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感想:大河ドラマ「天地人」第38回 ふたつの関ヶ原*ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]

(9/24)末尾に追記しました


NHKの大河ドラマ・天地人
第38回「ふたつの関ヶ原」の感想です。
ネタバレを含みます。


前回の第37回「家康への挑戦状」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-20

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4


────

タイトルにもありますように、今回は関ヶ原のお話でした。
大河で戦国時代ものと言えば、必ず出てくる大きな戦です!!
どの作品のスタッフも皆、ここには力を入れるので、
視聴する側としても、他の回より気合いが入ります。



その前に……
遠山康光、生きてたんかい!!!
彼が北条に下ったまでは、勿論、私も知ってましたが……。
今回で関ヶ原があっさりと終わってしまった事もあり、
ラスボスは彼でも良いのではないかと思いましたww
無理に生かしているんですから
(本当は御館の乱で景虎と一緒に亡くなっているはず)
上杉に災厄を与える人物として描いちゃっても
良いと思いますw
……と、これはまぁ、冗談ですが。



徳川家康の大軍を関ヶ原で迎え撃とうとした石田三成と、
東国を抑える役目を担った上杉軍と、そこに侵攻しようとした最上軍
──と、二つの戦を合わせて、今回のタイトルになったのでしょうが、
後者があまりにもしょぼかったので、
いっそのこと、今回だけは主人公の兼続を出さずに
(モノローグ程度で終わらせる)
三成を主人公にした関ヶ原の戦いのみに集中した方が良かったと思います。
関ヶ原のシーンが、これまで宜しくない事が多かった「天地人」の中では
随分と頑張っていた+役者さんの奮闘を始め、なかなか良かったので、
主人公の兼続がいる上杉軍の描写があるのが、却って邪魔になっていました。
正直、上杉軍に割かれた尺を回して
関ヶ原の戦いをもっと見たいと思いました。

はい、上記にも書きましたように、
関ヶ原の戦の描写は、「天地人」にしては良かったと思います。
実写にCGを加えている部分は、CGだけが変に浮いていて
違和感がありましたし、
肝心の戦闘シーンは相変わらず少ないし……と、
悪い点を挙げていけばきりがないのですが、
全般的に(こじんまりとですが)良くまとまっていたと思います。
大河ドラマにおいて、主人公が出ない回なんてあり得ないのでしょうが、
本当、兼続たち上杉軍の描写は、
次回か前回に回した方が良かったと思います。



まず、その悪い方──上杉の戦いについて書きます。
最上との戦いなのに、何故か、敵である最上が一切出てこないので
上杉軍の描写に迫力が全くないです。
上杉の軍議や、陣を張った描写が描かれて
「我らも頑張るぞ!」と意気揚々になっているところを描かれても、
いまいち、彼らも同じ頃に別の場所で戦っているとの実感が湧きません。
タイトルで、上杉の戦いを関ヶ原と同列に並べたのだから、
せめて、それに負けない戦のシーンを入れてほしかったです。

また、これは史実にも関係しているのでしょうが、
己の誇りを大事にするあまり、前回、“直江状”なる書状を出して、
家康に上杉討伐のきっかけを与えてしまった事を
兼続が気にも留めてないのが気になります。
煽っただけで、後は「家康が悪い」で終わりかー!と
思ってしまいました。



さて、関ヶ原。
西軍を率いる三成は、兜が小栗君に合ってないのか
大き過ぎるのが気になりました──が、鎧は格好良かったです。
あれはどこか(別の時代物作品)からの借り物でしょうか。
総大将が小早川の元に行くというのは
ちょっとハチャメチャのように思えました。
あり得ない……と、私は思ったんですが、
この考えで正しいですよね??

西軍を裏切る小早川秀秋は、
豊臣秀吉の養子だった頃(豊臣秀俊を名乗っていた頃)は、
上地さんで合っているなぁと思いましたが、
今回の彼は、間抜けな人という印象が強過ぎて
ちょっといただけない感じがしました。
これじゃ、小早川がかわいそうです……。
確かに、西軍を裏切った小早川は、
兼続の大好きな“義”から外れた行動を取りましたし、
家康から攻撃されてようやく重い腰を上げた事も
うだつがあがらない、優柔不断な武士として描かれる要因なんでしょう。
だから今回、上地さんの小早川が
かなりなさけない男として描かれたのも、当然なのでしょうが、
もう少しまともに描いてほしかったです。

ただ、小早川が、
三成から出された“関白”の条件を聞いた際に、
瞬時に、かつて策略によって
関白だった豊臣秀次が自害に追い込まれ、
女子供の例外なく彼の家族や家臣も殺された事を思い出し、
秀頼が成長した暁には、自分も秀次の二の舞いになるのではないか
……と懸念した話は、とても自然で、大変良かったと思います。
これは勿論、大河独自のお話で、史実ではありませんが、
上手い具合に三成の過去が生かされていると思いました。
条件的には、たった二か国増の確約を挙げてきた徳川より、
関白の地位を約束してくれた三成の申し出の方が良いのですが、
三成の身から出た錆というか、
尊敬する秀吉の為に、悪いイメージを自分が一手に引き受けてきた過去が
今になって彼に災いとして降り掛かってきて、
彼の未来を決してしまった一つの原因になったのが
皮肉な話だなぁと、しみじみと思いました。
ここは本当に良かったです。



前回の感想で書き忘れてしまいましたが、
前回から登場している大谷も、大変良かったです。
民放の現代ドラマでもお馴染みの役者さん
──津田完治さんが、彼を演じたんですね。
大谷は、顔がひどく膿んでいるという設定上、
目以外の顔を布で覆っている役所なのに、
その目が凄いなと思って、私は視聴しました。
役者さんとしては、顔がほぼ出ないに等しい役なので
損かもしれないですが、
そういうのを関係無しに見た視聴者としては、逆に、
「この人、誰?」と気になりました。
勿論、これは津田さんの好演があってこそのお話です。
大谷は大事な役なので、
上手い方に演じて頂けて、良かったです。



さて、関ヶ原の戦いが本当にたった一日で決したのに合わせたのか、
このドラマでもあっさりと終えられてしまいましたが、
スタッフさんが残りの十話をどう描いていくのかが、非常に不安です。
というのも、歴史がお好きな方はご存知でしょうが、
これだけ上杉は豊臣側の人間として頑張っているのに、
この先にある大坂 冬の陣では、徳川についちゃうんですよね。
そうせざるを得ない状況だったのでしょうが、
兼続が“義”をどう扱うかが
見物であり、怖くもあり……という感じです。
豊臣側の誰かを悪にしなければ、
兼続が義を唱え続ける限り
彼らに反旗を翻すのは、あり得ない事になってしまいますので……。
(豊臣からの出陣要請を、兼続は正式に断わっているので)

また、大坂 冬の陣が、兼続が参加した最後の戦いだと思うので
(確か夏の陣は不参加だったはず/違っていたらすみません)
その辺の描写も気掛かりです。
女の人が前に出ない/出しゃばらない展開だといいなぁ。



(9/24 追記)
ところで、ネットサーフをしていて偶然見つけたので
真実かどうかは定かでないですが
今回の放送の戦闘シーンは
“葵”からの使い回しって本当ですか orz

今回、主だった役者さんが登場するシーンは
西軍も東軍も、何故か陣周りのみだけだったので
ちょっと不思議だったのですが、
これが理由なら、簡単に納得できます……。
陣は、両軍とも完全にセットだったので、
狭いセットの中で、皆さん、頑張っていたんですね。



────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第39話「三成の遺言」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-04-2

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-09-23 22:56  nice!(0)  コメント(0) 
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