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感想:ドラマ「日曜劇場 JIN-仁-」第10話 坂本龍馬、暗殺…*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

TBS「日曜劇場」枠のドラマ「JIN-仁-」の感想です。
今回は第10話「坂本龍馬、暗殺…」です。

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  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • メディア: DVD

原作の漫画については、
第2話視聴後に単行本の第1〜4巻を読み、感想も書きました。
漫画「JIN-仁-」1〜4巻感想
こちらの記事およびリンク先には、ネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
第9話「残刻な神の裁定」

各話の感想記事のURLは
他作品と合わせてこちらでまとめています。
テレビドラマ感想一覧:2009年秋冬 放送開始作品


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いよいよ次回が最終回という事で、
お話が大きく盛り上がってきました!

前回の感想記事にも書きましたように、
私は原作の単行本を、第5巻以降も読んでいます。
ですので、前回から取り上げられている
野風花魁の乳癌、そして咲さんのお見合いの件も
既に知った状態で
今回の放送を視聴しました。



他の回と同様に、原作のエピソードを膨らませて描く
このドラマ版ですが、
今回、原作とは大きく違う点が出てきました。
南方仁が、胸に腫瘍があるらしい事を
野風に告げなかった理由です。

ご存知のように、原作では、
友永未来が存在していません。
よって、南方が野風にしこりの件を伝えなかったのは
彼女の今後を慮っての事なのですが、
ドラマ版では、
野風の身請け話がご破算になる
→現代で友永未来の存在が消えるかもしれない
との予想もあって、南方は嘘を吐きました。
勿論、女郎が誰かに身請けされるか否かは大きな問題なので、
腫瘍が良性かもしれない事を考えれば
(良性だと切る必要はないですし、
もし切ったら傷物と見なされ、
女郎としての値が大きく下がる事となり、
身請け話も無かった事にされます)
このまま見過ごした方が良い……とも言えますが、
これは、今まで精力的に
患者の治療に当たっていた南方にしてみれば、
随分と後ろ向きな考えです。

咲さんは、そんな言動をした南方を見て、
彼がそうなってしまうほど友永未来を愛しているのだと
言っていましたが……
すみませんが、私にはやはり違和感がありました。

とはいえ、ドラマというものが
視聴率や話題性を大事にする商売であるのを踏まえると、
この展開になるのも仕方ないと思います。
上記の通り、原作では、
いくら手術とはいえ、
肌を傷つける事を宜しく言ってはいません。
上記では使ってしまいましたが(すみません)、
ドラマの中で“傷物”という単語が出てきたら
乳癌を患った方を始め、
手術をされたり身体に深い傷を負ったりした方が
深く傷付くかもしれません。
そうでない視聴者からの抗議が
殺到する可能性もあります。
せっかく、今期一番とも評される出来&視聴率で、
もしかしたら映画化もされるかもしれない今、
制作側としては
迂闊な事で世間の非難を浴びる事はできないわけで……。
この辺の事情と、
友永未来というオリジナルキャラクターの存在を合わせた結果、
南方に、ああいう理由を負わせたのかなと
私は思いました。



咲さんも咲さんで、大変ですね。
南方を本当に好きなんでしょうけれど、
彼が友永未来に惚れ込んでいるのを
日常的に目の当りにしているので、
どうあっても自分の思いは報われない事も
知ってしまっています。
もし、南方が本当に幕末の人間で、
彼が懸想をしている相手が野風だったなら、
咲さんは、南方が自分を見てくれるようになる日を
地道に待ったかもしれません。
でも、この状況では、
彼を諦めようとするのも無理がないと思います。
そもそも、好きな人の好きな人が未来の人と聞いただけで、
勝てそうにないですし、
その当人ですら、未来の人なんですから……。

また、咲さんは不躾にも
野風に、自分はどうしたら良いのかと聞いていました。
以前の回でもちょこちょことあったように、
咲さんの中では、少なくとも野風に対して
職業の貴賤を感じてないんですよね
(おそらく女郎全般に対してそうなのでしょうが、
いかんせん、咲さんが他の女郎と関わるシーンがないので……)。
野風が驚いていたように、
咲さんの質問は、本来、する相手が間違っています。
自由に結婚できない二人の立場は同じでも、
そもそも身分が全く違う事を踏まえれば、
野風が怒っても仕方がない内容です。
でも、野風が怒らないばかりか、
驚いた後で笑っていたように、
彼女が咲さんを好きだから
──咲さんが、身分の差を超えて
一人の女性同士として話を持ちかけてきたから、
きちんと答えたんだなと思いました。
あの会話は、
言ったのが咲さんで、答えたのが野風だからこそ
成り立ったはずです。
仮に、どちらかでも違っていたのなら、
まともなやり取りはなされなかったと思います。

この時の野風の答えもせつなかったですね。
そうする他に道は無い
──とても重い言葉でした。
また、野風がせっかく郭を出られても、
籠の中の鳥である立場は全く変わらず、
自由に文も出せなくなるのを思えば、
更に悪くなるといっても過言でない状況は、
想像するだけで辛くなります。



さて、坂本竜馬。
うおー! 今回は殺陣がありました!
内野聖陽さんの竜馬としての殺陣を
一度ちゃんと見たいと思っていたので、
とても嬉しかったです。
また、状況が状況だったので、興奮しました!

言わば特効薬であるペニシリンを餌にして、
話を無理にまとめようとする竜馬を見ていたら、
「そりゃ暗殺されるわ……」と、私も思いました。
恥ずかしながら、私は坂本竜馬に疎くて、
来年正月から始まる大河ドラマを見て
勉強しようと思っているぐらい、
彼についてあまり知りません。
高知の桂浜にも、一度だけ行ったことがあるのですが、
竜馬像を見て、名物のアイスクリンを食べて
浮かれただけで終わりました。
(記念館にも行きましたよ)
ですので、あの時代、竜馬がどれだけ先を見ていて、
どれだけ世間から浮いていたのかを
私はよく知らないのですが、
あんな感じで、血気溢れる若者との交流を結んでいたのなら、
彼を面白くなく思う人は、大勢いたでしょうね。

ところで、南方のタイムスリップのキーワードでもある
「戻るぜよ」の台詞が、
今回、竜馬の口から連呼されました。
竜馬は、これでもかというように、
十回近く(それ以上?)言っていましたね。
放送の最後に流れた次回予告だけでは、
南方が現代に戻れるのか否かは判断できませんが
(本当に映画化されるなら、
南方が一時的に戻れる事はあっても
きちんとそうなる事はまずないと思います)
次回でも、
この「戻るぜよ」が大事な言葉になるんだろうなと
思いました。

それにしても、見れば見るほど好きになれた内野竜馬。
あと一回で見納めなんですよね。
非常に淋しいです。
土佐弁の指導をなさっている方が褒めてらっしゃいましたが、
内野さんの土佐弁は良いらしいとか。
本当に素晴らしい俳優さんです。



次回は、野風の乳癌手術と
咲のお見合いエスケープのお話ですね。
咲さんも野風も
このお話が終わると状況が変わるので
(原作では二人とも仁友堂で働くようになる)
ここでテレビシリーズが終わるのは
区切りが良いと思います。
また、原作と違い、
南方はここであれこれと覚悟を決めるようで……。
これまでの集大成が描かれるでしょうから
私も大事に見ようと思っています。

でも、次週が来ると
次々週からはもうドラマは無いんですよね。
これが一番淋しいです。





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続きの感想も書きました。
第11話(最終回)「タイムスリップの果て…時空を超えた物語が今!!」

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-12-14 18:04  nice!(1)  コメント(0) 
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