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感想:「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」第13〜14話「銀色の夜、心は水面に揺れることなく…前編/後編」*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-(第1期)」の
第13話「銀色の夜、心は水面に揺れることなく…前編」
第14話「銀色の夜、心は水面に揺れることなく…後編」の感想です。
DVDで視聴しました。
以下の感想には、ネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
第11〜12話「壁の中、なくしたものを取り戻すとき…前編/後編」


各話の感想記事のURLは、第2期「流星の双子」と共に
こちらの一覧ページにてまとめています。
アニメ感想一覧:DARKER THAN BLACK


────

今回は、DVDの第5巻に収録されている
「銀色の夜、心は水面に揺れることなく…前編/後編」に対して
感想を記します。




銀(イン)のお話です。

私は、この回を初めて見るまで
“ドール”と呼ばれている存在は
その名の通り、人に作られしものかと思っていたのですが、
ドールも契約者と同様に、元は人間だったんですね。
銀(イン)もジュライも、
あまりにも人形人形しているので、
この事実は、当時の私にとって意外でした。
よく考えてみれば、第1〜2話のドール・篠田千晶も
食事をしていましたから
そういう可能性はあったわけですが……。
(また、順々に見ていっていますので、この後に知りましたが、
第13話で登場した中澤組のドールに対して、
一橋が「排泄の世話」云々と言っていますしね)



契約者もドールも、そうなった時に感情を失う点では同じですが、
何をもってして、どちらになるのかが変わるのでしょうか。
作中でそれなりの数が登場している契約者の事さえ
よく分からない事が多い世界なので、
登場した絶対数が少ないドールについては
更に分からないのですが、
強烈な自我を持つのが契約者である一方で、
自我を失っているのがドールなので、
この辺(人の心理状態)に鍵があるのでしょうか。

銀(イン)がどうしてドールになったのかについては
この二つのお話を見ても、断定的な事は分かりませんが、
母親の死が深く関係しているらしいとは察しが付きます。
(というか、他にそれらしいエピソードが全くないので
いち視聴者である私としては、
無理にでも、そこに繋げていくしかないんです)
銀(イン)が殺したわけではないとはいえ、
彼女が、自分のせいで大好きな母親が死んだと思い、絶望して、
一切の感情を失った=ドールになったのかなと思えました。
また、今回は登場しませんが、
DTBでは2期でも大活躍したジュライも、
もしかしたら銀(イン)のように
子供の弱い精神では支えきれないほど
酷いショックを受ける事があって、
“生きる屍”化してしまったのかなと思いました。

でも、こう考えてみると、数々の事件を経て、
銀(イン)もジュライも、ごくたまにですが
人間らしい感情の動きを見せていたので
彼らがドールである状態は変わらないけれど、
もはや普通のドールではないのかもしれません。
感情を持つ契約者の存在同様、
イレギュラーな存在は絶対にゼロではなくて、
契約者やドールの定義も、常に一定でないのかなと思いました。
(たとえば、未だ作中ではそうではありませんが、
そのうち、感情がある契約者が物珍しくなくなるかもしれません)



今回は、ドールの話であり、親と子の話でもあります。
不幸な事故がなければ、
もしかしたら義理の父娘になったかもしれなかった
エーリス・カスティネンとキルシー(銀/イン)の話、
そして、銀(イン)を追う契約者・ベルタの話です。

まずは前者。
カスティネンは本当に本当に
アンニとキルシーを心から愛していたんでしょうね。
特にアンニへの思いは、まだ表に出す事すらありませんでしたが、
あの暗闇の一瞬で、自分達の心が愛で繋がっていると
お互いに(しかもキルシーも)気付きましたね。
また、どうしようもなかったとはいえ、そのせいで、
結果的にアンニが亡くなり、
キルシーは心に深手を負ったわけですが……
勿論、カスティネンの中に、
アンニの死に対する責任感もあったでしょうが、
それだけでは、演奏旅行のついでとはいえ、
あそこまで一生懸命になってキルシーを探す事はないと思います。
アンニと同様にキルシーを愛していて、
……また、最愛のアンニを失ったからこそ、
せめてキルシーだけはという思いが強くあったんでしょうね。

そして後者。
ベルタの場合は、話を聞くだけでもう辛いです。
以前の感想でも、私は、
人間が契約者化した際の能力と対価が、
そうなる前の自身の生活や環境に深く関わる事を挙げましたが、
今回登場したベルタの対価は、まさにそれでした。
無理に飲み込む物は何でも良いのに、
敢えて、愛する子供の命を奪った煙草に固執するなんて、
それでは死ねない彼女自身の現状も相まって
本当に辛い話だと思いました。



懐かしい人(カスティネン)に会っても
銀(イン)が自我を持たないドールである事は変わらず、
人から命令されないと動けない彼女ですが、
黒(ヘイ)達と共に生きる事を望んだのは、
彼女の意志ですよね。
尤も、ここで
銀(イン)がカスティネンについて行くと決めたところで、
組織に消されてしまうのは必須で、
また、彼女は第1部のヒロインですから、
ここで退場するわけがないので
これは当然の流れなのですが、
見ていて嬉しかったです。
黒(ヘイ)と銀(イン)の繋がりを
ちゃんと感じられたように思えたシーンだったので。

いつでも良いので、
黒(ヘイ)が望遠鏡を覗く時に、
後ろで銀(イン)がピアノを演奏するようなシーンを
見てみたいです。






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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの感想も書きました。
第15〜16話「裏切りの記憶は、琥珀色の微笑み…前編/後編」

宜しければ、合わせてどうぞ。


2010-01-07 22:17  nice!(0)  コメント(1) 
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コメント 1

ポン太

この第14話は、darker than brack のなかでも、特に秀逸なepisode です。過ぎてしまってもう二度と戻せない過去。あっというまに転落してしまう人生。終わってしまってみればむしろ今の落ちぶれた環境こそが本来の姿だったのではないか、とさえ思える「人の一生」・・・。そういったものを端的に、しかも如実に象徴出来てる一話だと思います。過去が今一度再現され、そして過去への決別をしいられ、そして決別とともに、現在の肯定と継続を選択したイン・・・。失われたはずの銀の光によって、死の狙撃をのがれ、再び彼女の日常であるたばこ屋での鎮座生活にかえる一幕・・・。実に秀逸でした。
by ポン太 (2019-03-24 02:10) 

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