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レポート&感想:宝塚歌劇「逆転裁判2 蘇る真実、再び…」1*ネタバレあり [宝塚版 逆転裁判]

東京・赤坂ACTシアターで行なわれた
宝塚歌劇 宙組公演 バウロマン
「逆転裁判2 蘇る真実、再び…」を観てきました。
(9/12の昼/夕、9/15の昼*前楽)
00.jpg
以下、ネタバレありで、簡単なレポートと感想を記していきます。

今年二〜三月に行なわれた第一作時の感想と同様に
長くなりますので、
記述は幾つかの記事に分けます。

それぞれのシーンのレポートと感想は、次回以降の記述に回しまして、
この記事では、全体と主要キャラへの感想、
当日の日記を書いていきます。
(日記を含めますので、ヅカに関係ない記述もあります。
この記事を最初に書いた日は9/14ですので
15日の前楽の公演はまだ見ておらず、記事でも触れていません)


今年二〜三月の「逆転裁判1」公演のレポ&感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-26

“逆転裁判”シリーズ関連の感想記事のURLは
こちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-25



まずはスタッフさんとキャストさんのご紹介から*敬称略

[スタッフ]
原作・監修・制作協力:株式会社カプコン
脚本・演出:鈴木圭
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:阪急電鉄株式会社


[キャスト]
フェニックス・ライト(成歩堂龍一):蘭寿とむ
ルーチェ・アレイア:純矢ちとせ

ローズ・アレイア:光あけみ
ロッタ・ハート(大沢木ナツミ):美風舞良
マイルズ・エッジワース(御剣怜侍):悠未ひろ
裁判長:風莉じん
ディック・ガムシュー(糸鋸圭介):春風弥里
ローランド・スミス:七海ひろき
メアリー・ウェーバー:美影凛
ルード・ベス:光海舞人
フランジスカ・ヴォン・カルマ(狩魔冥):藤咲えり
マヤ・フェイ(綾里真宵):すみれ乃麗
*()内はゲーム版での名前です。
注釈がない人物はこの作品のオリジナルキャラクターです。
また、光あけみさんは専科からの客演です。




私は、宝塚の舞台を何度か観ているのですが、初心者レベルです。
専門的な知識を持ってはいませんし、
間違った思い込みなどをしているかもしれません。
もし、誤った記述などがありましたら、
コメントかメルフォからご指摘を頂けると、大変助かります。
ご協力のほど、宜しくお願い致します。



────

宝塚は大好きなのですが、
それ以上に、原作であるゲームのファンなので、
後者の立場から観劇しました。

いやぁ……大変良かったです!!!!!!!!!!!!

私は上記のように、「1」も観劇していて、
その時も深く感動して
「宝塚で演じてもらえて良かった!」と思ったのですが
今回も全く同じ感想です。
良かった。本当に良かった。



今回の私は、
9/12(土)の11時と15時の東京公演の舞台を、続けて観ました。
この日は気温が低く、天気予報でも午後から雨天になると言われていましたので
「今日だけ天気が悪いなんてツイてないな」と思いながら家を出たのですが、
午前十時に会場に着いたら、もう雨が降ってまして、がっくり orz
でも、ACTシアター恒例の、公演の垂れ幕(というか看板)が下がっていて、
すっごく格好良い“とむニック”
──主演の蘭寿とむさん扮する主人公フェニックス・ライト(成歩堂)が
出迎えてくれましたので、
下がり気味だった私のテンションも一気に上がりました。
01.jpg
*この写真は14時半過ぎに撮ったものです
これがあるとは事前に分かっていましたが、
やはり実物を見ると嬉しくて嬉しくてたまらなくなり、
心の中でキャー!と声をあげました。



開場が10時半という事で、雨が降る中、
私は外で少し待っていました。
今回、蘭寿さんのFCでチケットを買われた方は
ニック仕様の手提げ袋に入れられたお土産を貰えたようで、
逆裁ファンとしては、この紙袋だけ欲しかったですw
(水色を基調とした小さな手提げ袋で、
「逆転裁判」のロゴの「逆」の字に掛かっている光のマークが
印刷されていました)
「いいなぁ」と思いながら、そちらを持ってる方を眺めていました。

