傾けなかったのは
本当に大きいと思います。
そして、外場村の住民がごっそり入れ替わっている事態が
着々と進んでいる事態が、とても怖いです。


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続きの感想も書きました。
第髏苦話(第6話)

宜しければ、合わせてご覧下さい。


2010-08-07 18:50  nice!(1) 
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