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感想@ドラマ「Love Story」第5話:近づきたいよ*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

TBS日曜劇場ドラマ
「Love Story(ラブストーリー)」の感想です。
再放送で視聴しています。
今回は第5話「近づきたいよ」です。
以下の記述にはネタバレを含みます。

前回の感想はこちら。
第4話「思わぬ展開」

各回の感想記事のURLは、他作品と合わせて
こちらの一覧記事(インデックス)まとめています。
テレビドラマ感想一覧:再放送 視聴


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私は、今回のお話が駄目でした。
本当に駄目でした。
もう美咲さん(中山美穂さん)の行動が
わけ分からなくて
「信じられない」と憤慨してしまいました。
それは勿論、前半のメインである
永瀬康(豊川悦司さん)の新作の原稿を
事もあろうに、
ライバル出版社の編集者に譲ってしまうエピソードです。

制作側はこのエピソードでもって、
美咲さんを、他人を疑わない心優しい女性として
描きたかったのでしょう。
しかし、作中でも責められていたように、
私は彼女が編集者失格であると思います。
プロ意識に欠けてますよね。
仕事をなめてるとしか言い様がありません……。

美咲さんがライバル会社の編集者に騙されたと気付いた後、
昼間の公園で、永瀬康が美咲さんを励ます事で、
人を信じるか否か云々の話に変わっていましたけれど、
そもそも、この問題の根本は
彼女に編集者としての自覚があったか否かですよね。
前々回の“重い恋愛=純粋”もそうでしたが、
永瀬康に、物語の主題となりそうな大事な事を言わせる割に、
実例となるはずの美咲さんの行動が常識はずれというか、
その例としてちゃんとなってないので、
永瀬康の台詞だけが説教臭く浮いてしまっています。

永瀬康のマンションの部屋にて、
美咲さんが騙された事に気付き、
「なんで言ってくれなかったのか」と彼を感情的に責めますが、
自分の失敗を棚にあげて
止めなかった作家や相手の編集者を責めるのはお門違いです。
(勿論、騙す人間が一番悪いのだけれど、
情に流されて原稿を渡してしまった美咲さんにも非はある)
美咲さんは被害者ぶっていたけれど
こうなるまで、原稿を貰う事の大事さをよく分かっておらず、
一時の感情に流されて好き勝手に行動するのは
編集者として本当に失格です。
私は出版者で働いていた事があるので、
この手の話は、たとえ架空のものでも
むちゃくちゃ気分が悪くなります。
美咲さんが出版者の社長で、
編集も営業も全部自分一人でやっているならまだしも、
いち社員(しかも契約)でこれってあり得ないです。
これでよくクビが飛ばなかったなぁ……と、
ドラマの都合の良さにも呆れてしまいます。

それと、上記の件で美咲さんを責めた上司が
「君は自分の気持ちを大事にし過ぎる」
「君は何様のつもりだ」と言っていました。
まったくもってその通りだと思います。
美咲さんが、会社の上司や永瀬康に向かって自嘲気味に言う
「君(美咲自身)の話は聞いてない……ですよね」の台詞にしても、
元は、美咲さんが、
誰彼構わずに「私が」「私が」と
自分の話ばかりをしてきたせいですよね。
以前の感想記事でも書きましたように、
こちらのドラマは、
美咲さんを“重い女(相手を愛し過ぎる女)”として描いていますが
こういうエピソードを見るのを重ねる度に、
彼女の気持ちは、相手のみでなく
彼女自身にも強く向かっているよなぁと強く感じます。
とにかく、自己愛が強過ぎです。



後半の、永瀬康の原稿の一部が紛失された件も
何なんだか……。
まず、原稿を無くした張本人がヘラヘラしているのが
あり得ません。
これ、全国の編集者に喧嘩を売ってる描写だと思います。
私でさえ、見ていて非常に不愉快でした。
現実でこんな人はまずいません。

そして、おかしな美咲さんの行動。
大好きな作家・永瀬康の為に
美咲さんが必死になる姿を描きたかったのでしょうが
・近所の学校で原稿を探すのに、何故か校内放送を使わない
・やっと原稿を見つけたのに、何故か作家に連絡を入れない&返さない
この2点が特に変でした。
後者は本当に、見ていて目が点になりました。
永瀬康には、更に良いものを書けた可能性だってあったでしょうが、
だとしても、見つけた原稿を美咲さんが彼に渡さないどころか、
見つかったと知らせる事さえしなかったのは
どう考えてもおかしいです。
普通は、原稿があったと知らせる&作家に返した上で、
もっと良いものが彼に書けそうだったら
そちらに差し換えするものじゃないでしょうか。
私が永瀬康だったら、
自分が外に出るまで原稿を返さなかった
(見つかったと知らせなかった)編集者が
近所の公園でぼーっとしているのを見たら、
「あなた、何やってんの」って怒鳴ったと思います。
もしかしたら、顔をグ−で殴っちゃうかもしれないww

だって……一度書いた話とはいえ、
また新たに(しかも途中の部分を埋める為に)書くのって
物凄い労力を強いられるんですよ。
しかも、締めきりが迫っているので
精神的にも相当追い詰められているでしょうし……。
何より、原稿を無くされたのがショックでしょうし。
このエピソード、
スタッフの誰からも異論は出なかったんでしょうか。
これでGOサインを出した脚本家・演出家・監督の気持ちが
私には全く分かりませんでした。

この公園でのシーンは、
永瀬康が原稿を仕上げるのを
美咲さんがひとりでじっと待つ行動に意味があるはずです。
永瀬康が彼女のけなげさ&熱い思いを感じた事によって
彼女を抱擁するわけですから。
もし、美咲さんが「見つけた!」と言って原稿を渡してしまうと、
その嬉しさ&安堵から
永瀬康は勢いで彼女を抱き締めてしまうかもしれません。
“突然の抱擁”という点で、この二つは同じですが、
意味合いは全く違います。
よって、制作側が狙う意味合いでの抱擁シーンを作る下準備の為に、
この不可解な待機エピソードが作られたんだと思いますが
本末転倒だと思います。






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続きの感想も書きました。
第6話「まさかのキス」

宜しければ、合わせてどうぞ。


2010-02-18 04:01  nice!(0)  コメント(0) 
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