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感想:アニメ「デュラララ!!」第12話「有無相生」*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「デュラララ!!」の感想です。
今回は第12話「有無相生」です。

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以下の記述にはネタバレを含みます。
私は原作の小説を読んでいません。


前回の感想はこちら。
第11話「疾風怒濤」

各回の感想記事のURLは、他作品と合わせて
こちらの一覧記事でまとめています。
アニメ感想一覧:2010年1月 開始作品


────

今回、張間美香自身の説明により、
現在の彼女の首はセルティのものではなく、
プチ整形+化粧によってセルティに似せた物である事が
判明しました。
この辺は、以前から予想していた通りでしたので、
私の中では「やっぱりなぁ」という思いが強く、
驚く事は特にありませんでした。
というより、竜ヶ峰帝人君が
あれだけの人物を集めて騒動を起こしておきながら
その後、実にあっけらかんとしていたので
「おいおい、そんなんでいいの?」という点で
驚きました。
まぁ、こちら“デュラララ!!”は、
主要人物の中で、まともな神経をしている人が
一人もいない世界っぽいので
一番まともそうに思えた帝人君でさえ
普通でないのでしょうが。
(常識で考えれば普通でない部分を持つ帝人君が
普通に思えてしまうほど
全体的に歪んでいる世界なんだとも思えます)



さて今回は、2クール放送の折り返し地点で、
前半の最後の放送だったわけですが……
前回の池袋の大騒動のまとめ
+これからの下地作りという内容だったからか、
最初から最後まで、
キャラクターの台詞による説明で終わってしまいました。

こちらの作品が、
その回の視点を持つ主要人物のモノローグで始まり、
彼もしくは彼女が語る話として綴る形式であるのは
分かっていますが、
今回はもう、それしかなかったので
お話がいつも以上に、非常に単調になっていました。
1クール目の最後の放送だから、
いかにも“まとめ”らしいのが良いという見方も
できなくもないですが、
他の回も合わせて振り返ってみると、やはり、
このモノローグでお話を進める手法は
“デュラララ!!”には合ってない気がします。
結局、各キャラクターに
“実は××”という裏設定がある事から、
その秘密を明かせる回が来るまでは、
モノローグの担当キャラは、台詞を喋りながらも
彼が抱える秘密を明かす事はありませんので、
モノローグでお話を進める意味が無いんです。
(モノローグはキャラクターの心の言葉なので、
基本的に嘘を吐きません。
なので、誰かがモノローグで呟く時は、
本音や真実を言うか言わないかの二択しかないのですが
こちらの作品は、
話すべき時がくるまでは話さないのを基本としているようです)

たとえば、これまで登場したキャラクターの中で
一番、表と裏の顔(言葉)が違うらしい紀田正臣君。
彼が、笑いながら他愛のない事を喋っている最中に、
モノローグで本音を言う(秘密を明かす)手法なら、
モノローグの重要性が高まり、
そこでモノローグを使う必要性も高くなりますが、
表でも言わない/裏(モノローグ)でも言わないとなると、
無理にモノローグでお話を進める必要はなくなります。
それより、上記にも書きましたように、
モノローグで進めると、
どうしても説明調になり、単調にもなるマイナス点が出ます。
モノローグ無しのシーンを際立たせる為に
(お話にメリハリをつける為に)
敢えて使う手もありますが
今回のように、最初からずっと説明ばかりだと
それほど興味のない視聴者は、耳が疲れる上に飽きます。
しかも、リアルタイムで見れば真夜中の放送ですので、
もしかしたら、いつも以上に眠いと感じた視聴者が
多かったかもしれません。
(折原臨也が語った神話も、
作品の中では重要とされるものなのでしょうが、
どうでもいいと思えた視聴者は決して少なくないと思います)



