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感想:大河ドラマ「天地人」第37回 家康への挑戦状*ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]

NHKの大河ドラマ・天地人
第37回「家康への挑戦状」の感想です。
ネタバレを含みます。


前回の第36回「史上最大の密約」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-09

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4


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“直江状”のお話でした。
この辺りについては、
直江状の存在も含めて私は知りませんので、
「へぇ、そうなんだ」と興味を持って見ることができました。

しかし、前回もそうですが、
景勝たちが、領地である会津に戻れば、
徳川家康にあれこれケチをつけられると分かっていながら、
ほいほいと帰ってしまうのが
私には分かりません。
おそらく、それが分かっていながらも
「もう徳川とは戦で決するしかない」と
既にある程度の覚悟を決めていたので
帰ったのだとは思いますが、
妻夫木さんの直江や、北村さんの景勝からは
そうした決意の強さがあまり感じられませんでした。

ただ、何も考えずにそのまま帰ってしまったのでは、
彼らが凡庸になってしまうから、
「そうではなく、家康の策略にちゃんと気付いていたんだ」
という点を強調する為に、
会津に戻れば家康が〜云々と、
兼続が台詞で何度も発したようにしか思えません。
こうしたドラマで主人公に補正が掛かるのは当然ですが
何でも無理をして主人公をスーパーヒーローにするのを見せられるのは
ちょっと苦しいかなと、思ってしまいました。



そして、終盤、
慌てて軍を引き上げる徳川勢に追撃を掛けるか否かで
兼続と景勝の意見が対立してしまい、
結果、兼続が不本意ながら、景勝の意見を飲んで
徳川軍をみすみす逃すのですが──
すみませんが、私には兼続の気持ちがよく分かりませんでした。
追撃云々の話ではなく、
景勝の義を彼が否定した件です。

というのも、ここで二人が問題にしたのは
亡き上杉謙信公から引き継いだ“義”の信念なのですが、
ご存知のように、兼続は自分の都合に合わせて
この“義”を出したり引っ込めたりしている上に、
どういう時が義で、どういう時が義でないかの線引きが
非常に曖昧なので、
彼が何をもって“義”を測り、また、
その境界線が何であるのかが、非常に不明瞭です。
で、今回、その兼続が、景勝と“義”について語るわけですが、
私には、上記の通り、兼続の義が何なのかが分からないので、
「これは義にあらず」と言って景勝の義を否定する兼続も
理解できなかったんです。
「じゃあ、何が義で、何が義じゃないんだ。
それを分ける境目は何だ。判断材料は何だ」と
問いたくなりました。

もし、兼続の義が何であるかが
これまでの回ではっきりと描かれていたら、
私も納得した上で
「そうだよね。これは兼続にとって“義”じゃないもんね」と思い、
景勝に反対する彼の心情も汲めたはずなので
残念でたまりません。
ふらふらと、その場の感情で
「義だ」「これは義にあらず」と意見を替えられても
説得力がありませんってば。

この辺(何が義であるか)、
できれば監督さんと脚本家さんのお話を伺いたいので
どこかでインタビューに答えてくれないかなぁと望みます。



ところで、久し振りにロケでの映像がありましたね。
これまでならセットで誤魔化していたシーンなので、
関ヶ原のついでに撮ったのだろうという事情が丸分かりでしたが、
嬉しかったです。
セットの映像は、一見しただけですぐに分かりますし、
やっぱり奥行きがない分、味気ないので、
見ていてつまらないです。
薄っぺらく思えてしまいます。



────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第38話「ふたつの関ヶ原」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-23

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-09-20 00:46  nice!(0)  コメント(0) 
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