予定時間に開場しましたので、
今回が東京公演お初の私は、まず最初にプログラムを買いました!
プログラムの表紙と裏表紙の画像です。
03.jpg
そして、前回は買わなくて(後になって欲しくなって)後悔したので
私の好きキャラである
ニック(成歩堂:蘭寿さん)とエッジワース(御剣:悠未さん)の舞台写真も
一枚ずつ購入しました。
04.jpg
*お写真はお顔が出るとまずいと思うので隠しました
こういう物を買い慣れない私には、
一枚320円という値段は高かったのですが
その場の勢いと、「もう後悔したくない」との思いで
迷わず「こちらとこちらもください」と言ってしまいました。

席は、一階の下手側(ステージ向かって右側)で、
半分より前という位置でした。
舞台全体も見えますし、
タカラジェンヌさんの表情もはっきりと分かる席だったので
とても嬉しかったです。

そして午前十一時を迎え、
この日の第一回目の公演の幕が上がったわけですが
──あっという間に終わってしまいました。
夢中になって観てしまいました。
ゲームファンとしては、
やはり登場人物の再現度に対して
どうしても過度に注目してしまうのですが
文句が全くないどころか、
「よくぞここまで再現してくださった!!」と
お礼を申し上げたくなりました。
本当にありがとうございます。
めちゃくちゃ嬉しかったです。



今回は「逆転裁判2」と題しているだけあって、
2-5のお話(オートロさん達が出る話)が下敷きになっています。
但し、あれがそのまま演じられるのではなく、
正確に言えば、
“有罪に違いない被告人を、主人公が弁護しなければならない”状況が
使われているだけです。
その理由として、原作のゲームでは
ナルホド君の助手の真宵ちゃんが誘拐されますが、
この舞台でも、ニックの助手のマヤちゃんがその目に遭っています。
最初の裁判(真犯人を告訴するまで)と、
二回目の裁判(真犯人を弁護する〜)と、雰囲気がかなり違うので、
法廷シーンが間延び気味だった前作の「1」よりは
面白かったと思います。
でも、肝心の推理が……。
全てのタカラジェンヌさんの好演が光るだけあって
ミステリ部分が弱い仕上がり方になっているのは、とても残念でした。



それでは、タカラジェンヌさん個人について、書いていきます。

まずは、主演のニック役の蘭寿とむさん。
前回もそうでしたが、
唯一、原作とは見た目も雰囲気も大きく違うキャラクターなので、
蘭寿さんは相当なご苦労をされたと思います。
でも今回は、前作を経ているからか、
原作ファンの観客も
最初から“とむニック”に馴れていたと感じられました。
上手く言えないのですが、
前回は、皆、開演前はドキドキしていたと思うんですよね。
チラシや少ない映像だけで見る限り、
とむニックは、なるほどくんとは全くの別人なので
果たしてこれを受け入れられるのかどうか……という点で。
でも今回は、幕が上がる前から、もう既に
「“とむニック”も有りだよね」と
観客が認めている状況にあったと思います。
実際、私も、前回は
「『こんなフェニックスは嫌だ』と思ったらどうしよう」と
本気で心配しましたが、
今回はその心配すら全くせず、
「前回通りに今回も素敵に演じて下さるに違いない」と
想像できていました。
そして、その通りに素敵なニックだったので、
私は観ていて幸せになれました。

今回は、メイクや髪型が
前回より少し改良されているのでしょうか。
私は今回の方が好きです。
とーにーかーくー格好良かったです。
さすが主人公だよ!と、
ゲームのなるほどくんには思わない事を思ってしまいました。
あ、そうそう、蘭寿さんの髪型は
前回ではドナルドダックのお尻を思わせるプリティさがありましたが
(指で突つきたいかわいさがたまらなかったです)
今回はちょっと違うようで
私は「ワイルドだなぁ」と思いながら観ていました。

私は、前作の「1」も、レオナというキャラクターも、
演じて下さった美羽あさひさんも好きだったので、
レオナの名を連発しているニックにも好感を持てました。
「どんだけレオナが好きだったんだ、ニック……!」と
思いました。
この舞台では、過去のニックとレオナが何度か出てくるのですが
(司法試験に挑もうとしてお互いに励ましあっている)
それに向かって現在のニックが手を伸ばしているシーンは
本当にせつなくて、ほろりときました。
ニックが未だにレオナに固執している件は、
もしかしたら、賛否両論あるかもしれません。
でも私は、“レオナ愛”を貫いているニックを見られたのが
もうもうもうもう嬉しかったです。
最後、ル−チェの告白をニックが寸前に止めたのも良かったし、
その後にニックが発した
「心の中のレオナと一緒に歩いていく」云々の台詞も
(現実的に考えると、これはこれで淋しい事ですが)
沁みました。

