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感想@劇場版TRICK(トリック)霊能力者バトルロイヤル*ネタバレあり [映画・舞台]

人気ドラマ“トリック”シリーズの映画 第3弾
「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」の感想です。
以下の記述にはネタバレを含みます。

私は、シリーズのドラマと映画を一通り見ています。


────

“TRICK”シリーズのスピンオフドラマ
[“警部補 矢部謙三”の最終回]を見た後、
[TRICK(トリック)新作スペシャル2]を見た翌日のレイトショーで、
この劇場版を鑑賞しました。
本当は一日早く行くはずだったのですが、
上記の新作スペシャル2の放送日・時間と重なっていた為、
急遽、日にちをずらした次第です。

劇画調ポスター。
tposter.jpg

劇場にはこんなのもありました。
trick.jpg
私は記念写真を撮るのが好きなのですが、
そんな私でも撮ってもらうのを躊躇うような
ビミョーなセットww



正直なところ、
劇場版の第1作も第2作も、映画としては酷い出来で、
今回のドラマ新作スペシャル2も
小ネタ以外はさほど面白くなかったので、
この劇場版第3作目に対しても、
私は全く期待していなかったのですが、
意外にも楽しめました。
想像していたよりずっと
シリアス路線で作られていましたので、
以前の劇場版やドラマよりは、
やや真面目にミステリをやっているなぁというのが
一番の感想です。



トリックという作品は、どのシリーズ/媒体でも、
山田奈緒子(仲間由紀恵さん)と
上田次郎(阿部寛さん)の主人公コンビが
事件の真相を暴きます──が
最後は必ずしも大団円ではありません。
また、私も、後味の悪い話が割と好きです。
(個人的には、千里眼のオチが一番後味が悪いので好きです)

なので、この劇場版も、
最後だけを取り上げれば、割と良い感じで終わっていますが、
終盤で出てくる二人の少女の死に対しては
本気で「うわぁ」と思いました。
トリックでマジ泣きしそうになったのは
初めてかもしれません。

そして、本当に泣いてしまったのが、
鈴木玲一郎(松平健さん)が逝くシーン。
彼が死ぬ間際に
何故か突然現れた松宮佐和子(三浦理恵子さん)の手を握って
何度も謝るシーンでは、
「お約束だなぁ」と思えただけで、平気だったのですが、
その後、実は彼女が
山田里見(野際陽子さん)の力を借りて
交信してきたんだと分かった瞬間に、
ぶわっと涙が出ました。
あの時の、野際陽子さんの何とも言えない表情も
物凄く良かったなぁ。
山田親子の霊能力の有無については、
かつてドラマ版でありましたけれど(黒門島)
やはり何かあるんだと、改めて思わされました。



ミステリ(推理)部分については……
伏見達郎(藤木直人さん)のバラバラ死体のパーツが
いかにも人形臭かったので、
「これ、草むらから首だけ出していて、他は偽物だろう」と
分かりましたので、
彼が実は生きていて、鈴木玲一郎と手を組んでいるのかなとは
予想がつきました。
でも、伏見達郎の死はなんで……??
鈴木玲一郎は、上田さん達の推理を否定していましたよね。
(遅効性の薬を伏見達郎に飲ませていたとの案)
伏見達郎が亡くなったタイミングといい、
中森翔平(佐藤健さん)には本当に能力があったんじゃ……?と
思えました。
個人的には、最後、馬にまたがった鈴木玲一郎が、
中森翔平に睨まれたせいで殺されるかと思っていたので、
彼がそのまま村の入口まで普通に行ってしまった事によって、
中森翔平に霊能力があるか否かは分からなくなったなぁと
思いました。

高階美代子(夏帆さん)の瞬間移動のトリックでは、
脱出した後の彼女の手首にあった痣が、
私も気になってました──が、
あれは無理に脱出をしたか、
何度も練習をした名残りなのかと思っていたので、
真相が判明した時はちょっと驚きました。
(上田さんが手首を縛っているシーンでは
私自身があまり注目してなかったので、分からなかったです)
そして、真実が判明した上で、
棺桶が空中から落とされるシーンが
回想として流された時は、
辛くて見ていられなかったなぁ。
そして、仕方が無いけれど、
棺桶の中の死体は
あの時からずっと放置されていたんだと思うと
せつなくてたまらなかったです。
ああしないと皆が真実を知る事ができなくなるとはいえ、
できれば、早々に埋葬してあげてほしかったです。



