さくらもちモチ

感想＠NHK土曜ドラマ「チェイス〜国税査察官〜」第5回：史上最大のスキーム〜六千億円をめぐる攻防!*ネタバレあり　[テレビドラマ感想] [編集]

NHK土曜ドラマ「チェイス〜国税査察官〜」の感想です。
今回は第5回
「史上最大のスキーム〜六千億円をめぐる攻防!」です。

以下の記述にはネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
【第4回：復讐〜6千億円の資産をめぐる因縁！】

各回の感想記事のURLは
こちらの一覧（インデックス）記事でまとめています。
【テレビドラマ感想一覧：2010年春 放送開始作品】

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いやぁ……これまでの回も面白かったけど
今回が一番面白かったように思います。
見ていてゾクゾクした
……怖かったけど楽しかった！！！！

今回は、NHKで野球中継が行なわれた為、
放送開始が再び遅れる可能性があったり
（結局、野球放送は延長しませんでしたが）、
裏番組でTRICKの新作スペシャル2の特番があったりと、
放送状況は決して良くはなかったでしょうが、
それでも、見た甲斐があった回だと思います。



まずは、サブタイトルにもなっている
村雲修次（ARATAさん）のスキーム。
ボリビアでのリチウム工場で
爆発事故を敢えて起こさせる事で行なう株価の操作
（株価が安い時に相続税を支払うようにする）と、
雇い主である檜山基一（斎藤工さん）を騙して、
彼に内緒で銀行口座の名義変更を行なうという詐欺が
丁寧に描かれました。

まずは前者──株価の操作。
初回で村雲が計画した飛行機事故を使ったスキームと違い、
今回は、爆発事故での犠牲者が出ないとの事でしたが、
村雲がいつも頼りにしていたウォンが
現地マフィアに追われる羽目になり、
結果、彼は銃口を銜えて自殺しました…… orz
この二人は、悪役で、
主人公である春馬草輔（江口洋介さん）の敵ですが、
二人の最後の会話には、
私もじん……としてしまいました。
悪い友達“朋友（パンヤオ）”という言葉も良かったです。
ウォンも、こんなふうに死ぬ為に
村雲に協力していたわけではないでしょうが、
最後まで、彼と、別れた奥さんを心配していて
人の好さを全開に出していて、とてもせつなかったです。
村雲も、以前に切った他の関係者との対応と比べると
必死さが全然違いましたので、
いかにこの二人が信頼し合っていたかが
よく分かりました。

このリチウム工場の爆破事故では、
当初の時間を過ぎても連絡が入らない＆
ネットでもテレビでも
爆発事故を報じるニュースが流れなかったので、
私も「もしや」と思いました。
それと、川島歌織さん（麻生久美子さん）が
神妙な顔でこの事故のニュースを見ていたのが
強く印象に残りました。
この時の彼女は、このニュースを見て
「よし！」と思えるほど悪人でないし、
村雲を咎めるほど善人でもない感じがして、
むちゃくちゃリアルだなぁと思いました。

そして後者──銀行口座の名義変更。
川島歌織が赤ん坊を抱えて
外に出ようとしていたのはともかく、
彼女がカートをゴロゴロ引いていて、
いかにも「これから逃げます」風だったので、
彼女を一度は引き止めたものの、
そのまま外に出させてしまった檜山基一に対して
私は「えええ」と思いましたww



さて、春馬草輔。
今回の彼にも様々な事件がありました。
まずは、なんといっても
娘・春馬鈴子（水野絵梨奈さん）が背負い込んだ高額の借金。
あの領収書……請求書？精算書？明細書？の額には
私も見た瞬間にギョッとしてしまいました。
思わず、人差し指で「一、十、百、千、万……」とやり、
桁を数えてしまいました。
株ですから、一瞬の判断のあやまちで
地獄にたたき落とされる事は決して珍しくないですが、
いやぁ、凄かった。
マイナスは、三千万円を軽く超してましたね。
（録画で確認したら、33,974,240円でした）
私は思わず
「土地付き一戸建てをカードで買ったら
こんな明細がカード会社から来るのかな」と
思ってしまいました。
ちょっと火遊びした代償としては高過ぎる額ですよ。
これ、次回の最終回で
村雲が詫びとして肩代わりしてくれたらいいのにww

でも、これがきっかけになって、
鈴子も春馬に対してちゃんと心を開いたようで、
奥さんが亡くなる前より二人が仲良くなれたのは
不幸中の幸いだなぁと思いました。
旅館で、布団に入った状態で
この親子が手を繋ぐシーンは、むちゃくちゃ良かったなぁ。
その後に訪れた神社（お寺？）で、
「お母さんは最後の瞬間に何を思ったんだろう」との質問の答えとして、
二人がそれぞれ
「鈴子が一緒じゃなくて良かった」
「お父さんが一緒じゃなくて良かった」と答えたのも
大変良かったです。
ここは、ホロリと泣きそうになるほど感動しました。

そして、以前の回で
「あなたにはこの世界を憎む権利がある」と
村雲に誘われた春馬が、
今回、自分は彼とは違うとして、
ニヤッと明るい表情を見せました。
春馬の中では、その理由が、
“俺には鈴子がいる”という事なんですね。
奇しくも、川島歌織が産んだ子供は
村雲の血を引いているという事で、
彼は前回から人の親になったわけですが、
春馬が鈴子の存在によって立ち直ることができたように、
村雲も、その子によって
世の中への復讐や恨む事を止めるようになればいいなと
思います。
そしてできれば、
この世もそんなに悪くないというところまで
前向きになってほしいです。



村雲の過去回想のシーンは、見ていてきつかったです。
身代金を檜山正道（中村嘉葎雄さん）から
思い通りに奪えなかった犯人が
逆上して、村雲の腕を切り落としたんですね……orz
そりゃ、村雲が
自分は彼に捨てられたと思うようになるのも無理はないと
思いました。
その誘拐事件で、村雲は人生を大きく狂わされたんだなぁ。
檜山の息子（というか腹違いの兄弟）から奪った金は、
彼にしてみれば、
正当に相続できる遺産であり、慰謝料でもあるんだと、
改めて思わされました。



さて、次回予告によると、
村雲も春馬もとんでもない事になりそうですね！
なんだか流血騒動が起きるようで、怖いです。
私は、村雲がこの世に絶望したまま
お話が終わってほしくないので
彼ら二人がその後も生きていくのを絶対的な前提として、
上手く折り合いをつけた最終回になってほしいと思っています。

次回も楽しみです！
終わっちゃうのが惜しいですが……。




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続きの感想も書きました。
【第6回（最終回）：カリブの黒い薔薇】

宜しければ、合わせてどうぞ。