また、フィナーレのショウで
蘭寿さんがちょっとだけ
「1」の曲「信じている」を唄ってくださったのも
(サビが「君のすーべーてーをー取り返したいかーらー♪」の曲)
嬉しかったなぁ。
私は、前作の中でこの曲が一番好きで、
友達のAさやさんからDVDを借りた際に、
何度も何度も飽きる事なく聴いていました。
でも、これはあくまでレオナとニックの歌だから、
公演のチラシに歌詞が載っていた出だしの部分はともかく
サビの部分については、
ヒロインがル−チェである今回は聴けないだろうと思っていたので、
嬉し過ぎて、つい泣いてしまいました。
その後の「ア〜」は、赤面王子の愛称に相応しく
こちらが照れてしまうほどの熱唱っぷりでしたが、
よくよく考えたら、あれはレオナへの愛の叫びの一部なので、
この日の二回目の公演(15時)では
しんみりと聴いてしまいました。

相変わらず、マヤちゃん(真宵)にちょっとだけ冷たいのも
原作のなるほどくんっぽくて、良かったと思います。
でも、最後の「忘れてた」はちょっとヒドいww

一部、蘭寿さんの歌声がフラット気味になったのが気になりました。
でも、テーマソング「蘇る真実」を始めとして
この作品の歌は、割と難しい(メロディの一部の高低が激しい)ので
あれだけ歌えていれば及第点は超えていると思います。



次は、私が逆裁シリーズの中で一番好きなキャラ
エッジワース(御剣)の悠未さん。
正直、私の中では
「1」で七帆ひかるさんがエッジワースを完璧に演じきって下さったので
悠未さんのエッジワースを見る事に対して
不安がないわけではありませんでした。
他キャラも含めて、宝塚の再現度は非常に高いので、
悠未エッジも凄いのだろうとは予想できていましたし、
たとえば、
七帆エッジ:「1」の頃のやや刺がある彼
悠未エッジ:1-4を経て、人間的に少し丸くなった彼
という差別化が自分の中でできれば良いとも思っていましたが、
悠未エッジを見る事で、
もう七エジを見られない事を再び惜しむようになるのではないかと
懸念していたんです。

結果は……ちゃんと、
「あぁ、これが新しい(今の)宝塚版エッジワースなんだ」と
受け入れる事ができました。
今回は、キャラクターとしてのエッジワースの立ち位置が
「1」とは少し違っているのか、
法廷中に白目を向いて机をドンドンと叩いたり、
変なところでフッと気障なポーズを取ったり……と
ゲーム本編でもよく出てくる、エッジワースのコミカルな部分が
強調されていました。
前回の七帆さんのエッジワースは、王子様キャラというか、
本当に二枚目が強調されていたので
全体的に気品があるような感じが出ていたと思います。
でも、悠未さんのエッジワースは、
格好良いのですが、王子キャラよりはずっと庶民的で、
人間味のある彼になっています。
なので、“エッジワース(御剣)のこういう部分が好き!”と
こだわりを持つ原作ファンは、
その“こういう部分”が何であるかによって、
「私は前回の方が好き」「私は今回の方が良い」というように
意見が分かれると思います。

私は、一見するとちょっと冷たい感じがする御剣が好きなので
(そういう彼が、
突つかれると情に脆い・情に厚い部分を出してくるのが好き)
どちらかと言えば、七帆さんのエッジワースの方が好きです。
でも、悠未さんのエッジワースも好きですし、
もし次回があるなら、是非、悠未さんに演じて頂きたいです。
個人的には、悠未さんは背が大変高い方なので
ゴドー検事やロウ捜査官といった男前キャラも合うかなと思います。
ところで、悠未さんって、シーンによって
靴(ヒール)の高さを変えられてますよね??
低い靴でも、元の身長が凄いので、やっぱり高いのですが
あぁこういう気遣いもされてるんだと知って、驚きました。

