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レポート&感想:宝塚歌劇「逆転裁判2 蘇る真実、再び…」5*ネタバレあり [宝塚版 逆転裁判]

2009年に東京・赤坂ACTシアターで行なわれた
宝塚歌劇 宙組公演 バウロマン
「逆転裁判2 蘇る真実、再び…」を観てきました。
(9/12の昼/夕、9/15の昼*前楽)
00.jpg
以下、ネタバレありで、簡単なレポートと感想を記していきます。
今年二〜三月に行なわれた第一作時の感想と同様に
長くなりますので、
記述は幾つかの記事に分けています。
この[5]では、第二幕の第1場から第4場までを記していきます。


レポ&感想「逆転裁判2 蘇る真実、再び…」はこちら。
[1] 全体の感想&主要キャラへの感想
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-14
[2] 第一幕の流れ&第1場〜第4場
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-16
[3] 第一幕 第5〜6場(途中)
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-18-4
[4] 第一幕 第6場(途中)〜第7場
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-25

今年二〜三月の「逆転裁判1」公演のレポ&感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-26
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-28-2
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-01

“逆転裁判”シリーズ関連の感想記事のURLは
こちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-25



────

公演の千秋楽が終わってから大分経ってしまったのに
未だにレポート&感想を書き上げていなくてすみません。
何分、三公演分のメモと自分の記憶を照らし合わせて書いているので
手間も時間も掛かってしまって……。
自分用の記録でもありますので、
頑張って最後まで書く予定です。

また、記憶は、
残念ながら、かなり薄れている部分も出てきてしまっており、
以下の記述には間違いがあるかもしれません。
そのような部分は訂正致しますので、
コメントやサイドバーから飛べるメルフォから
ご指摘を頂ければ助かります。



【第1場 ライト法律事務所】

目覚まし時計が鳴り、寝ていたソファから飛び起きるニック。
第1幕第1場でのマヤちゃんとのやり取りを思い出したのか、
ニックは反射的に「まずい、またフライパンで……」と言って、
両手を出し、頭部を庇う仕種をしますが
何もありません。

するとそこに、ルーチェを連れたアレイヤ先生がやって来ます。
お茶を出してもらおうと思ったニックはマヤちゃんを呼びますが、
やっぱり彼女は来ません。
「いないのか」と言うニックに、
「いいのよ」と返して、逆に気遣いを見せたアレイヤ先生。
アレイヤ先生はニックにお礼を嬉しそうに言いますが、
彼女の後ろに控えているルーチェは表情を曇らせています。
そしてたまりかねたように
「私、弁護士になんかなりたくない。弁護士は嫌い」と吐き捨てます。
また、母親であるアレイヤ先生に対して
「自分だけ助かればいいわけ?」と詰り、
「私は恋人を失ったのよ……」と、苦しい胸の内を明かして去ります。
ここのルーチェは、第一幕の公判後と同じで、
本当に辛そうで……「痛々しい」という言葉がぴったりでした。
ぶっちゃけ、私は
「そんなに辛いなら、来なきゃいいのに」と思いましたが、
(ルーチェはニックにお礼を言う心境じゃないはずなので)
お母さんに連れられて来ちゃうぐらい
彼女は基本的に優等生なんだなぁと思いました。
また、ああいう場で、不満を遠慮なくぶちまけちゃうぐらい
彼女の中で負の感情が膨らんでいたんだなぁとも感じられました。

そんなルーチェを見た後、ニックはアレイヤ先生に
「本当の意味であなたを助けられたわけじゃないようですね」と語ります。
その後、ニックは
「僕、弁護士を辞めようと思うんです」と言いますが
アレイヤ先生も無理に止める事はせず、
「そう。でも忘れないで。あなたに助けられた人間がいる事を」と
返事をしたのに留めました。

アレイヤ先生も去った後、ニックは感慨深そうな様子で
机上のノートパソコンを閉めて、
自分の弁護士人生が終わった事を噛み締めますが、
突然、携帯電話が鳴ります。
着信音は、勿論、“大江戸戦士トノサマンのテーマ”!!
シリアスな場面なのに、ここだけ和みました。

電話は、マヤちゃんを誘拐したという犯人からでした。
ここでは、事務所の壁の一部がスクリーン代わりになって、
男達に囲まれてべそをかいているマヤちゃんの映像が映りました。
ここでようやく
マヤちゃんがいない理由がこれだったと気付いたニックは、慌てます。
しかし、犯人からの要求は、金品でなく
ローランドを無罪を勝ち取る事でした。
瞬時に、ローランドが裏で関与していると理解したニックは
「ローランド──あの男!」と叫び、留置所に向かいます。



