さくらもちモチ

感想＠映画「タイムライン（Timeline）」*ネタバレあり　[映画・舞台] [編集]

映画「タイムライン（Timeline）」の感想です。

以下の記述にはネタバレを含みます。


前知識が一切ない状態で、CSで視聴しました。

見始めてすぐに、考古学云々の内容になりましたので、
「あ、もしかしてタイムトラベルもの？」と想像できました。
タイトルからして、いかにもSFチックですので
もっとそういう要素が強いかと思いましたが、
メインは、主要登場人物が移動した先である
中世ヨーロッパでのあれこれでした。
ファンタジー映画ではないけれど、
それ系が好きな人の方が、より楽しめるかもしれません。



私は、SFに対する興味をあまり持ってませんので、
（好きだけれど、うんちくを語るほどの関心は無い）
主要登場人物が簡単に過去に飛んだ展開は、
抵抗なく受け入れられました。
でもこの辺は、SFが好きで
どうしてタイムトラベルができたのかに興味がある人には
「こんなにご都合主義で良いのか」と
ツッコミを入れてしまうかもしれません。



最初は一つの集団だった救出チームが、
イングランド軍に襲われるうちに、
亡くなる者が出てきたり、バラバラになったりします。
ここでお話の流れは、百年戦争という土台の上で、
レディ・クレアと運命的な出会いを果たした
マレク（ジェラルド・バトラー）と、
現代での発掘対象だった修道院に向かう
クリス（ポール・ウォーカー）とケイト（フランシス・オコナー）の二つに
おおまかに分かれます。

見終わった後、ウィキペディア等を見て
「あれ？」と思ったのですが、
キャストのクレジットでは
マレクよりクリスの方が上（メイン）なんですね。
でも、実質的にはマレクが主人公ではないかと思いました。
私は、やはり、
時代を超えて恋を成就させるのは主人公じゃないと！と
思う人間ですので。
また、レディ・クレアが城の攻防戦の鍵である事から、
彼と出会ったマレクの方が見せ場が多かった気がしますし。
欲を言えば、もっとマレクに比重を置いて（尺を割いて）
彼が主人公であるのを明確にした脚本で見たかったです。



私は中世の世界にはそれほど詳しくないのですが、
お金を掛けて丁寧に作られていたなと感じられました。
村や砦、修道院もそうですが
圧巻なのは、やはりラ・ロック城。
戦いにおいて、火矢や、火を伴った大きな投石が、
真っ暗な夜空を大量に飛んでいく様は、
まるで打ち上げ花火を見ているようで、
不謹慎ながら、思わず「きれい」と思ってしまいました。
他に、重い鎧をガチャガチャ言わせている兵士を見るだけでも
結構楽しかったです。
ドラクエなどの装備をリアルでやると
（鉄のよろいとかくさりかたびらとか）
こんな感じなんだろうなぁと思いましたww

ところで、水を注ぐと炎がさらに大きくなる爆薬は
油を用いたものですよね？？
（油の火の上に水を注ぐと、火の勢いが強くなる）
これ、知識がないと結構怖いですよね。
消そうと思って水を一生懸命掛けても、
全然意味が無いどころか、逆効果なんですから。



マレクとレディ・クレアのラブロマンスも良かったです。
単なる村娘かと思っていた女性が、
実はあのクレアだと判明した時は
（彼女の犠牲によりフランス軍が勝利できた）
私も「おお！」と声を出しました。
また、作品の序盤の現代の発掘シーンで出てきた、
当時ではまだ珍しかったらしい、男女が手を繋いだ姿が、
実は彼ら二人だと分かった時は、ちょっとホロリとしたなぁ。

川の流れに身を任せながら逃げている時に、
なにげにマルクがレディ・クレアをくどいていたので、
「あ、多分、この人は
彼女と共にここで生きる事を望むんだろうな」と
想像できましたが、
その通りになった事が、とても嬉しかったです。
その後のお別れの時に、
「あなた、結婚してるの？」と、
マルクに問われた事をそのまま質問したクレアが
自ら彼にキスした事からいって
二人が両思いであるのは明らかでしたので……。



タイムトラベルというSF要素と、
中世ヨーロッパの歴史もの……
この二つについては、どんな大作の映画でも
詳しい人にかかってしまっては、
あれこれとツッコミが入るのでしょうが、
そういう事にあまりこだわらない
──よほど酷く無ければ、
お話が良ければ気にしないという視聴者の私には
最後まで大変面白く見られました。

ただ、世界史に疎く、
「百年戦争って何だっけ？」と首を傾げてしまう私には、
作品の背景（タイムトラベルした先の歴史的事情）が分からず、
少し「？？？」となりました。
これ、イギリス人やフランス人といった当事者の国の人々なら
自然に受け入れられるのでしょうが
（日本でいう関ヶ原の戦いぐらいに有名な戦争ですので）
日本人には馴染みがないですものね。
視聴の前に百年戦争の全てを知る必要はありませんが、
軽く歴史を予習をしておくと、戸惑う事なく視聴できると思います。




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