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感想@アニメ「Angel Beats!」第13話(最終回):Graduation*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「Angel Beats!」の感想です。
今回は第13話( EPISODE13)「Graduation」です。
最終回です!

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以下の記述にはネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
第12話:Knockin' on heaven's door

各話の感想記事のURLは、他作品と共に
こちらの一覧(インデックス)ページでまとめます。
感想記事 一覧:2010年4月 開始作品

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最終回でした。

今回については、今までの回に対する評価の違いで
受け止め方も大きく変わってくると思います。
私は、大変失礼ですが、
“面白いとは思えない作品”という認識でおりましたので、
一部分を除き、今回も
苦笑と失笑ばかりで終わってしまいました。



褒め言葉を最後に回した方が
気持ちよく締められると思いますので、
まずは、「これは駄目だな」と思った事から。

一番気になったのは、仲村ゆり(ゆりっぺ)です。
お話の主な作り手が
エロゲーのスタッフさんであるのを踏まえれば、
メインヒロイン以外の女の子の扱いが
途中から急に雑になるのは、ごく普通のことなのでしょうが
(ゲームでは
攻略できる女の子別にシナリオが用意されていて、
どの子もメインヒロインとなれる以外のお話では
割とぞんざいな扱いになる)
そういう作り手の特性(問題を含む)は、本来、
アニメの視聴者には関係がない事です。
私は今でこそ、制作スタッフさんのお名前も気にしますが、
本当は、誰が作るアニメだろうと、面白ければ良いわけで。
なので、このエロゲー(ギャルゲー)的な作りには
私は抵抗を持ってしまいますし、
「このスタッフさんが作るアニメだから、これでいいんだ」
という評価には、首を傾げてしまいます。



多分、恋愛面でのメインヒロインを橘奏が担当した代わりに、
ゆりっぺには、この世界の根幹を表わす少女としての役割が
与えられたんでしょう。
ゆりっぺは死んだ世界戦線のリーダーですから、
これは当然だと思います。
彼女が主体となって始めた戦いなら
幕引きも彼女が行なうべきですしね。
なので、前回のパソコン(のモニター)ぶっ壊しは
あって当然だったシーンだと思います。

しかし、物語全体の折り返し地点ぐらいから、
奏ちゃんと音無の心の結びつきが主に描かれるようになったからか、
ゆりっぺの描写の量が、がくんと減りました。
で、それを取り戻すかのような
前回の単独行動だったわけですが……
正直、ゆりっぺ関係のエピソードは、
過程を吹っ飛ばして、
「実はこうでした」と台詞メインで明かされた事が多くありました。
こうなると、私は放送を見ていても
気持ちが彼女に全然ついていきません。
ゆりっぺの葛藤や心境の移り変わりを見ていき、
心を寄せて共感するという行為ができなかった分、
最後まで彼女が遠く感じられました。
「わけが分からない子だったな」というのが、正直な感想です。
奏ちゃんとゆりっぺの友情についても、
誤解がとけた事で、二人はいきなり親密になりましたが、
ゆりっぺの「(奏ちゃんは)天使じゃない」発言も含めて、
あまりに唐突過ぎます。

最後、順々に皆が消えていく中で、
ゆりっぺが消えた描写も軽かったです。
奏ちゃんがメインヒロインであり、
日向が主人公の親友という立場であるのを思えば、
その前にゆりっぺが消えたのは、順当と言えばそうですが、
卒業式の描写を削っても、もう少し、
彼女に尺を与えてほしかったです。
たとえば、音無が来る前の戦い&日常や、
日向と共に戦線を立ち上げた描写を、
走馬灯の映像として一気に流すだけでも違ったと思うんですが
どうでしょうか。
多分、ゆりっぺは、一番多く戦った人でしょうから、
これまでの戦いをそっと振り返る描写が僅かにあっただけでも
彼女という人物に重みを与えられたと、私は思います。