前回の「1」の感想でも書きましたように、
私は、エッジワースがニックの事務所のソファに座る様に
ノックダウンされたので
(「あぁ、御剣はこう座るよね!」と、本気で感嘆したんです……)
今回はエッジワースが座るシーンがなくて残念でした。

あ、上記で私は
「今回のエッジワースはコミカルさが強調されている」と
書いていますが、
ちゃんと格好良いシーンも多々あります!
黒のロングコートを着て登場するシーンや、
フランジスカ(冥)の代わりに彼が法廷に現われたシーンを観た時は、
きっと私の目はハート型になっていたはずですww
あまりにも格好良過ぎて、くらくらと目眩がしました。
特に後者は、御剣のテーマソングである
「大いなる復活」が流れていたのが、更に良かったです。



次は、今回から登場したフランジスカ(冥)役の藤咲えりさん。
ちなみに、私にとって冥ちゃんは
逆裁シリーズに出てくる女の子の中で一番好きなキャラクターです。
御剣並みに思い入れが強くあります。

事前に公開されていたお写真を見た時は、すみませんが
「茶髪の冥ちゃんってどうなんだろう」と
少しだけ複雑な心境になりました。
でも!!!!!!!!
第一幕のプロローグで映像が流れた後に
舞台で実際に動かれる藤咲さんを見て、「うわー!」となりました。
小さい、細い、きれい、かわいい……まさに冥ちゃんでした。

フランジスカの本格的な登場は、最初の法廷でした。
ゲーム通りの鞭の振り方にほれぼれしました。
また、鞭を畳んで片手で持つ際に、
ゲームの冥ちゃんは、一つの円をくるりと作るのですが
この点も完璧でした。
両手を広げて膝を折る挨拶(礼)のポーズも、
机に肘をついて片手の指を左右に振り、相手を煽るポーズも、
人の話を聞く時に、御剣のように腕を組んで
左手の指だけを上下にトントンと動かすのも、まさに冥ちゃんでした。
調書を読み上げる時など、早口過ぎる事が気になりましたが、
言葉はちゃんと聞き取れましたし、
何より、その後に来る締めの言葉が
(サイバンチョや証人に対して放つ言葉。
たとえば「とっとと進める!」とか)
その早口がある事によって生かされていたので
メリハリが効いていて良かったと思います。
まさに、狩魔の名に恥じない完璧さがありました。

冥ちゃんと言えば……お約束の「バカ」三連発もありました。
「バカはバカよりバカな夢を見るもの」
「バカがバカげたバカさわぎ」という台詞がありました。
また、ニックをフルネームで呼んで
ニックから「止めてくれ」と内心で言われるシーンもあって、
原作でこのやり取りが好きな私は
舞台で聴けて、本当に嬉しかったです。

残念だったのは、ディック刑事(イトノコ)がヒゲ面でないので、
これまた定番の「ヒゲ」呼ばわりが無かった事です。
でも、まぁ、これは仕方ないですよね。
私も、無い事には納得しています。

藤咲さんについては、私はそれまでお名前も知らなかったので
(すみません)
演技はお上手だし、滑舌良いし、歌えるし、踊れるし、美人さんだし……で
びっくりしてます!
実は、休憩中、藤咲さんのお写真を買おうと思ったのですが
会場では彼女のお写真の取り扱いは無いんですね。
キャトルレーヴに行けばあるのかなぁ。
是非是非、欲しいです。
今回の公演で、一気に、藤咲さんのファンになりました。
それまで好きだった美羽さんが退団されて
淋しい思いをしていたので、
代わりと言っては失礼ですが、
次のお目当てさんを見つけられて幸せでした。

あ、そうそう、エッジワースとフランジスカの身長差も
ファンの私にはたまらなかったです。
兄と妹という感じが本当にしていて、
お二人が並ぶのを見る度に、内心でキャーキャー言ってました。
二人のデュエット部分があったのも嬉しかったです。



ディック刑事(イトノコ)役の春風さんと、
マヤちゃん(真宵)役のすみれ乃さん、
裁判長役の風莉さん、
ロッタ(ナツミ)役の美風さん……も、前回からの続投で、
今回も再現度高く、熱演が素晴らしかったです!!!