【第2場 留置所】

ローランドが捕らえられている留置所に行ったニックは
彼との面会を果たします。
「貴様、どういうつもりだ!」と詰るニックに対して、
ローランドは
「さすがでしたよ。でもあなたは本当の事を何も分かってない」
「あいつ(マルケス)は殺されて当然」と言いますが、
ニックは「でも、あなたは人を殺した。罰を受けるべきだ」と返します。
それと前後して(こちらの方が先の台詞かもしれませn)
穏やかな口調で「僕の無罪を立証してほしい」と言うローランドは、
「大切なお友達の命がかかっているんだから……」とも言って、
静かにニックを脅します。
ローランドは、第一幕の公判で見せられた好青年振りとは一転して、
悪人面を見せてきます。
この先で演じられる二回目の公判で明かされた真実を踏まえれば、
ローランドは、マルケスが亡くなった事で既に本懐を遂げているわけですが、
彼には、最愛のルーチェと共に生きたいという望みもあるので
実は彼もかなり必死になっている心境が伺えます。
ローランドがニックを煽ったシーンからは、
原作のゲームのオートロを臭わせるような彼の性格の歪みを感じられますが、
この後の展開を知った上で見ると、
この時の彼は、まさに“なりふり構ってられない”状況だと分かるので、
逆に哀れだとも感じられました。

最後にローランドは不敵そうにほくそ笑み、
「先生に最高のプレゼントを用意しました。
公判でしっかりと受け取って下さい」と言います。
原作ファンの私は、勿論、ここで
冥ちゃんへの狙撃と御剣の再登場を思い出し、
やっと原作が生かされたなぁと実感しました。
(以前のレポートでも書きましたが
今回は逆裁2ー4を下敷きにしているものの、
あの話がそのまま演じられているわけではありませんでした。
原案レベルで内容を摘まれて利用されただけなので、
原作を思い出せるシーンは貴重でした)

意味が分からないニックは
「マヤちゃん……とにかく警察に!」と言った後、
ふと幼馴染みを思い出したようで、
「エッジワース!」と彼の名を叫び、舞台から去ります。



【第3場 永遠のリフレイン】

この第3場は、客席に下りていたエッジワースのソロから始まりました。
いやぁ……近くで拝見した悠未さんはでかい!!!
圧倒されました。
歌のタイトルが“迷い道”で、
まさに試行錯誤しながら検事として成長する彼の歌としては
相応しいのでしょうが、
冷静に考えてみると、ネタとして茶化す事もできてしまうので、
終演後には「迷い道かぁ」と、一人でちょっと笑ってしまいました。
御剣はエッジワースになっても苦労を背負い込む性分みたいですね。

エッジワースの歌が終わると、ニックが舞台に飛び込んできます。
事情を聞かされたエッジワースは
「私は私で手がかりを探す。
君は、君にしかできない事をするべきだ」との
アドバイスを与えます。
この後で、エッジワースの言葉を呟くように復唱した
ニックの歌が始まりました。

ニックがソロで唄う中、
エッジワースと、後から加わったディック刑事が踊ります。
エッジワースがディック刑事に指示を与える動きもあって、
ここは「誰を見たら良いの?」と、非常に迷いました。
また、ニックが唄い終わった後は、
代わりにエッジワースが唄い、ディック刑事が踊ります。
ここの春風さんが、
イトノコ刑事を元にしたキャラにしては、動きがキビキビとし過ぎていて、
(踊りが上手すぎるw)逆に違和感がありました。
でも、これによって
彼の「やる時はやる!」感が出ていたかもしれません。

この後でフランジスカが登場して唄ったり、
間奏で、捕らえられているマヤちゃんが出てきたり……と、
二幕前半の山場になっていました。
キャストの皆さんが、本当にキャラそっくりなので、
この場面は目移りして困りましたww
特に、藤咲さんの歌は良かったなぁ。
大好きな冥ちゃんという事もあって、
私は心の中でキャーキャー言ってました。

