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感想:宝塚歌劇 月組公演「ラストプレイ−祈りのように−/ Heat on Beat!(ヒート オン ビート)」*ネタバレあり [映画・舞台]

宝塚歌劇 月組公演「ラストプレイ−祈りのように−」と
ショー「Heat on Beat!(ヒート オン ビート)」の感想です。
月組トップ・瀬奈じゅんさんの退団公演です。
東京宝塚劇場で観劇しました。
以下の記事にはネタバレがあります。


私は、宝塚観劇については初心者である上に、
今回は、観劇した日から日数が少し経っているので
うろ覚えな部分もあります。
もしかしたら、記述に間違いなどがあるかもしれません。
もし見つけて下さった方は、
サイドバーのメールフォームか、当記事のコメント欄から
お教え頂ければ助かります。
ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。


********

ミュージカル・ロマン「ラスト プレイ」−祈りのように−
作・演出:正塚晴彦
アリステア:瀬奈じゅん
ムーア:霧矢大夢
グラハム:未沙のえる(専科)
ジークムント:遼河はるひ
エスメラルダ:城咲あい
ヘレナ:羽桜しずく

ファンタスティック・ショー「Heat on Beat!(ヒート オン ビート)」
作・演出/三木章雄



────

のっけから失礼な事を書いてしまって恐縮ですが
私は月組に対する興味があまりなく、
今回の公演もスルーするつもりでした。
こちらが、トップの瀬奈じゅんさんの退団公演である&
お顔が好きだった羽桜しずくさんもご一緒に退団されるとの事で、
観劇してきました。
現在の月組を見るのは、この観劇が初めてで、
組子さんのお顔とお名前が全く一致しない状態でした。
お気に入りのしずくさんに対しても、
ネットでお写真をちらっと見て
「かわいらしいお顔だな」と思っていた程度です。

また、これは個人的な見解なのですが、
相手役を固定しないのは(娘役トップが不在)
その組の娘役さんにとって、精神的に宜しくないよなぁと
思っていたので、
(気持ちが腐り、やる気が削がれる事もあるのではないかと)
瀬奈じゅんさんに対して、失礼ながら、
あまり良いイメージを持っていませんでした。
勿論、これまでにも宝塚では、
娘役トップさんが不在だった時期はありましたし、
瀬奈さんなりの理由があったのだろうとは察しましたが、
娘役さんがかわいそうだと勝手に思う事もありました。

ただ、今回、こちらの「ラスト プレイ」を見て、
「こういうのもアリだなぁ」としみじみと思いました。
というのも、通常の男役トップ&娘役トップのコンビだと
自然に、二人の恋愛要素がメインになるじゃないですか。
この「ラストプレイ」のように、
トップ&男役二番手で男同士の友情が描かれる事も多々ありますが、
どうしても恋愛>>>>友情になるので、
恋愛ものの作品に固執していない私には
連続して宝塚の作品を観ると、
ちょっと飽きる事もあります。
なので、自分でもちょっと意外だったのですが、
娘役不在でもメリットはあるんだと、
こちらの作品で実感しました。



主人公であるピアニスト・アリステアが、
ムーアとの友情に助けられて、
ずっと抱えてきたトラウマから脱却するお話でした。
途中、記憶喪失のエピソードも入るのですが
割と簡単に治ってしまう為、そう暗くもありません。

アリステアは、愛すべきヘタレキャラというか
なさけないところですら格好良かったです。
さすが瀬奈じゅんさんだなぁと思いました。
ただ、こちらの作品が、
アリステアの心情を主にしてお話を進めているので、
モノローグが多い
(言葉に頼る部分が大きい)のが気になりました。
「ここは言葉で語らなくてもいいだろう」と思った場面が
幾つかありました。
ただ、私は、心情を登場人物に台詞で語られて
事実として断定されるよりは、
「このシーンって、きっとこうだよね」と想像する方を
好んでいるので、
過多だったモノローグを煩く思ってしまったのかもしれません。
台詞で心情が語られるという事は
全ての観客に、登場人物の気持ちが正確に伝わるので
(「悲しい」と登場人物が語れば、
観ている客も「あぁ、この人は悲しいんだ」と分かる)
逆に良いのでしょうが、
あまり語られ過ぎるのは、やはり好きではありません。

