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感想:ブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」*ネタバレあり [映画・舞台]

現在、東京・日生劇場で公演中の
ブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」を観てきました。
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脚本:ジョー・マステロフ
作曲:ジョン・カンダー
作詞:フレッド・エブ
修辞・訳詞・演出:小池修一郎

サリー・ボウルズ(キットカットクラブの歌姫):藤原紀香
Emcee(キットカットクラブの司会者):諸星和己
クリフォード・ブラッドショー(放浪のアメリカ人作家):阿部力
シュナイダー夫人:杜けあき
コスト:高嶺ふぶき
エルンスト:戸井勝海
シュルツ:木場勝己

以下の記述にはネタバレを含みます。


────

今回はチケットを頂いて観劇しました──が、
キャストさんに興味がないと
S席(12600円)を出すのはキツいなぁと思いました。

私は、前知識無しで観にいきました。
テレビで見たCMでは、
サリー役の藤原紀香さんの色っぽい姿ばかりが
やたらと強調されていたので、
私は彼女が主役かと思っていたのですが、
ストーリー上は、サリーでなく、
一応、阿部力さん演じるクリフ(クリフォード)なんですね。
(それでも、こちらが
藤原さんの為の“キャバレー”である事は変わりませんが)

そして、ショーがメインかと思いきや、
シリアスなお話もちゃんとあったのが意外でした。
でも、ただで観ておいてこう言うのも何ですが、
お話そのものは、あまり面白くなかったです。
まぁ、ミュージカルで中身がある演目を探す方が大変なので、
そういう意味では、こちらだけが特別という事はありませんが……。
ラストも、私好みではありませんでした。



ショーも、失礼ながら
メインの藤原紀香さんが、唄えないし踊れない人なので、
観ていてちょっと可哀相になりました。
いや、どう見ても脇役やその他大勢の方が踊れているので、
視線がついつい彼女以外に向いちゃうんですよ。
ぶっちゃけ、藤原さんが、
こういう個人の能力(唄や踊り)が問われる舞台に出るのは
荷が重いと思います。
まぁ、演技についても、テレビドラマで見た時と同じように、
主役を張ってはいるけれども達者じゃないと思えましたが……。
緊張のせいなのか、表情が硬かったです。

唄もダンスも、基礎が出来てないのに
付け焼き刃でとりあえず仕上げてみた感がありありでした。
特にダンスは、役者さんを問わず、
ずっとやってきたか否かで身体のキレが全然違いますから、
モデル上がりの女優さんである藤原さんがこなすのは
大変でしょう。
でも、お金を取って人に見せているわけですから、
できない事に対する言い訳はできませんよね。

ただ、藤原さんが誇る脚線美は、さすがにきれいでした。
本当にナイスバディでした。
もっと見たかった!
テレビで最近の藤原さんを見た時は、
「ん? ちょっと太った?」と思ったけれど、
舞台で生で見ると、あの肉感さが艶っぽくてたまらなかったです。
だから、こんな事を言うと失礼ですが、
藤原さんは色っぽい衣裳で
ステージ上で立ってるだけで良かったです。



Emcee役の諸星和己さん……と言えば、
元光GENJIでローラースケートの方なのですが、
この舞台でも、諸星さんがローラースケートを履くシーンがあって
めちゃくちゃびっくりしました。
「え? やるの? 本当に?」と、ギョッとしました。
この瞬間から、諸星さんがスケーティングを見せた部分が、
この「キャバレー」で客席が一つになったシーンだと思いますw
勿論、これを既に知っていたのか
「あぁ、やっぱりね」と静観されていたお客さんも
決して少なくなかったですが、
私が見た回では、驚いた人の方が圧倒的に多かったと思います。
この件が帰り際の話題にもなっていましたし。

役柄としては、このEmceeが一番オイシイと思います。
言わばイロモノの役で、
見せ場が多いし、印象的なので、
彼が舞台に出ていると、目が自然に彼に向きます。
諸星さんもそつなくこなしていたのではないでしょうか。
唄は、正直、あまり上手くなかったけれど、
それでも頑張っている気持ち
(下手なりに精一杯唄おうという姿勢)が
よく伝わってきましたので、
私は好印象を持てました。
というか、私はテレビで
不遜な感じで出演していた諸星さんしか知らないので、
舞台人としての彼を見たのはこれが初めてだったのですが、
なかなか頑張ってるなぁと思えました。
それに、Emceeの設定が諸星さんに重なる部分があるので、
このキャスティングも上手いなと思いました。

とはいえ、Emceeという役は
キャラクター性が濃いからこそ
よほど外さなければ誰でも当たる役であるのは否めないので、
諸星さんが、普通のごくごく一般的な人物を演じた時に、
(それこそ、今回のクリフのような地味な役)
役者としての評価はどうなのかなと思いました。
それと、見て楽しんでおいて何ですが、
彼個人の今後を思うと、やはり、
ローラースケートのサービスシーンは要らなかったと思います。
確かにびっくりしたし、楽しめたし、盛り上がったけれど、
いつまでも“諸星和己=ローラースケート”ではないでしょう。
自虐的にこのネタを扱うのも含めて、
何となく悲しいなぁと思えましたので。

ただ、この公演、
藤原さんのプライベートな恋愛話を宣伝に使ったり……と、
“宣伝に使えるものなら何でも利用する”感があるので、
諸星さんのローラースケートも、
そういう感じで利用されたのかなと思えなくもないです。
(後から知った事ですが、このローラースケートについても、
事前に「履くよ」と情報が流されていたようなので)



阿部力さん演じるクリフは、これまたすみませんが、
私には魅力ある男には思えませんでした。
なんか、冴えない印象が最後まで拭えなかったです。
舞台での存在感も薄かったような……。
もしかしたら、阿部さんは力量がある人なのかもしれないけれど、
この舞台では勿体ない事になっていました。



見終わった後、
「全体的に、宝塚の公演を普通の役者さんで演じたような作品だな」と
思っていたら、
演出の小池修一郎さんは、宝塚に関わっている人なんですね。
帰宅した後、お名前をネットで調べてみて、
自分の無知さに笑ってしまいました。



諸星和己さんのファンなら、きっと楽しめる内容だと思います。
また、上記でも書いていますように、
藤原紀香さんの豊満なバディには一見の価値がありますが、
失礼ながら、それだけなので、
あまり期待をしないで見ない方が良いかもしれません。



それと、これは私の感想ではないのですが、
特設の“キャバレーシート”に座った友人曰く
「お尻と背中が痛くて
二幕の後半からは舞台を見るどころじゃなかった」そうなので、
これからその席で観劇予定の方は
気を付けた方が良いかもしれませんw



────

感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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2010-01-14 19:12  nice!(0)  コメント(2) 
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M-nT

「キャバレー 感想」と検索をし、初めてこのブログに訪問させていただきました。
私もこの舞台を観にいったのですが、…まったく同感の感想です。
ほかのサイトの口コミを見ると、絶賛されるよう書いてあったので、ちょっと焦っていました。
確かにこの舞台は周りが固めていたなぁという印象です。主演陣の基礎力のなさにちょっと残念です。私は途中で寝てしまうほどでした。
by M-nT (2010-01-20 23:18) 

さくら

■M-nTさま
初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。
アンサンブルも含めて、その他の方々はステキでしたよね。

私の周りでも、
結構、寝てらっしゃると思しきお客さんはいました……。
ただ、同じ物を観ても、感想が人それぞれであるように、
こちらの作品を絶賛する方がいるのは当然の事だと
私は思います。
by さくら (2010-01-26 00:38) 

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