さくらもちモチ

感想＠NHK土曜ドラマ「鉄の骨」第1回：談合課勤務を命ず*ネタバレあり　[テレビドラマ感想] [編集]

NHK土曜ドラマ「鉄の骨」の感想です。
今回は初回の第1話「談合課勤務を命ず」です。

以下の記述にはネタバレを含みます。
私は原作の小説を読んでいません。

各話の感想記事のURLは、他作品と共に
こちらの一覧（インデックス）ページでまとめていきます。
【テレビドラマ感想一覧：2010年夏 放送開始作品】

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まずはあらすじから。NHKの番組webサイトより転載します。

２００５年、一谷組に勤務して３年目の富島平太（小池徹平）は突然の異動で土木部営業課勤務を命ぜられる。
そこは大手ゼネコン各社との「談合」窓口だった。着任早々に遠藤課長（豊原功補）と共に国道バイパス工事の談合による受注を担当するが、平太は違法行為に加担することに抵抗を感じる。そんな時、一谷組の談合を告発した怪文書が出回り、平太がその犯人だと疑われ、一谷組は工事受注から外されるピンチに立たされる。

面白かったです！

建設業界に全く詳しくなく、
“談合”というと“悪い事”としか分かってない私は、
今回、主人公・富島平太（小池徹平さん）と同じ目線で
物語を追っていきました。
（おそらく、ほとんどの視聴者がそうだと思います）

最初は、平然と談合を行なっている上司・会社に対して
嫌悪を強く感じ、
安い正義感を振りかざして
ついつい批判したくなりましたが、
その“談合”を
会社の利益の為に必死で行なっている上司を目の当りにした途端、
それまで反対の意思を持っていた富島ですら、取り込まれてしまう
──感情が簡単に流されてしまったのは、
とても自然な流れでした。
人間は、こうやって“間違っていく”のかなぁとも思いました。
上司である遠藤安男（豊原功補さん）に共感して
彼と一緒に土下座をした時点で、
富島も、その談合世界の住人となったわけですし……。



その後、富島が
転勤のきっかけになったかもしれない工事現場に
再び行った際に、
コンクリートの強度の問題となる煙草の吸い殻について
あまり気にしていなかったのが
非常に興味深かったです。

かつての富島にとっては、
喫煙癖のある作業員を間髪入れずに注意し、
ぶん殴りたくなったほど気にしていた事なのに、
彼自身が談合という大きな悪に飲み込まれた途端、
それがひどく小さな事に思えたんでしょう。
上記の通り、
富島の心境および表情、言動の変化は、とても自然でした。
見ている私も、彼と一緒に
怒ったり嘆いたり驚いたりしましたが、
ふと、振り返ってみた時に、
かつては悪と認識していたものが
自分にとってどうでもよくなっている事から
「あ、確実に自分が変わっている」のを感じて
愕然としまいました。
多分、今の富島ですら、過去の彼自身からすれば、
“談合業務を文句も言わずに行なっている悪人”として
認識されるかもしれません。



ところで、今回の放送の中盤で、上司の遠藤が、
奥さんに逃げられた？などと富島の家で言っていました。
遠藤も、かつては真っ当な志を持った
ごく普通の建設マンだったらしい事からいって、
彼は、もしかしたら富島の未来の可能性の一つかもしれません。
という事は、次回予告で、恋人との喧嘩のシーンがあったように、
仕事に一生懸命になった結果、
彼女との仲がこじれる事にもなるんでしょうか。
今回、二人のラブラブシーンが微笑ましかったので
（特に、布団の上で彼女にくすぐられるところ）
できれば、そうなってほしくないなぁと思っています。



それにしても、この名古屋放送局のドラマは
面白いものが多いですね！
これまでの実積が高い評判を呼んだ結果、
今では一種のブランドと化している気がします。
私も、「名古屋放送局制作なら、ハズレはないだろう」と
安心して見ていられましたし……。

それと、遠藤を演じられている豊原功補さんが
とても魅力的でステキでした。
彼──遠藤の役どころは、
富島ほど青臭く、物を知らないわけでもない、
しかし上司ほど完全に腐ってない（と思える）ので、
大変難しいと思うのですが、
好演されていました。

次回も楽しみです！






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続きの感想も書きました。
【第2回：生き残りゲーム】

宜しければ、合わせてどうぞ。