ディック刑事は、今回、ソロの歌があるのが嬉しかったなぁ。
イトノコさんがこの舞台を観たら
「自分も唄ったッス!!」って
真宵ちゃんを始めとする皆に自慢しまくるんだろうなと思いましたw
警察手帳を嬉しそうに突きつけて唄うシーンも、大変良かったです。

マヤちゃんがかわいらしいのは、相変わらずで。
今回は二回目の法廷での出演が無いので、
出番は、前回より少し減っているかもしれませんが、
“綾里の話以外だとなるほどくんの周りをうろちょろしている”という
真宵ちゃんのキャラクターの特性を考えると
これも仕方がないのかなと思いました。
いつか、短くても構わないので
ニックとデュエットしてほしいです。

裁判長は、黙って座っている時間が長いので、
前回と同様に、今回も残念です。
たまには、裁判長の苦悩の歌も聞いてみたいです。

ロッタは……
私は、ゲームのナツミさんがちょっと苦手なのですが
ロッタは大好きです!
いい感じでお話を引っ掻き回してくれるなぁと、
彼女が出る度に、心が和みました。
今回のキーワードが「バイト」で、
前回の「ダブルシャッター」の時と同様に、
キーワードがキャラクターの特性に繋がっているのが凄いなと
思いました。



さて、今回の舞台のオリジナルキャラクターである
ル−チェ役の純矢ちとせさん。
前回は、レオナの妹のモニカ役でご出演されてました。

実は、以前に行なわれた宙組公演のレビュー「Amour それは…」で、
純矢さんが、美羽あさひさん&花影アリスさんと共に
白いドレス姿でソロ部分を唄われたのを観て
「歌がお上手な方だなぁ」と思っていたので
今回は観劇前から凄く期待していました。
ソロで、楽曲「信じている」の一部を聴けたのが嬉しかったです!
(遠い波は〜蜃気楼〜 揺れては〜消え〜る〜♪)

最後、ル−チェがニックに告白しようとした時は
「おいおい、ローランドを待たないの?」と
ツッコミを入れたくなりましたが
これは脚本の問題で、純矢さんがまずいわけではないので
今回は置いておき、後で書く記事で改めて触れる予定です。

今回、ル−チェはヒロインという立場ですが、
ゲームファンの印象としては、
冥ちゃん(フランジスカ)を完璧に演じきった藤咲さんに
食われちゃったようにも思えました。
でも、ル−チェの清潔感は
最初から最後までしっかりと感じられましたし、
ローランドが逮捕された後に
負の感情をニックにぶつけるシーンなどは
リアリティたっぷりの演技で、
私もつい見入ってしまいました。
前作のモニカの時は、ブレスノイズが気になった事もあり、
大変失礼ながら、全く注目してなかった娘役さんでしたが
(なので、私が純矢さんを初めて気にするようになったのは、
7/5の「薔薇雨/Amour それは…」の千秋楽を観た後なんです)
藤咲さん同様に、一気に好きになりました。
白いドレスでのデュエットダンスも、可憐で華麗で素敵でした!
この時↑の、蘭寿さんとのツーショット舞台写真が
ロビーの売店で売られていると知ってましたので、
終演後に慌てて買いに行きました。
07.jpg
*こちらもお顔を隠しました

第一幕の最後、皆が集合するシーンで
ル−チェだけがぽつんと立っているのが、本当に淋しそうで、
立ってるだけで心情が伝わってくるのが凄いなと思いました。

今回の公演は、男役さんは勿論ですが
娘役さんに注目すべき点が多くて、ウハウハです。
皆、かわいくて素敵で、本当にもうたまらなかったです。



そして!
ル−チェの恋人・ローランド役の七海ひろきさん。
すみません……見る前は、ノーマークでした。
だからこそ、法廷シーンの終盤における七海さんの熱演には
もうもうもうもう驚きました。
最初に観た時は、
現実の不条理さを法廷で説くローランドの言葉を聞いているうちに
気付いたら泣いてました……。
真に迫る演技が物凄かったです。

ローランドは、
最初に出てくる時:爽やかな好青年
捕まった後:憎たらしい敵
最後:哀れな男
──と、キャラクター性が途中で二度も変わるのですが、
それぞれの変化も上手く好演されていたと思います。
とにかく凄かったです。
正直、ニックとの対決に負けて
“落ちた”後のローランドを演じる七海さんは、
蘭寿さんを食ってたと思います。
それぐらい凄い。本当に凄いです。