その後は一転して、音楽と共に空気が変わります。
曲のメロディも、
“信じている”のサビの部分“君の全てを取り返したいから〜”になって、
過去のニックとレオナが再登場します。
舞台の奥にいて(無言で)未来と愛を語る過去の二人に向かって、
舞台の手前(客席に近い方)にいる現在のニックが
必死になって片手を伸ばすのですが、
ここがもう、せつないせつない。
レオナがいた幸せな過去に戻りたいと
現在のニックは懇願しているのに、
厳しい現実を表わす影(コロス)が二人ほど彼にまとわりついて離れないので
どうにも叶わないんです。
ここは台詞も無いのですが、
見てるだけで、レオナに対するニックの深い思いが伝わってきて
泣けました。
こうやって改めて思い起こして書いてみると、
今作品のヒロインはルーチェとされていますが
やっぱりレオナだよなぁと思ってしまいます。

次は、そのルーチェのソロでした。
“信じている”でレオナが唄ったソロパートを
純矢さんが、艶のあるお声でしっとりと歌い上げていました。
この方の癖なのか、フィナーレでの歌も含めて、
歌の出だしの最初の音の高さがちょっとずれるのが気になりましたが、
ここのソロは、
その前のニックの描写から続くせつない雰囲気で一気に持っていく!感があったので
良かったと思います。
情感たっぷりでした。
何より、私はこの曲が大好きなので、
この部分だけでも生で聴けたのは嬉しかったです。



【第4場 カリフォルニアの海辺】

ルーチェをニックが呼び出したという設定だったようで、
私服姿の彼が登場します。
ル「用事はなんですか」
ニ「ローランドの弁護を担当する事になったよ」
ル「彼を救ってくれるんですか。でも、どうして」
という会話が冒頭でなされました。
法廷やニックの事務所では、きつい言葉で彼を詰ったルーチェですが、
一転して彼が恋人の味方になったと分かって安堵したのか、
表情も明るくなり、ペラペラとよく喋るようにもなりました。
ルーチェが、自分の名がイタリア語で“光”を表わす単語だと語った後で、
ニックが、弁護士としての在り方や存在意義について話します。
「被告人を救うという事は、必ずしも良い事ばかりじゃない」
「弱い人を必ずしも助ける事にはならない」
「被告人を罪を暴く事が、被告人を救う事だってある」
と、自らの体験を踏まえた発言をした後に、
「誰かを救いたい──この気持ちは尊い」
「真実から目を逸らす人間に、弁護士としての資格はない」
「(今はその光を失っているが)君もその名前のように光り輝くはずだ」
と、ルーチェを優しく諭します。

その後は、ニックのソロです。
この曲が、前回の“信じている”に当たる
今回の愛のテーマだったのではないでしょうか。
「僕が連れていくよ〜。輝く〜明日へ〜」と、明るい言葉&曲調の歌です。
ニックがレオナと共に歩いていったのなら、
ニックとルーチェの関係性は
やはりニックが先導する形になるようです。

歌が終わった後で、これに感激したらしいルーチェが
「分かりました。私、法廷に行きます」
「先生に会えて良かった。ありがとうございます」と
以前の彼女に戻ったような明るい口調で言い、
明日行なわれる予定のローランドの公判に彼女も行く旨が
約束されます。
やっぱりルーチェはこういう方がいいなぁと、
私も思ってしまいました。
とにかく、ルーチェ役の純矢さんが健気でかわいかったです。

二人が去った後に、エッジワースが登場。
「お前は、一度決めた事は最後までやり遂げる男だった。
私はそんなお前に惹かれていた……」
「私はお前に会う為に戻ってきたのかもしれない」と
しみじみと言った後で、
前回の「1」の舞台でのエッジワースのテーマソングだった
「ルール」の歌を悠未さんがソロで歌います。
ゲームでは、御剣が成歩堂を「お前」呼ばわりする事はないので
(成歩堂が御剣をそう呼ぶ事はあります)
個人的には、その「お前」呼びに引っ掛かりを覚えたのですが、
エッジワースがニックを意識してここに戻ってきたと分かる台詞は、
このコンビが好きな私にとっては
とても嬉しい内容でした。
「ルール」の歌も、七帆さんとはまた違った感じでした。
彼女の歌が耳に残っている私には
悠未さん版のルールも興味深く聴けました。

その後は、ニックのソロによる「蘇る真実」!!
客席降りがあったり、ミラーボールがキラキラと光ったり……と
観客が手拍子をしたのも加わって、かなり盛り上がりました。
やっぱり好きな歌なので、私も夢中になって手拍子をしました。
この曲の蘭寿さんは、ニックというより、
宝塚スターさんという感じで、とても格好良かったです。




────

以上で、第二幕第四場までのレポートと感想を終えます。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

引き続き、第二幕の第五場(裁判所)以降も記す予定です。
DVDが発売される前に、何とか終えたいです。


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2009-10-08 21:50  nice!(0)  コメント(0) 
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