シリアスなシーンが多かったけれど、
途中までは適度に肩の力が抜けていて良かったです。
また、ギャグシーンも上手く効いていたと思います。
私もつい笑っちゃいました。
ただ、ギャグシーンになると
「さぁ面白い事をこれからやるぞ!」という
鼻息の荒さを感じられたので、
まるで、これからネタを披露する芸人さんのようでした。
私は上記の通り、瀬奈じゅんを全く知らないのですが
普段からサービス旺盛な方なんでしょうか。

また、カジノのシーンでワインレッド色のスーツを
着用されていたと思うのですが、
あの時のアリステアめちゃくちゃ格好良かったなぁ。
見愡れました。
トキメキましたww
多分、私、この時だけ目がハート形になっていたと思いますw
それぐらい格好良かった〜〜!!
この場面での舞台写真が欲しいです。

瀬奈じゅんさんのピアノ演奏シーンは、お上手でした。
本当に弾いているように見えました。

そして、最後のシーンでの笑顔は
観ていてせつなかったです。
この辺は、瀬奈じゅんさんが退団されるという事実と重なって
しんみりとしてしまいました。
私の周りの席でも
鼻を啜りながら泣いている観客が多かったです。



さて、そんなアリステアを支えた親友ムーア。
月組の次期トップの霧矢大夢さんが演じられました。
私は、アリステアよりもムーアが好きだったので、
霧矢さんが出演されていた時は
ひたすら彼女(彼?)を目で追っていたと思います。
そして、唄が上手い!
こちらの公演を観るまで、
私は霧矢さんの唄を耳にした事がなかったので
嬉しくなって、ニタニタしてしまいました。
私は、唄・ダンス・演技の中なら
唄ウマさんが一番好きなので、
こういう人が次期トップさんになってくれるなら嬉しいなと
素直に思えました。
(でも霧矢さんは、「夢の浮橋」の感想でも書きましたが
オールマイティーに何でもできる方ですよね。
踊るお姿にも華があって、とても良かったです)
そして、ムーアと言えばこの名台詞
「聞かせてくれ、俺のために。
そして弾き続けろ──二度と迷わず」
この台詞は大変萌えました。
一番好きな台詞だったなぁ。
聞き終えた瞬間に、うわぁ……と感激が募りました。

ただ、ムーアは、彼の言動に対して
「これって酷くない?」とツッコミを入れたくなったシーンが
いくつかありました。
人間性を疑うとまではいきませんが
「えええ?」と苦笑いをさせられたので、
この辺の脚本は何とかしてほしかったです。



月組ファンの方には周知の事なのかもしれませんが、
城咲あいさんが、いい娘役さんだったので、
私は驚いてしまいました。
すみませんが、
事前にネットで城咲さんのお顔を見た時は
私の好みでないと思えたので
(娘役さんに対する私の好みは、顔→唄→スタイルの順です)
お名前をよく聞くけれど
あんまり好きじゃないなぁ……なんて
失礼な事を思っていましたが、
城咲さんは、役者さんとして舞台映えする方なんですね。
踊りは洒脱でしたし、艶っぽかったし、
声もきれいに通っていたし──で、
もし私が今後も月組を観るようだったら
絶対に城咲さんをチェックしていただろうと思えただけに、
今回での退団が惜しくてたまりません。

羽桜しずくさんは……
熱演されていましたが、
声が何度もひっくり返るのは耳障りでした。
バタバタしている印象が強くて
見ていて疲れる部分もありました。
難しい役所ですが、演技が過剰になっていたとも感じられたので、
もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃないかなぁと思いました。



さて、ショー「Heat on Beat!(ヒート オン ビート)」

格好良かったです。
まさに、「The★瀬奈じゅん ショー」でした。
最初から最後まで格好良かったし、
まさに踊りっぱなしで終わったので、圧倒されました。
裸足で踊るところと、椅子が出てくるところが特に好きです!
瀬奈さんが霧矢さんと踊るところも素敵でした。
黒燕尾サイコー!

ただ、気になったことが一つあります。
これは、昨日テレビで
「Apasionado!!(アパショナード)」のショーを見た時に思ったのですが、
月組は、娘役のトップさんがいないので、
普段のショーからデュエダンがなく、
いつもさよならショーみたいな感じがするんですね。
この辺がちょっと物足りなかったです。

でも、フィナーレは何度も見たくなるほど素敵でしたし、
全体的な構成も素晴らしかったし、
レベルの高いショーだったと思います。



────

感想は以上です。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。

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2009-12-23 23:39  nice!(0)  コメント(0) 
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