逆転裁判シリーズのゲームを遊ばれた方ならご存知でしょうが、
この作品は、
最後に主人公が勝っても本当の意味で大団円とは言えない
……後味の悪い話があります。
そういう意味では、ローランドというキャラクターは
ヅカ版の作品の犯人としてぴったり合っていたと思います。
失礼ながら、今回の作品の推理部分には穴がありまくりで、
ミステリものとしての完成度はとても低いのですが、
七海さんの素晴らしい熱演を観ていると、
そういうのを指摘したい気持ちはどうでもよくなっていき、
ローランドの悲しさや哀れさに心が揺り動かされてしまいます。

見終わった後に、しみじみと(感嘆しながら)
「あの演技は凄い」と、友達に何度も言ってしまいました。
なんかもう、「すごい」としか言えない自分の語彙に
絶望したくなりますが、
でもでもでもでも、本当に「すごい」としか言えないんです。
別の作品でも七海さんの熱演を観たくなりました。

もし、今回ご出演のタカラジェンヌさんの中で
お一人だけに感想を直に伝えられる機会を得られるとしたら、
完璧な冥ちゃんを演じられた藤咲さんとも迷うけれど、
私はやっぱり七海さんを選ぶと思います。
そのような機会は一生ないでしょうし、
ご本人様にこの気持ちが届く事もないでしょうが、
本っっっっっっっっっ当に良かったです。感動しました。
もし、ご本人様とお話しできる方が、こちらをお読み下さったのなら、
一人のゲームファンが心底感動していたと
是非是非お伝えください。
今回の舞台を通して、
七海さんの熱演を生で見られて幸せでした。
最後の独白シーンだけでも、見に行った甲斐がありました。
DVDになると、迫力は生より落ちますからね……。
本当、あの舞台と同じ空間に居られて、幸せでした。



そんなこんなで、第一部が終了した後は、
一時間半しかないけれど、お腹が空いたのでご飯という事で、
別の席で観ていたAさやさんと、ここから参加のHさなさんと合流し、
赤坂駅の近くにあるカレー屋さん「モティ」に入りました。
(私、ここのカレーが大好きで、赤坂見附店の常連なのです)
02.jpg
チキンカレーうまうま!

開演中にメモを取る為のノートが終わってしまったので
(暗がりの中、顔を上げたまま手探りで書いてるので
必要以上に行間が空いてしまい、ページを食うんです)
食べ終えた後は近くのファミマに移動して、新しいノートを買い、会場へ。
途中で見えたTBSの放送センターに、ちょっと興奮した後は
05.jpg
15時からの公演の為に、再びACTシアターに入りました。
06.jpg
この回は、私は二階席でしたので
ステージを立体的に上から見る&全体的なお浚いという目的を持って
観劇しました。
二階席でも、やはり最後の七海さんの熱演は、
ローランドの辛い心情がひしひしと伝わってきて、素晴らしかったです。



終演後は、翌日(昨日9/13)にあるイベント用の原稿を
まだ終えてなかった為、
どこにも寄らずにまっすぐ帰宅しました。
いきなり現実に戻された事もあって、
「あぁ、いいもの見せてもらったなぁ。夢だったなぁ」と
本気で思いました。


ちなみに、9/13のイベントは、逆転裁判の同人誌即売会でして……
会場ではヅカ逆の話題でもちきりでした。
キャトルレーヴの紫色のビニール袋を、方々で見ました。
皆が持ってました。私も持ってましたww

頻繁に、ヅカ逆やジェンヌさんの話題が出るのは勿論のこと、
手持ちのお写真やプログラムを見せあうよう事も
あちこちで繰り広げられていました。
会場では、ヅカ逆版のコスプレイヤーさんも多々いらして、
その再現度にまたびっくりしました。
萌えましたw
ヅカ版の逆裁本もいっぱい出てました!



