感想:大河ドラマ「天地人」第39回 三成の遺言*ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]
NHKの大河ドラマ・天地人
第39回「三成の遺言」の感想です。
ネタバレを含みます。
前回の第38回「ふたつの関ヶ原」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-23
各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4
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私は、こちらをいつも地上派で見ていますので、
午後八時からのNHK総合での放送が初見になるのですが、
今回の放送については、
こちらでリアルタイムに見て、
昨日(10/3)の午後一時からの再放送を見ても、
感想を書く気になれず、今ままで放置してしまいました。
今回、こうしてようやく重い腰を上げたのは
今晩には次回の放送が流れてしまうからです。
私には、小栗旬さんが演じた石田三成には
あまり思い入れがないので
(三成そのものは大好きです)
回想を除くと最後の登場となる今回の放送についても、
実際に見るまでは、さして思う事もなかったのですが、
放送を最後まで視聴して、
せっかくの見せ場なのに良いシーンを与えてもらえなかったのを知って、
これまでの放送以上に彼が気の毒に思えました。
三成の最期の逸話として、物凄く有名な柿のお話があります。
こちらは創作である可能性も否めないので、
敢えて外したのは、決して間違いではないと思います。
それでなくとも、こちらの脚本を担当されている小松先生は、
以前の回においても、
史実か否かを問わず、有名なエピソードを省く代わりに
オリジナル話を突っ込んでくる方だったので、
今回についても、私には放送前の時点で
「柿の話はないかもしれないな」と想像できていました。
(私は、このお話が好きなので入れてほしかったです)
でも、三成が最期に初音を見て
「兼続に〜」は無いと思います……。
この描写は原作の小説の通りなんでしょうか??
失礼ながら、原作の小説も
プロが描く歴史小説としては過分に甘い点が見えますので、
もしかしたら、小松先生は悪くないのかもしれませんが
「これは無いだろう」と思いました。
また、関ヶ原の合戦で徳川方についた福島や小早川が
三成の元を訪ねるシーンが続けて描かれましたが、
あれらは三成の為ではなく、
福島や小早川の言い訳を視聴者に見せる為のシーンになっていました。
今回は三成の名前回(名前がタイトルに含まれている)で、
文字通り、彼の死が話の主幹なのだから、
この時ぐらい、三成に花を持たせてやれば良いのに……と
思いました。
三成を裏切ったとされる福島や小早川を
悪く書きたくなかったあまり、
家康に騙されたと二人が気付く会話を入れたり、
三成と直に話すエピソードをねじこんだりしたのは、
心情的には理解できますが、
これらを省いてでも、もっと三成に焦点を当ててほしかったです。
こちらの作品が
合戦の描写を徹底的に省いているのは今さらですが、
兼続が自ら申し出たしんがり勤めの戦いも、
やはりほとんど描かれませんでした。
会津の城に戻った後、傷付いた身体で一人、
呆然としてしまう兼続の気持ちはよく分かりますが、
血がだらだらと流れている描写は、とても嘘臭かったです。
はらはらと涙を流すだけにしておけば、まだ良かったのに……。
敵に斬られてまもなくの頃ならともかく、
ああして城に戻った時では、あのように血は流れません。
途中で兼続の傷口が開いた設定だったのかもしれませんが、
それでも、あんなにだらだら流れませんってば。
そして
兼続の子供時代……与六を演じて話題になった
時の人・加藤清史郎君を無理に出すのも
もう止めた方が良いと思います。
与六が幼少だった頃の放送はともかく、
過去回想と今回とで何回余分に出てるんだ!と
ツッコミを入れたくなりました。
加藤清史郎君は、今、
CMを含めると彼の姿を見ない日はないと言えるほどの人気振りで、
彼が有名になったきっかけがこちらの作品であるのを思うと、
視聴率を少しでも多く取る為に
番組制作スタッフが彼を何度も起用したのは当然かもしれませんが、
ぶっちゃけ、彼はもう有名になり過ぎているので、
今回の放送を見た時の私は、
彼をいち登場人物としてではなく、
「あ、加藤清史郎君だ!」とか「こども店長だ!」と
思っちゃったんですよね……。
そしてこれは、多くの視聴者にも言える事だと思います。
残っている放送回数が十ほどで、
お話ももう終盤のまとめに入っているのが分かるのに
あれこれと残念な作りで、見ていて辛かったです。
最後までこの調子なんでしょうか……。
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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
続きの第40話「上杉転落」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-04-5
宜しければ合わせてどうぞ。
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