さくらもちモチ

感想「小公女セイラ」第3話 お姫様の友達はネズミだけ*ネタバレあり　[テレビドラマ感想] [編集]

TBSのドラマ「小公女セイラ」の感想です。
今回は、第3話「お姫様の友達はネズミだけ」です。

以下の記述にはネタバレを含みます。


前回の第2話「学院一自慢の生徒は使用人」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-24-4

各話の感想記事のURLは
他作品と合わせてこちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/drama200910



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さすがに、最後のトマトは
見ていてきつかったです。
トマトを投げ付けられて痛そうとか青臭そうとかの前に、
セイラが大事にしてきた“プリンセスとしての誇り”が
どんどん削られていくのが、とてもよく伝わってきたので……。
私は志田未来さんがあまり好きではないのですが、
最後、改心したカイトに隣室に連れてた後も
セイラがずっと泣きじゃくっているシーンは
迫真の演技だったので、「凄いなぁ」と感心してしまいました。
さすが名子役さんだとも思いました。



今までの回でもそうでしたが、
水島かをりは、視聴者の代弁者的なツッコミをいつも入れてますよね。
今回も、前日のフランス語のスピーチの件で
セイラが真里亜に謝った際に
彼女は「火に油だよ」と呟いて呆れてましたが
まさにその通りだと思いました。
真里亜のプライドの高さを思えば、
セイラが謝ったところで何の解決にならない事ぐらい
誰の目にも明らかなんですが、
（寧ろ、謝られると余計に真里亜は苛立ってしまうんですよね。
真里亜は、スピーチの代表を奪われた件を気にしていると思われるのが嫌なので
=本当は図星なのだけれど、絶対に他人に指摘されたくない）
それが分からないのが、セイラの幼さですよね。
真里亜とセイラの関係については、
苛めている真里亜が悪いに決まってますが、
彼女がついセイラに当たってしまう気持ちも分からないでもないです。
あんなにセイラに煽られたんじゃ
（しかもセイラが無自覚なのがポイント）
真里亜も辛いに決まってます。



まさみには、セイラにトマトをぶつけないでほしかったなぁ。
結果的に、助けに入ったカイトにぶつかったので
セイラには当たってませんでしたが、
彼女には投げないでほしかったです。
他の皆も、学園内で絶対的権力を握る真里亜に逆らえないで、
嫌々ながらもトマトをセイラにぶつけていましたが、
そうする事で、それを嫌だ/やりたくないという思いを持つ自分を
捨てているのと同じだと思いました。
おそらく、トマトをぶつけるのは今回限りの描写でしょうが、
もしこれが日常化したら、
まさみ以外の子達は、真里亜ほどではないけれど、
今回ほど胸が痛まないようになるかもしれません。
これを考えるとゾッとします。
ただ、朝も昼も夜も、一つ屋根の下で集団で暮らしている以上、
どうあっても真里亜には逆らえない皆の気持ちは、
私には分からなくもないです。
でも、こういうのを見てしまうと、
虐める側も虐められる側もそれを見ている傍観者たちも
全員が精神的に未熟だから、本当に怖いです。
どこかで生徒がガス抜きできる場所があると、少しは違うんですが、
彼女らにはそれが何もないんですものね。
そして、虐めている真里亜自身も、
セイラに酷い事をしても気持ちが晴れる事がないという悪循環っぷり。
先生も先生なので、全く期待できないですし、
本当にかわいそうな学園です。



カイトの「あんたの金では行きたくない！」は良かったなぁ。
最初は真里亜の要求を呑んだ描写からは、
カイトが本気で学校に行きたがっている気持ちが分かりましたし、
その後にあったこの怒りは、
それを棒に振ってまでセイラを助けたい＆
真里亜に対して怒っている気持ちが
よく表れていたと思います。

ずっとセイラの味方で、これから先もそうであろうカイトが
一回でも彼女を裏切る真似をしてしまったのは残念だけれど、
逆にそれが、切羽詰まった彼の状況の説明になっていたと思います。



ところで、このドラマ、
事前に番宣を頑張っていた割には、視聴率が振るわないそうで……。
「女の子は誰でもプリンセス」といった迷言を始め、
学院長や真里亜の辛い仕打ちなど、ネタドラマとして面白く、
また、脚本も演出も上手くて、丁寧に作られた作品なのに
ちょっと残念です。
おそらく、テコ入れで
再放送なりナビ番組（総集編みたいな宣伝番組）が流れると思うので
ちょっとでも気になる方にはお勧めします。




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続きの第4話「主演女優は私よ！」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-11-08

宜しければ、合わせてどうぞ。