とにかく、ゲームファンとしては、
原作の“逆転裁判”という作品を
スタッフさんとキャストさんが大事にして下さっている事が
ひしひしと伝わってきて、ものすごく嬉しかったです。
ファンの私がこれだけ嬉しいのだから、
きっとゲームのスタッフさんは感涙ものだったと思います。
チケット代を支払った時は
つい「うう、高いなぁ」と思ってしまいましたが
終演後には「観て良かった! 来て良かった!」と
心の底から思えました。
素敵な舞台を見せてくださり
本当に本当に本当にありがとうございました。
幸せでした。
08.jpg
*プログラムのマヤちゃんを真似しましたw


逆転裁判のゲームが
シリーズとして今後も長々と作られていくとしたら、
前回と今回の宝塚での舞台化は、
未来においても
まちがいなく「あれは良かった」と語り継がれるはずです。
それらの舞台を二作とも生で見られた事に
心から感謝したくなりました。
何度言っても、足りません。
ありがとうございました。
もし、「逆転裁判3」か「逆転検事」の舞台化の構想が
練られているのなら、
是非、また宝塚歌劇団さまにお願いしたいです!


────

それぞれのシーンのレポートと感想は
別記事として後日アップします。
長文ですのに、ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

明日(9/15)は千秋楽です。
良い舞台だっただけに、終わってしまうのが残念でなりません。


(追記)レポと感想の続きも書きました。

[2] 第一幕の流れ&第1場〜第4場
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-16
[3] 第一幕 第5場、第6場の途中まで
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-18-4

9/15の日記
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-15-2


────
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2009-09-14 23:05  nice!(0)  コメント(4) 

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コメント 4

クローバー

いつも長文楽しく読ませて頂いております。
ジェンヌさんに感動して頂けた事、私も嬉しいです♪
是非そのお気持ちでお手紙を書かれてはどうでしょう。
ブログだけなんて勿体無い!きっとご本人も嬉しいと思いますよ。
〒665-0845 兵庫県宝塚市栄町1-1-57
 宝塚歌劇団 宙組 ○○様
で、ご本人に届きます。
是非ナマの声を届けてあげて下さい!!

by クローバー (2009-09-15 01:03) 

はまたろう

えりちゃん一人での舞台写真はなかったと思いますが、
キャトルでカルマとエッジワースのシーンの舞台写真は売ってましたよ!
お勧めです。
by はまたろう (2009-09-15 09:53) 

さくら

■クローバー様
初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。

お手紙は、バンドのおっかけをしていた時代によく書いていて、
もう縁がないものと勝手に思い込んでいたのか
全く頭にありませんでした。
わざわざご住所まで教えて下さり、ありがとうございます。
今日、早速、好みのレターセットを買ってきました!
失礼にならないように書くのは難しいですが、
それでも、感動した事を少しでもお伝えする為に、頑張ってみます。本当に素敵な舞台を見せて頂けて、とにかく幸せだったので……!

レポはまだ続きますので、
お手すきの際にでも、読んで頂ければ嬉しいです。
本当にありがとうございました。
by さくら (2009-09-16 23:58) 

さくら

■はまたろう様
初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。

藤咲えりさん個人のお写真はないんですか……。
残念でなりません。
というか、藤咲さんに限らず、下級生のタカラジェンヌさんは
お写真の扱いがあまりないんですね。
役つきのジェンヌさんは、総じて
一枚ぐらいは個人ショットがあるものだと勝手に想像していたので、
ちょっとショックでした。

実は、藤咲さんは勿論のこと、
七海ひろきさんのお写真も、どうしても欲しかったので、
15日の観劇後にキャトルレーヴに行ったのですが、
シャンテ店では、舞台の“引いた”お写真しかなかったので、
残念だなぁと思いながら、そちらを買っただけで帰ってきたんです。
教えて下さり、ありがとうございました。

挙げて頂いた、エッジワースとフランジスカの2ショット写真は、
15日に行った時は売り切れていたんです。
(東宝のキャトルはお休みだったので、
もしかしたら、そちらにはあったかもしれません)
欲しかったなぁと思って帰宅した後に
はまたろう様のコメントを拝読しましたので、
お勧め頂けるほどなら、売り切れでも当然だなと思いました。
確か、法廷でエッジワースが鞭を渡すシーンですよね。
地方住まいなので、キャトルレーヴには滅多に行けないのですが、
運良く早めに行けたら、また覗いてみるつもりです。
by さくら (2009-09-17 00:10) 

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