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感想:映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ戦国大合戦」*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ戦国大合戦」を
視聴しました。
その前に、映画「BALLAD 名もなき恋のうた」を見ていて、
是非、原案のアニメも見たいなぁと思っていたので
今回のテレビ朝日の放送を知った時は、嬉しさのあまり、
狂喜乱舞しました。

「BALLAD 名もなき恋のうた」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-05-5


以下の記述には、ネタバレを含みます。

アニメ作品の感想記事のURLは
他作品も含めて、こちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-03-4


────

泣きました……!
冒頭の廉姫の夢のシーンから、うるっときてしまいました。
そして、私は、最後で井尻又兵衛が亡くなるのを知っていたので、
終わりが近づく度に悲しくなり、
又兵衛が撃たれた時から号泣しました。



皆さん、同じような感想を持たれているようですが
こちらは、大人も普通に視聴できる高品質な作品になっています。
とにかく時代考証が凄い!!!!
戦のシーンは勿論なのですが、
春日城の人々のなにげない所作に、私はびっくりしました。
ぶっちゃけ、実写版よりきちんと描かれてますよね……。
腰を下ろす時、立つ時、歩く時、走る時
──その他、たとえば夕餉を作る時に
土間に直に正座をして菜っ葉を切ったりといった日常のシーンも、
私がよく見る時代劇よりずっとちゃんとしていました。
アニメ映画というだけで、軽んじられる事も多いかもしれませんが
とにかく凄いです。
よほど綿密に時代考証をされたんだなぁという事が
細部からひしひしと伝わってきました。

戦のシーンもさすがです。
槍で、昇ってきた敵を上から突つき落とすシーンや、
布で包んだ石を投げて攻撃するシーンは
最近の時代劇の戦のシーンではまず見ない光景なので、
地味ですがリアリティがあって、物凄く良かったと思います。
夜になったら戦は終わりで、
互いに睨み合って引き上げていくところなども
他の作品ではまず書かれない部分です。
普通は、時代劇を見ると
“間違って歴史を覚える”事が多いのですが
こちらは勉強になるなと本気で思いました。



廉姫の、男勝りな部分もあるけれど
美しく気立ての良い素敵な女性という描写も
素晴らしかったと思います。
又兵衛が朴訥な武士なので、
二人の差が際立っているのがたまらないです。

又兵衛も、良い男ですね……。
彼についてはもう、“過去からの弾丸”で亡くなってしまった事が
本当に大きいので、あまり語れません……。
考えるだけでせつない……辛い。
できれば生きていてほしかったです。

でも又兵衛は、奇跡的に生き延びられた僅かな時間で
しんちゃん一家と出会えて、楽しい時間を過ごせて、
廉姫が不本意な結婚をせずに済むのも知って、
高虎から姫や殿、城をちゃんと守って
──最後に褒美として、しんちゃんに脇差を渡せて
本当に幸せだったと思います。

きんちょう(金打)のシーンも良かったなぁ。
あれがあったからこそ、
最後、又兵衛が脇差を渡すシーンが生きましたし、
あのしんちゃんが号泣するという珍しいシーンも
深い意味が添えられたと思います。

そう、あのしんちゃんが発したからこそ深い意味を持つ台詞が
幾つもありました。
高虎に「逃げるな!」と怒鳴ったところは、
しんちゃんに男を感じました。
あそこは格好良かった。
上記の、又兵衛の最期も……本当に良かった。
あそこはもう、私がしんちゃんの気持ちとシンクロしてしまって
涙が止まりませんでした。
過去をねじ曲げてしまったという事実がある以上、
又兵衛の死はまぬがれないけれど、
やるせない気持ちで胸がいっぱいになりました。
なんでここで亡くなるんだ、これからだろうと
私も画面に向かって心の中で叫びました。



また、普通のテレビ放送のお話と違い
映画版ならではの家族愛を強く感じられたのも良かったです。
しんちゃんが行方不明になって、
もしや過去に行っているのではないかと疑った時に、
ひろしが「しんのすけのいない世界なんて〜」みたいな事を発して、
みさえもすぐに賛同するシーンは最高でした。
「あぁ、彼らはやっぱり親子だなぁ」と、しみじみ思いました。
また、しんのすけが高虎に斬られそうになった時に
みさえが刀を使って必死に受け止めたシーンも
私はぼろぼろと泣いてしまいました。
いい親子です。


こちらは、又兵衛を始め、
人の死が全面的に押し出された作品なので、
なかには子供さんに見せるのを嫌がる親御さんもいるかもしれませんが、
逆だと思います。
人間にとって死は、どうやったって避けられないものですし、
この世では不条理に人が亡くなるのも珍しくないので、
こうした作品で人の生死について学ぶのも良いと思います。
(登場人物の中で死人は出てますが
子供向け映画という事で考慮されているのか
流血や人の首が飛ぶようなシーンは一切ありません)

また、年齢にもよりますが、子供はきっと
又兵衛が、何故、最後に撃たれたかが分からないと思います。
それを親が子に教える事によって
人の生死について話題にしてみるきっかけにしても良いかもしれません。



とにかく良い映画でした。
テレビではCMも含めて約二時間の放送でしたが
あっという間でした。
素敵な作品を作って下さったスタッフさん達に感謝の意を評します。
また、今(9/19の夜)
原作者の臼井さんらしき人が遺体で見つかったらしいとの報道が
テレビやネットでなされていますが
どうか別人であってほしいと祈るばかりです。


2009-09-19 22:34  nice!(1)  コメント(0) 
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