さくらもちモチ

感想「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜（ファントム）」第23話：決断　[アニメ感想] [編集]

アニメ「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜（ファントム）」の感想です。
今回は第23話「決断」です。

原作のゲームや漫画などは見ていません。
以下の感想にはネタバレを含みます。


前回の第22話「激昂」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-28-1

各話の感想は、他作品も含めて
下記一覧ページでURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-9


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サイスに引き取られたキャルが
どの時点でリズィと引き合わせられたのは分かりませんが
（キャルが昔の幼いままだったので、初期の頃だと思いますが）
その時点で、今の彼女を臭わせるような
冷酷な微笑を浮かべていたのが、とても怖かったです。
多分、サイスにあれこれと吹き込まれたせいでもあるのでしょうが、
キャルはもう、早い段階で
玲二に対する憎悪を募らせていたんですね。
子供の笑顔で、的を正確に撃ち抜くシーンは
大人になってからの彼女が銃を構えるシーンより
何倍も怖かったです。



前回のチンピラ退治（憂さ晴らし）でもそうしてましたが、
キャルが懐中時計のオルゴールの蓋を開けるのは
一種の儀式のようでした。
キャルは、玲二との楽しい思い出を
全て封印したつもりなのでしょうが
こういう事にこれを使っている
（懐中時計を常に携帯している）時点で
彼に対する未練がたっぷり残っていると思います。
そもそも、復讐するという行為自体、
キャルにとっては愛情が理由になっているんですよね。
今は、恋敵とも言えるエレンが玲二の傍にいる事もあり、
二人を憎む事しかできないのでしょうが、
仮にもし、玲二が別の敵によってピンチに陥ったら
逆に彼女が彼を助ける展開になるような気もしています。

というか、以前の回で描かれた
リズィの話を聞いた直後のキャルの反応を踏まえると、
彼女に玲二を痛めつける事は容易くできても
やっぱり命までは奪えないと思えてならないです。
キャルは、今でも玲二を好きだからこそ、
ちゃんと決着をつけたいと考えているように見えました。



キャルが玲二に電話で伝えていた
「今度は逃げられないんだよ……今度は」の言葉は
大変重くて良かったです。
玲二に逃げたつもりはなかったけれど、
置いていかれたキャルにしてみれば、
彼に逃げられたと勘違いをしてしまうのは当然の事です。
でも、おそらく今のキャルは、
当時の玲二が好き好んで逃げたわけではない
──自分を置いていったのには彼なりの事情があったんだと
分かっているはずです。
ただ、キャルがそれを認めてしまうと、
サイスに引き取られた後の彼女自身を
自ら否定しなければならなくなるので、今は嫌でも
「悪いのは自分を捨てた玲二 / だから自分は玲二に復讐する必要がある」と
自分に言い聞かせる必要があるのかなと思いました。

だからこそ、玲二の代わりにエレンが出ていく展開は
キャルの感情を逆撫でする事に繋がるので
まずいのではないかと思います。
キャルにしてみれば、代わりとしてエレンに出てこられた時点で
“玲二にまた逃げられた”事になるわけですし。
この件に関しては、エレンが立てた計画とはいえ、
「ヤバいよなぁ」と見ていて思いました。
作戦が裏目に出るとしか思えません。

また、男が場に現れないで、
女二人が銃口を向けあうかもしれない展開は
いかにもギャルゲーっぽい（男に都合が良い）話なので
そうなるかもしれない可能性を感じられた今回は、ちょっと萎えました。
アイン対キャルの争いに対して、物凄く興味をそそられる分、
男を取り合うような展開になっているのがちょっと残念です。
そうした事を抜きで、
二人が普通に戦ったらどちらが強いのかを、見てみたいです。



リズィの死は、残念としか言い様がありませんでした。
でも、彼女が最後まで
玲二やキャルの為に心を砕いていたのが分かって
嬉しかったです。
もしクロウディアが今も生きていて
リズィと同様に行動していたとしても、
彼女ほど彼らを大事に思わなかったはずです。

これは以前の描写からも感じられた事ですが、
リズィの仲間意識は、見ている視聴者が嬉しくなるほど厚いですね！
大量の武器と共にキャルがいなくなった件を受けて
サイスの元に単身で乗り込んでいったり、
キャルと銃口を向けあうという緊迫した状態で
「撃ちたくない」と言って本当に撃たなかったり……と、
最後の最後まで、
リズィの優しさが魅力的に描かれていたと思います。
これは良かった──のですが、
私は、できれば彼女には生きていてほしかったので
諸手を挙げて喜ぶ事はできませんでした。



予告によると、
次回は美緒ちゃんがいやーんな目に遭うようですね……。
服をひん剥かれる程度だとは思いますが
何も知らなかった子なので
あまり酷い目に遭わないといいなと思います。
そして、いい加減に
BGMをなんとかしてほしいです。
以前からそれほど良くもなかったけれど、
第３部になってから、明らかに酷くなっています。






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続きの第24話「対峙」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-11-1

宜しければ、合わせてどうぞ。

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