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感想@アニメ「屍鬼」第惨話(第3話):静信と少女・沙子*ネタバレあり [アニメ感想]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は第惨話(第3話):静信と少女・沙子です。

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私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
第腐堕話(第2話):連続する謎の死

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
2010年7月 開始作品

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外場村では相変わらず死が蔓延しています。
つい先日までとても元気だったのに、
一度、体調不良になったら、そのまま一気に悪化して死亡って
普通に考えれば、とても怖い話です。
赤血球が異様に減っている(血を吸われているので)という
検査結果の描写も、
どういう事態が起こっているかが分かるからこそ、怖かったです。
また、今回の放送で、尾崎医師が、
腕の噛み痕に目敏く気付いて「虫さされ?」と呟きますが、
これが牙の痕だとどう気付くかが、楽しみです。



さて今回は、死に取りつかれている男・静信と、
この作品で出てくる“死鬼(起き上がり/人狼)”の象徴的存在であり、
また、実質的な代表キャラクター(一番偉い)でもある
少女・沙子が出会いました。
沙子が言っていたように、静信が書いた小説がきっかけとなって
桐敷一家の引っ越し先が外場村に決まった事や、
この先、起き上がりが多発し、
まっとうな村民がどんどん減っていってもまだ
彼が何もしないのを踏まえると、
(最終的に、静信は沙子と共に村を出るので)
この一連の悲劇の原因は彼だよなぁと、
ちょっと不粋なことを思ってしまいます。
静信に、リストカットで自殺を図った過去があるらしいと分かるように、
彼個人が死に取りつかれるのは構わないのですが、
それを外に出した(影響を他人にばらまく)のは
やはりまずいだろう……と。
作品全体を思えば、
“静信はそういう人間だった”というだけで、
彼の言動は、別に責められるべきものではないのですが、
もし私が運良く残った村民の一人で、真実の全てを知った上で、
起き上がり化した自分の家族の胸に
杭を打たなければならなくなったり、
看護師さんのように、起き上がり化した後も、
それに納得がいかない(人としての誇りを失ってない)事から
苦しい思いをさせられたりするのなら、
絶対に静信を恨むよなぁと、思わずにはいられませんでした。



また、今の外場村では、
兼正に引っ越してきたばかりの新しい住民・桐敷一家に対して
「今度よかったら家に遊びに来て下さい!」という
社交辞令も兼ねた挨拶をすべきじゃないという描写もありました。
武藤徹も、本格的に登場していましたね。
徹ちゃんについては、
小説で読んだ時に持った印象よりも好青年に思えました。
外見も好みです──が、彼のせいで結城夏野が死ぬのを思うと、
彼を見る度にちょっと複雑な心境になります。
尤も、逆に考えれば、
こういう徹ちゃんだからこそ、夏野は抗えなかったどころか、
窓(障子?)を空けて「入ってこいよ」と言ったんだよなぁと
自然に思えました。

ここ、ちょっとうろ覚えなので、違っていたらすみません。
私、こちらの原作である小説のファンなのですが
家に置いておきたくない本なので、未だに買っておらず、
思い立った時に図書館で読むようにしているんです
(借りた本を家に持ち帰るのも嫌なんです。夢に見るので)。
しかも私は、夏野が一番好きなので、
彼が徹ちゃんに目を付けられた(血を吸われる)シーンは
読むのが本当に辛くて、
いつも読み飛ばしてしまいます。

今回、徹ちゃんが辰巳と初めて会ったシーンも、
これが夏野の死に繋がるかと思うと
嫌で嫌でたまりませんでした。
なので、私は
フジリュー先生のキャラデザや作画を苦手としていますが、
徹ちゃんに関しては、
それが好ましいと思える事に救われているなと思っています。
お話全体を考えれば、それまで、
一連の不審な事件を他人事として認識していた夏野は、
大事な存在である徹ちゃんが死んだからこそ、
ようやく、自分の事として受け止め、
死鬼と戦う決意を持つようになったと思えるので、
そういう意味では、
やはり、徹ちゃんは起き上がりになるべき人であり
(その後、自分が夏野を殺してしまった後悔に襲われる顛末や、
それでも血が吸いたくてたまらないという
抗えない渇望を抱き続けるのも含めて)、
夏野は、志半ばで彼に襲われるべき人なのかなと思っています。



……と、ここまで書いておいて何ですが、
漫画版の夏野って、原作の小説と違い、
徹ちゃんに襲われた後で起き上がっている
(人狼になっている)んですか??
私、この部分のジャンプSQを読み飛ばしていて、
今、ちょっとネットで調べようと思い、
ウィキペディアで初めてこの記述を見て、びっくりしたんですが……。
natuno.gif
(通常は、ページのURLを書いてリンクでご紹介するのですが、
ご存知の通り、ウィキペディアはよく編集されますので、
今回に限り画像で転載しました)

あ……あり得ない……。
夏野は、言わば中盤までのヒーロー(主人公)なので、
フジリュー先生の漫画版では、もしかすると、
彼を途中退場させない為に人狼化させたのでしょうか。
でも夏野は、人として死に、そのまま起き上がらない事に
意味があるのでは??
こんなふうに悪く改編するなら、
夏野が徹ちゃんを撃退して死なない展開にした方が
まだ理解できます。
夏野が起き上がるなんて、あり得ないあり得ないあり得ない。
本当にあり得ない。
私は夏野が好きなので、その死は本当に辛いけれど、
彼を人狼にされた事は、
キャラクター性を踏みにじられた気分です。
この辺の改編は、お話の根幹を変える事でもあるので、
小野不由美先生の許可をしっかりと得た上で
フジリュー先生が描かれているのでしょうが
(もしかしたら小野主上も、夏野のもう一つの可能性として、
この漫画版の展開を楽しまれているのかもしれませんが)
物凄くショックです。
多分、SQの発売当時は、
私のように猛反発した原作ファンも少なくなかったでしょう。
私も、びっくり仰天した後は、
「ええええ……これはないでしょう」と呆然としてしまいました。

こちらのアニメは、小野主上の小説でなく、
フジリュー先生の漫画を下敷きにしているので、
この先、アニメ版の夏野も起き上がるんですよね…… orz
やだなぁ。そんなの見たくないなぁ。
もう「あれは私の好きな夏野じゃない」と
割り切るしかないのかな。
幸いな事に、以前の感想記事でも書きましたように、
夏野の外見イメージは
私が小説で当作品を読んだ時に思ったのとは
全く違いましたし……。
しかも、人狼っていうのがまた、何とも言えません。
最後、夏野はどうするんでしょうか。
自分の胸に杭を打ってくれと、尾崎にでも頼むのかな。



さて、今回から、桐敷正志郎役としてGACKTさんが登場しました。
あまり上手くなかったですが、
本職でない芸能人にしては、まだ無理なく聞けるレベルでしたし、
声や喋り方は、桐敷正志郎の突拍子もない役柄
(一風変わった外見と言動)に合っていたと思います。
ただ、桐敷千鶴役の折笠愛さんの巧さに助けられていた点も
あったような……。
折笠さんは良かったなぁ。
千鶴については、神社で殺されるシーンが肝なので、
ベテランの方に演じてもらえれば、安心して見ていられます。

次回も楽しみ……かなぁ……。
正直なところ、夏野の件で一気にテンションが下がりました。


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続きの感想も書きました。
第死話(第4話):恵の気配に夏野は

宜しければ、合わせてご覧下さい。


2010-07-24 03:19  nice!(0) 
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