さくらもちモチ

感想「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜（ファントム）」第24話：対峙　[アニメ感想] [編集]

アニメ「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜（ファントム）」の感想です。
今回は第24話「対峙」です。

原作のゲームや漫画などは見ていません。
以下の感想にはネタバレを含みます。


前回の第23話「決断」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-04-1

各話の感想は、他作品も含めて
下記一覧ページでURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-9


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夜中もいいところなのに、
私は思わず「キャル〜〜」と叫びそうになりました。

そういう国に生まれてしまった事もあって
幼い頃からしなくてもいい苦労を強いられてきたキャルにとって、
皆から大事に守られてきた温室育ちの藤枝美緒ちゃんは
羨まずにはいられない存在に見えたと思います。
キャルだって、酷かった境遇の何かが一つでも違っていたら、
幼い頃に強い飢えを感じるような人生は送らずに済んだはずですから。
なので、キャルが
理不尽な嫉妬からくる憎悪を美緒ちゃんにぶつけてしまうのは、
してはいけない事とはいえ、
ついそうしてしまう心の内を、私も察することはできました。
また、本来の美緒ちゃんの立場を思えば、
彼女もキャルと同じように、血なまぐさい世界に身を置くはずだったのに、
周囲の人間の優しい気遣いのお陰で、
敢えてそうしたものから遠ざけられていたのも、
キャルには面白くないと思えたはずです。

でも、美緒の心を傷つける為に服を破った後のキャルは、
ただ震えて逃げる事しかできない彼女を見て
気持ちが変わったようで、
一転して優しいところを見せています。
美緒ちゃんの服を破ったくらいでは、到底、
キャルの怒りは晴れないはずですが、
それでも、少し気が済んだような……
たとえば、遊ぶのに飽きた玩具を子供がぶん投げるように、
「もういいや」って興味を無くす様子が、描かれていました。
これは、キャルはキャルで、
本来、美緒は自分たちの戦いに巻き込むべき人間でない事
──美緒をどうにかするのは筋違いだと
ちゃんと認識している証のように思えました。
エレン（アイン）に掛けた電話の最後で、
美緒の居場所を正しく伝えたり、
服を用意するように進言した辺り、
義理堅いキャルの性格もよく出ていたと思います。
キャルにとって美緒は、あくまで
怜二やエレンをみすみす逃さないための道具に過ぎません。
なのでキャルには、ある一定以上、
美緒を人質として大事にする必要性はあるけれど
（美緒を死なせてしまったら、人質の意味がなくなる）
彼女を拘束した後に服を破いて放置しただけで済ませてしまったのは
行動が軽過ぎるというか、普通、あり得ないと思います。
怜二をひたすら待っていた過去を思い出して感極まった末に、
窓辺でつい泣いてしまったシーンも合わせて、
やっぱりキャルは情に厚いキャラクターだなぁと思いました。

服を破られた美緒ちゃんについては、
やはり、アニメ的考慮があったのでしょうか。
原作がエロゲーであるのを踏まえれば、
そちらでは、キャルが美緒ちゃんに性的悪戯をするシーンもあったのかと
想像してしまいました。



さて、まるでお大尽のように、サイス・マスターが、
新たなファントム候補？の女の子たちをはべらせていましたが……
彼がかつてアインにそうしていたように
ボディオイルのような物を彼女達の身体に塗っているシーンは、
まるで武器のメンテナンスをするようでした。
アインの時は、初めて見たのもあって
いやらしさをもう少し感じましたが
今回は全然だったなぁ。
そして、彼女たちには
“ツァーレンシュヴェスタン”という名前が与えられているそうで。
サイスはドライに対して、
アインとツヴァイを抹殺させる為の駒としか考えておらず、
もしそれが元でドライが亡くなっても構わない
（殺しあいという名のショウの出演者が亡くなる）と
思っているようです。
サイスにしてみれば、歴代の三人のファントムは試作品で、
このツァーレンシュヴェスタンこそ、
それまでの成果と反省を生かした作品になのでしょうから、
最終的には、彼女らを仕向けて三人を狩るようになるのかなと
私は思っています。
今回のサイスの自信満々っぷりが凄かった上に、
当人たちの行き違いがあったとはいえ、
彼は、エレンに怜二、キャルの人生を弄ぶような行動が過ぎるので、
最終回での彼は、間違いなく亡くなるんだろうなとも想像しています。
最後は、あれほど怜二を殺したいと望んでいたキャルだったのに、
彼が危なくなったらちゃんと助けて、
エレンがサイスを撃つ展開になるといいなぁ。
ベタベタでコテコテの王道展開ですが、これが一番見たい話です。






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続きの第25話「決着」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-18-1

宜しければ、合わせてどうぞ。

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