杉尾園子役の片瀬那奈さんと
伏見達郎役の藤木直人さんは
最初、そうだと分かりませんでした。
片瀬那奈さんは、
日テレのドラマ「プロゴルファー花」でも
表裏の激しいお嬢様役をやっていますように
最近は役者さんとして幅を広げていますね。
作中で“カオナシ”と評されても美人さんなのは
さすが女優さんだなぁと思いました。



さて、トリックといえば小ネタです。
この劇場版でもむちゃくちゃ多かったです。
ぶっちゃけ、演じている人(物語の本筋)と
背景(小ネタ)の両方が気になるので、
広いスクリーンのどこを見たら良いかが分からなくなります。
とにかく、何か新しく映る度に
目を必死に動かしましたが、とても追い付かなかったです。
DVD化された時が楽しみだなぁ。

そして、ドラマ新作スペシャル2とのリンクネタが
とても多かったです。
というか冒頭の始まり方が、
映画と新作スペシャル2とでは全く同じで
「自作をパロってどうする!!」と言いたくなりました。
上田さん、IQは220だったんですね……。
山田里見さんのお習字ネタも、おかしかったです。
最初に「紀伊半多」と来た時は
何のことか分からず、
その数秒後にようやく分かって、
場内で笑いを堪えるのに苦労しました。
(キイハンター/野際陽子さんの代表作)
あと、鳩山由紀夫さんもとい鶏山由紀夫さんから
お花が届いてましたね。
他、いつもの貧乳&巨根ネタと
矢部謙三(生瀬勝久さん)のヅラネタ、
ガッツ石松さんネタといった
シリーズを通してのお約束もありました。
また、ゲストが松平健さんですので、
彼が“暴れん坊将軍”よろしく白馬にも乗りました。



ただ、矢部さんと秋葉原人(池田鉄洋さん)の
警察コンビについては、
出落ちというか、本筋に全く絡みませんので
すっかり空気化しています。
本当に、“何の為に出てきたか分からない”ぐらい
彼らの登場には意味がありません。
作品としてこの二人を出さなきゃいけないからそうしたものの、
結局、いてもいなくても変わらなくなってしまった
……という感じです。
出番そのものも少ないので、
この二人の活躍を期待している方はご注意下さい。
二人の登場に何らかの意味があるとしたら、
それは、ファンサービスでしかないだろうなぁ。
彼ら(警察)が介入すると
お話がややこしくなるから、思いきって省いたのでしょうが、
ちょっと勿体なかったです。



それと、私はかわいい服や小物が大好きなので、
美代子の服や、蔵の中の秘密の部屋の内装が
非常に好みだなぁと思っていたら、
案の定、好きブランドの名前がエンドロールにありました。
エミキュとPINKHOUSEです。
やっぱり……!と思いました。

あと、物語の舞台が万練村(まんねりむら)に移ってから
どうも見た事がある山だよなぁと思えてならなかったのですが、
エンドロールに名前がありましたので、
まず間違いなく、一部は、私の地元で撮影された模様です。
車で二、三十分ぐらい走ったところにある山です。
(すぐ近くで大河ドラマ“天地人”でも合戦のロケをしてました)
山から見えるふもとの風景は、さすがに合成でした。



私は、トリックシリーズを全て見ていますが、
熱心なファンではないので、
この劇場版に対してリピートする事はないと思います。
でも、おそらくこれで
トリックシリーズが打ち止めになるかもしれないのを思うと、
最後を飾るに当たり、
これまで以上に丁寧に作られた作品だと評価します。
そして、上記でも少し触れましたが、
DVDなどが発売/レンタルされたら、
たっぷりと小ネタ探しを行なうつもりです。





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2010-05-17 23:04  nice!(5)  コメント(2) 
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コメント 2

た

恐らく、依頼者の超能力は初代エピソード1でのグランマザーの最後の言葉である
「あなたはいずれ本物の超能力者に出会うこととなる」に繋がるんではないかと思ったり。
現に山田母子以外で本物の超能力を持っているような描写は今回が初めてだと思います。
by た (2010-05-21 20:24) 

さくら

■た様
こんにちは。コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。

この件は……どうなんでしょうね。
映画から読み取れる情報が少ないので、
受け取る人の考えに委ねられている
(どう思おうと観客の自由)なのかなと思っています。
by さくら (2010-07-07 21:28) 

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