感想:映画「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」*ネタバレあり [のだめカンタービレ:感想]
本日(12/19)から公開されました
映画「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」の感想です。
以下の記述にはネタバレを含みます。
私は原作の愛読者です。
のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- メディア: DVD
「のだめカンタービレ」の感想記事のURLは
ジャンル問わず、こちらのページでまとめています。
【感想一覧:のだめカンタービレ】
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私は、原作の愛読者……といっても、
実は、ヨーロッパ編(パリ編)になってからは
漫画雑誌Kissでの連載をチェックしていただけなので、
単行本を所持していません。
(日本編までは買っていました)
初めて読んだ時からそれなりの年月が経っている今では、
結構、うろ覚えな部分が多いです。
それでも、「あった、あった、こんなシーン」と
懐かしく思いながら観ました。
テレビ版もそうだったように、
相変わらずキャスティングが絶妙なのが凄いです。
今回は、どうしようもなく悪い状態に陥っているマルレオケを
千秋が奮闘して再生させる話がメインなのですが
吹き替えも含めて自然に見られました。
続投のメインキャスト陣の魅力も、相変わらず素敵です。
玉木宏さんの千秋はやっぱり格好良い〜〜。
彼のタキシード姿に惚れ惚れしてしまいました。
指揮をする姿も、ちゃんと様になっていました。
演奏については、
やはり映画館で聴くと、自宅テレビとは全く違うので、
生で聴くのと近い迫力を得られました。
失礼を承知の上で言うと、ぶっちゃけ
オケそのもののレベルは
絶賛するほど高くないと感じられるのですが
映画館だと見事に騙されます。
昨日(18日)の夜、関東ではフジテレビにて
のだめスペシャル版の前編が流されていましたが、
裏のNH教育テレビでも、オーケストラ演奏が流されていて
(NHK音楽祭)
チャンネルを交互に替えて聞き比べると、
二つのオケの力量が歴然と分かってしまうという
のだめファンにはかわいそうな事になっていましたが、
映画館ですとそういう事もないので、良かったです。
素直に「千秋、よくここまで頑張ったなぁ」と感心できました。
また、演奏で
千秋にがっちりついていくマルレオケの様子も良かったです。
個人的には、“大序曲1812”年が好きでした
(フランス国歌ラ・マルセイエーズがメロディに含まれている曲です)。
それと、私はバッハの「ピアノ協奏曲第1番」が好きなので、
こちらも聴けて嬉しかったです。
お話については、
最初のうだうだやっている部分よりも、
自分と千秋の差を歴然と感じて、
どんどん追い詰められていくのだめが良かったです。
結局、日本編での最後のコンクールや、
パリスペシャル編でのオクレール先生に
まともな授業をさせてもらえなかった事もそうですが、
のだめの苦しみは、
幼い頃からのトラウマが原因とはいえ、
昔から音楽と真面目に向き合ってこなかったツケなんですよね。
普通なら、そこで諦める(お話が終わる)のだけれど、
のだめに、下手に実力があったから、
感性&技術だけでも何とかなり、先に進めてしまったわけで。
スペシャル編で、のだめがオクレール先生から
「そのくらい弾ける子は君の他にもたくさんいる」と言われて
鼻を折られるシーンは
まさに、のだめの問題点でした。
それから、のだめは考え方を少しずつ変えていき、
長い目で見れば、彼女は着実に前に向かっているのだけれど、
元からとっくに先に行っていて、更に前進を止めない千秋に
のだめが追いつけるはずもなく──という状況では、
つい「ズルい……」との言葉も
のだめの口から出るよなぁと、思いました。
前進する千秋が悪いわけではないし、
それこそ、のだめの留学が決まるきっかけとなった
コンクール参加まで遊んできた彼女にも非があるのですが、
それを棚にあげてああ言っちゃう心境は
よく分かります。
不安そうな表情を見ていたら、
私まで辛くなってきました。
千秋に追い付きたくてたまらないのに、
当の千秋はどんどん先に行っちゃうし、
自分はコンクールにも出られず、停滞してばかりじゃ
(といっても、オクレール先生の指摘は正しいので
これは、のだめの将来を考えたら良い事なのですが)
辛いですよね。
加えて、千秋はアパートを出ていっちゃうし……。
こちらの別居については、
千秋の心情をちゃんと描かなかったのは
続きの後編への前振りにする為だったんでしょうか。
私は原作を読んでいますので、違和感を覚えませんでしたが、
もしかしたら、原作未読の方は
「なんで千秋が出ていくの?」と思ったかもしれません。
全体的に良かったと思える出来でしたが、不満もありました。
変態の森のシーンは
あそこまで丁寧にやらなくても良かったと思います。
あそこはさらっと流して、
その尺を他に回してほしかったです。
それと、これはドラマ版のだめを全否定する感想でしょうが、
上野樹里さんの“のだめ”喋りが、私はやっぱり苦手です。
最初にドラマ版をテレビでリアルタイムで見た時から
「これは過剰だ」と思っていたので
「もっとまともに喋るのだめが良かったなぁ」と
思わずにはいられませんでした。
ただ、この辺は人の好き好きなので、
「全く気にならない」「寧ろ好き」という人には
関係ない感想です。
そういう方が、私には羨ましくてたまりません。
もう一回観たくなりましたので、時間があったら、
安く済むレイトショーやレディースデイを狙って
映画館に行ってみるつもりです。
原作ファン&ドラマファンなら
とても楽しめる作品だと思います。
原作をよく知らないドラマファンなら
更に楽しめる&続きが気になると思います!
そうそう、映画で使用される楽曲については
ある程度、前知識があった方が、
映画を観るのが格段に楽しくなると思います。
ちょっと調べてみたら、
先月下旬に発売されたコミックス“のだめ23巻”DVD付き限定版が
予習にぴったりでしたので、
まだ買えるようでしたら、
こちらをお求めになるのも良いと思います。
(勿論、手間でなければ
それぞれの作品のCDを買ったり借りたりしても良いです)
1.ベートーヴェン交響曲第7番
2.デュカス「魔法使いの弟子」
3.ラヴェル「ボレロ」
4.モーツァルト「トルコ行進曲」
5.ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」
6.モーツァルト「オーボエ協奏曲」
7.サラサーテ「ツィゴイネル・ワイゼン」
8.チャイコフスキー「序曲1812年」
9.バッハ「ピアノ協奏曲第1番」
10.チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」
11.ベートーヴェン交響曲第5番「運命」
12.ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」
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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
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最終楽章 後編の感想も書きました。
【感想:映画「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」】
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2009-12-20 19:32
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コメント(2)
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頷きながら読ましていただきました。
確かにのだめの口調に対しては「苦手だ」とか言う人多いですよね。
私はそんなでもないですが。
でももうちょいさらっとしててもいいかなっては思いますね。
変態の森のシーンはすごい好きです♪
「凝ってるな~」とつくづく思います。
今度あの部分だけのシーンだけを見たいです(笑)
by kanade (2010-05-16 16:20)
■kanade様
こんにちは。コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
上野さんの“のだめ”口調は、賛否両論ですよね。
私も、ブランクがちょっと空くと駄目なので、
この時も、テレビドラマ版を見直してから
(耐性をつけてから)映画を見に行けば、
ここまで駄目だとは思わなかったかもしれません。
でも、上野さんののだめは本当にかわいいと思います。
彼女がのだめとして歩いていたり
ピアノを弾いているのを見るだけで
にやけてしまいます。
by さくら (2010-07-07 21:21)