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感想:映画「ハッピーフライト」*ネタバレあり [映画・舞台]

映画「ハッピーフライト」の感想です。
テレビで視聴しました。
以下の記述にはネタバレを含みます。


────

実は、劇場公開時に「見ようかな」と気にしていた作品でした。
というのも、メインキャストさんが
私の好きな役者さんばかりだからです。

・田辺誠一
・時任三郎
・綾瀬はるか
・吹石一恵
・寺島しのぶ
・田畑智子

敬称を略してしまって失礼しました。
でも、皆さん本当に大好きです。
気軽に見られるテレビドラマなら
「あぁ、この人が出てるなら見ようかな」という
私にとって視聴のきっかけになる役者さん達です。

でも、なんで見に行かなかったかというと、
監督・脚本が矢口史靖さんだったからです。
ファンの人にはすみませんが
私は、矢口監督の作品が総じてあまり好きではありません。
ちょこちょこと面白いシーンはあるんですが、
見た後で振り返ってみると、必ず、
予想していたより面白くないと感じられるというか
高揚感があまり得られないというか、
“テレビで運良く見られれば充分”程度だと思っています。
……まぁ、矢口監督の作品と言えば
フジテレビの猛プッシュがあって、
CMが流れる量も半端でないので、
私が過剰に期待し過ぎる点が問題なのかもしれません。



飛行機ものの作品となると、フライト中に
ハイジャックか機体トラブルが起こるのが定番です。
寧ろ、起こらないとお話にならないので、
ここは良いのですが、
見終えて「爽快感が足りないなぁ」と思いました。
墜落するかもしれない危険を乗りこえた上での
無事の着陸シーンがあるので
「なんでそう思うんだろう」と
自分でも首を傾げたのですが、
すぐに答えを見つけられました。
それは、やはり、
“飛行機に目的地に着かなかったから”です。

通常、こういう作品の場合、
苦難をみんなで乗りこえて大団円&目的達成というのが
お約束ですが、
このお話の場合、3時間も掛けて日本に戻っています。
だったら最初から、たとえば
滞空時間の長い沖縄〜新千歳のフライトにでもすれば
上手い具合に、目的地への着陸で一騒動が起こせたと思います。
でも、そのようにしなかったのは
・国内線より華やかな国際線を描きたい
・国際線でないと食事関連のエピソードが描けない
からで。
全面協力のANAとしては、
「こういうトラブルがあったら
いくらお客様のご要望があっても、安全を第一に重視して、
毅然とした態度を取って日本に戻りますよ(キリッ」
という、良い子の姿勢も見せられますので
これはこれで美味しいんですよね。
普通のトラブルよりも、企業イメージがアップしますので。

こういう細かなこだわり(笑)を重視したせいで、
お話の根本が面白くなくなっちゃったなぁというのが
まず最初に頭に浮かんだ感想でした。



また、
・食中毒を避ける為にパイロットは別の料理を食べる
・整備士が工具を無くしたら、見つかるまで総動員で探索
……というような豆知識が
わざとらしく入っているのも気になりました。
なんていうか、こういうのを小ネタで入れるのは、
それを知らない視聴者に対して親切だと思うので、良いのですが、
もうちょっとスマートに入れてほしいなぁと思いました。

もしかしたら矢口監督は、
彼が手掛けてきた他の作品のように
「これ一本を見れば航空業界の裏が分かる!初心者編」的な
要素も含んだ映像を
撮りたかったのかもしれません。
でも、上記の通り、わざとらしいのが鼻につくのと、
細かくきちんと見ていくとツッコミどころが多い
(実際はこうじゃないよね的な)のが気になりました。



それと、しみじみと思ったのが
「この飛行機には乗りたくないww」こと。
普通、この手の作品は
酷いトラブルがあっても、それを凌駕するような
素敵で感動的な出来事があるのですが
この作品ではとてもそうは思えませんでした。
乗る前に、自分が身を預けるのがこの飛行機だと分かったら
絶対にキャンセルしますww
まぁ、他の作品とは方向性が違うを個性と称するならば
これはこれでありなのでしょうが、
今回はそれが褒め言葉にはならないと思います。



役者さんは、総じて良かったと思います。
ここ数年の田辺誠一さんは
実年齢もあってか、落ち着いている役がつく事が多いので、
こういう若輩者の役は珍しいなぁと思いました。
それを監督するのが時任三郎さんというのも渋かったです。
ほんの少しの出演でしたが、
田辺さんがなめまくってた教官パイロット(風邪引き)が
小日向文世さんというのも、ぴったりだったと思います。

個人的には、ケーキのエピソード以外で、
綾瀬はるかさんと吹石恵さんのコンビが協力するシーンを
見たかったです。
最初、吹石さんがつんけんしていたのが面白かったので
もっと明確に
──しかも二人だけで、心を合わせて頑張るシーンが
欲しかったです。
チーフパ−サー役の寺島しのぶさんも素敵でした。

田畑智子さんが演じられたグランドさんは……
あれ、一人があんなに多岐に渡って
仕事をする事はないですよね?
実際の現場では
担当がもっと細かく分かれてるはずだろうと思いました。
でも、最後、残業を終えた彼女が、
待ち合わせ場所であるレストランに行くと、
例の男の人の姿はなくて、
ふて腐れ&落ち込んでいたら、実は──という展開は
とても良かったと思います。
しかも、はっきりと描かないのも大変良かったです。
(ぼんやりと、その人&目印になるスーツケースが見える)



ただ、私、劇場公開時によく流れていたCMを
ぼんやりと覚えているのですが
(なので、映画を見ていても、
「あ、ここがCMに使われたのか」と分かった)
CMでは、綾瀬はるかさん達三人のCAがメインで映ってたので、
実際の映画では、田辺さんが一応主役である事に
ちょっと驚きました。
(こちらは、主役だけが目立つ作品でなく、
航空業界の現場で働く人々の群像劇なのでしょうが)



でも、これ、限定版のDVDを「ビジネスクラス〜」と謳っているのは
上手いと思いましたww




────

感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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2010-01-31 22:56  nice!(1)  コメント(0) 
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