Bパートの折原臨也ワンマンショーも何なんだか……。
なんていうか、今回は総じて、
本当はここでもっと盛り上がれるはずなのが見えていたのに、
実際にその回を迎えてみたら全然盛り上がれなくて
「あれ〜??」と首を傾げている状態でした。
遠くにある高い山に近づいて登ってみたら、
実は全然高くないと分かり、
改めて、間近にある下界を見て苦笑している
……とでも言う感じです。
せっかく、この“デュラララ!!”の世界を楽しめつつあったのに
ここに来て、ちょっと肩すかしを食らった気分です。

ううん……何なんだろうなぁ。
私自身もまだ整理がついてなくて、
感情を表わす言葉が見つからなくてもどかしいのですが、
やっぱり、前回の帝人君の行動を痛いと感じて
好きになれなかったのが
理由として一番大きいのかもしれません。
前回の感想は、まだ中途半端な状況で放ってあるので
(原稿中だったので、あれこれ考える時間がなかった)
後で補足しますけれども、
矢霧誠二のお姉さんが痛かったのと同じくらい、
私には彼が痛々しく見えました。
彼をヒーローだと思えなかったので、
物語からいきなり振り落とされた気分に
なっているのかもしれません。



そうそう、帝人君が張間美香に対して
「矢霧誠二を助けたから、あなたはストーカーではない」
と言いましたけれど、私は、
それはそれ、これはこれだと思います。
以前にも、帝人君の台詞に対して違和感を持ち
「そうじゃないでしょ」と共感できない部分がありましたので
キャラクターに同意できない点が
不快感としてあるのかもしれません。

それに、もし矢霧誠二を亡くしたら
一番困るのは張間美香(と、彼のお姉さん)ですしね……。
ぶっちゃけ、張間美香は、
矢霧誠二から「お前を愛してやるから死んでこい」と言われたら
本当に自殺を図りそうなキャラクターですし、
彼の存命に、彼女の欲が全く関わらないという事は
まずあり得ないので、
帝人君の意見に対して全て賛同する事はできませんでした。



次回からはいよいよ2クール目で、
また別のお話で面白くなりそうなので、そちらに期待します。
黄色い布を身にまとった不良(笑)がいたり、
紀田正臣君が出ていたりしましたので、
彼の過去やこれからがメインで描かれるのでしょうか。
とりあえず楽しみにしています。



(追記)
書くのを忘れていた事があったので、少し追記します。

まず、過去の張間美香。
怖い怖い怖い怖い!!
毎日こんな感じで張間美香にストーカーをされていたら
殺意を抱くのも当然かもしれません……。
(矢霧誠二の場合は、セルティの首以外は興味が無いでしょうから
張間美香を傷付けたのは
それを見られてしまった事からくる勢いでしたが)

そして張間美香は、
ストーキングの対象である矢霧誠二ですら
正確には彼女の心にはいなかったけれど
顔を変え、自分を捨ててまで彼の傍にいる事を望んだのを思うと、
彼女自身もいない
──つまり彼女の中には
“矢霧誠二を愛する私”“矢霧誠二から愛される私”という
虚構しかなかったんだなぁと思えます。
しかし、それが転じて
彼と本当のカップルちゃんになったんですから凄いです。

ただ、そんな張間美香を受け入れる事にした矢霧誠二の心境は
セルティの首を失った事からくる妥協のようにも思えました。
まぁ、妖精の首に固執するより
人間の女の子と恋愛を楽しむ方がよほど建設的なので
これはこれで、一つの“めでたしめでたし”なのでしょうが
(学校にも来るようになったし)
「なんだかな」と苦笑&失笑してしまうのは避けられませんでした。

また、結局、最愛の弟を張間美香に奪われたお姉さんは
身から出た錆というか、自業自得というか……。
弟が、対外的にはともかく、
少なくとも彼自身は幸せを満喫しているのを思うと
彼女が哀れでなりませんでした。

そして、ストーカー時代の張間美香が怖過ぎて、
なんで園原杏里ちゃんが依存していたかが
分からなくなりましたww
あの積極性がうらやましかったのでしょうか。








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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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続きの感想も書きました。
第13話「急転直下」

宜しければ、合わせてどうぞ。


2010-03-27 23:26  nice!(0)  コメント(0) 
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