音無が最後に見せた欲については……
それまで善人のように、皆に「消えた方がいい」と勧めておいて、
いざ、嫁……じゃなくて好きな子と二人きりになったら
「自分たちだけ残らないか」と提案するなんて、
そりゃもう、強欲の極地だと思いますし、
「おいおい、そりゃ勝手過ぎるだろ」と
ツッコミを入れたくもなりましたが、
これが、それまで他人の為に頑張ってきた音無が
初めて見せた我侭だと思うと
微笑ましくもありました。

このエピソードについては、私は良いとは思いません。
しかし一方で、
これまでがあまりにも良い人過ぎた音無に対して、
「彼も普通の男子だった」と感じられるお話でもあるので、
そう批判的になる事もないかなぁと思っています。
音無が、ここに残りたい理由として、最初に、
「これから来る他の人たちの為」という建前を口にしていたのに、
いつの間にか「お前が好きだから残りたい」という
個人的な欲を表わしていたのも良かったですし。
(多分、音無が「他の人達の為〜」との理由しか挙げずに、
奏ちゃんに向かってずっと「残ろう」と言っていたら、
私の評価はもっと下がったと思います)
前者も、確かに音無の気持ちでしょうが、
本音としては、後者の方がより強いと思えましたので。

当初、奏ちゃんが、音無の提案に対して、
「そうね」と返事をしていますが、
それが、「そうしたい」との完全な同意でなく、
「そうできたら良いわね」という、
できないと分かっているからこその返事というか、
やや悲観的な感じに聞こえて、ここはとても好きです。

音無の告白が「好きだ」から「愛している」に変わったのは、
これこそが、彼が彼女に一番、伝えたかった言葉なんでしょう。
また、奏ちゃん自身が言っていましたが、
彼女が一番、音無に伝えたかったのは、「ありがとう」であって、
これは多分、この時の彼女の中では、
「好き」や「愛している」より上位に当たるんでしょうね。
勿論、奏ちゃんも、
音無を「好き」で「愛している」のでしょう。
でも、この時の彼女にとって、この感情を伝えるのは
語弊があるかもしれませんが
“お礼を言う事よりも重要度が下”なわけで。

きっと、奏ちゃんの「ありがとう」との言葉の中には、
「音無君が好き」も「音無君を愛している」という気持ちも
ちゃんと含まれていて、
ああして、返事として「ありがとう」を連発する事で、
音無の告白に対して彼女なりに応えているという意味も
あるのでしょう。
奏ちゃんは、音無を好きでも
それを直接的な言葉で伝える事はせず、
お礼の気持ちを伝える事で、
彼に対する熱い気持ちを全て放ったのかなと思いました。



個人的には、最後の最後、
生まれ変わった後の奏ちゃんが鼻歌を奏でていたのは
あの曲じゃなく、戦歌(マーボー豆腐の歌)の方が良かったかな。
あれ、ファッションビルの外という設定ですが、
いっそベタベタのコテコテにするなら、
店内から聞こえてくるBGMが“My Song”で、
奏ちゃんの鼻歌がマーボー豆腐の歌でも良かったぐらいです。



全体を苦笑&失笑で見たのは、最初に書いた通りですが、
こんな私でも、副会長の直井が泣いたシーンでは
ちょっとホロりときそうになりました。
でもこれは、脚本や演出ではなく、
直井の中の人である
緒方恵美さんの力量のお陰だと思います。
緒方さんの泣きについては、
エヴァの碇シンジ役で多々聞いていましたが、
やっぱり上手いですよね。
最後の音無の泣きも
神谷さん(中の人)らしくて凄く良かったけれど、
私は緒方さんの方が上手いなと思いました。



あ、そうそう
“音無=心臓がない”設定や、
タイトル“Angel Beats!”の意味が心臓の鼓動に引っ掛けてあるのは
上手いなぁと思いました。
ここで「あ、なるほど!」と思えた部分は爽快感すら味わえたので
他でもそうなりたかったと、余計に残念に思えました。




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2010-06-29 23:57  nice!(0) 
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