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感想@アニメ「大正野球娘。」第8話 麻布の星*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「大正野球娘。」の第8話「麻布の星」の感想です。
ネタバレを含みます。
原作の小説は未読です。


前回の第7話「麻布八景娘戯」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-21-3

各話の感想記事のURLは、他のアニメ作品と共に
こちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-27


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今回は番外編的なお話……なんですよね?
そうだと信じたいです。



映画の代役を探している国際キネマのスタッフの推薦で
見事、女優として銀幕デビューする事になった
小梅ちゃんのお話でした。
なんだか、野球漫画としては駄目だと感じられた
強い者との対決に臨む為に辻打ち、辻投げをしていた前回の方が
まだマシだったと思いました orz
この作品はおそらく1クール(3ヶ月)作品だと思うので
そうなると、もう終盤に入るはずなのですが
この段階になって野球に励まないのは
(野球のシーンが少ない)
もう描きようがないという手の内を晒したようなものです。
彼女たちのチーム櫻花會の目的は
宿敵?朝香中学野球部を倒す事なので、
残りの回でそれが行なわれるはずですが
結局、勝つまでのエピソードが薄いまま
大団円で終わるような気がします。

これは、この放送枠の前作「けいおん!」もそうだったのですが、
日常生活の微笑ましいエピソードが中心に描かれるばかりなので、
肝心の練習シーンが少ない/内容が薄いんです。
よって、登場人物が技術の向上を望み、悩んでも
その為に用意されたエピソードをこなす事で、
大体その回の中で解決されてしまいます。

たとえば、「けいおん!」の唯が妹の憂に
「お姉ちゃんはいっぱい練習してるよね」と言われ、
家で自主練をしているシーンを数秒流されただけで、
いっぱい練習した事が成立している……という事がありました。
この「〜野球娘。」についても、
晶子さんが随分あっさりと魔球を身に付けられていました……。
実際、今の世の中だと、
野球を始めたばかりの人が変化球を投げられるようになるまで
それほど時間は掛かりませんが
(投手と変化球の種類には合う合わないの相性がある上に、
実戦で使える程度まで上達する事は本当に難しいですが、
カーブぐらいなら本格的に学べば、
誰でもとりあえず曲がるぐらいまでには投げられます)
晶子さんの場合
どういう球を投げられる可能性があるのかを知らず、
お手本にできる人もなく、握り方も分からず
──言わば独学で発見したんですよね。
それこそ、晶子さんが魔球を会得するのを真面目に描いたら
三ヶ月分フルに尺を使っても無理かもしれないので、
それを圧縮して
努力の末に“投げられるようになった!”とするのは良いのですが
あまりにも短過ぎます。

今回のように、野球とは直接関係ないエピソードが入るなら、
晶子さんが魔球を投げられるようになるまでの顛末を
もっと丁寧に描いたり、
自室でこっそり練習している話や
疲れてしまって本来の学業がちょっと疎かになっている
(それでも頑張って勉強している)話、
他の野球部の試合の見学、
そして勿論、放課後のグラウンドでの櫻花會の特訓風景……など
描くべき事が多々あるのになぁと思いました。



と、まぁ、ぐだぐだ文句を言ってますが
この作品は野球がメインなのではなく
きゃいきゃい言いながら野球“も”する女の子たちが主らしいので、
不満を持つ私が筋違いなのは、よく分かっています。
私が櫻花會に対して「簡単に上達し過ぎww」と不満を漏らすのは、
ファミレスに入って
ちゃんとした職人さんが握った寿司が出てこない事に対して
いちゃもんをつけるようなものですよね。



小梅が、主演女優として代役を任されたかと思いきや
実はスタントマンで、代役も川に落ちる一瞬だけ……というオチも
話としては弱かったです。
でも、この作品はそういう微笑ましいエピソードを積み重ねて
成り立っているので
そういう点では、このささやかな出来事は
まさに合っているのかもしれません。

まるで銀幕のスターにでもなったかのごとく
皆に見つめられながら人力車で家を出発するシーンは
私も笑ってしまいました。
神社で特訓まで行なったのにそれが全く必要とされなかったのは
残念でした。
三郎さんとの特訓は、私にも好ましいエピソードだと思えました。
三郎さんが、ちゃんと小梅を好きらしいのが良いです。

小梅を貸し出す代わりの交渉の取引材料として、
乃枝が国際キネマのスタッフに試合の映像を秘かに見せてもらう話も
ちょっと弱かった気がします。
あれだけ乃枝が目を輝かせて協力的になったのだから
さぞかし素晴らしい事をしてもらえるのかと思いきや
こういう顛末だったので
「え? これだけ?」と思ってしまいました。



野球をテーマにした作品と思わなければ
充分、楽しめたと思います。
作品に対して期待し過ぎる自分が悪いとは分かってますが
もう少し、彼女たちが努力するシーンを真面目に描いてほしいと
強く望みます。
……って、毎回同じ事を書いてますね、私。




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続きの第9話「誤解の多い料理店」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-04-3

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-08-28 18:24  nice!(0)  コメント(2) 
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コメント 2

とおりすがり

うーん……けいおんの時にもあちこちで同じような感想は見受けられ、こちらはあれよりもう少し練習風景が描かれてるのでその分その手の感想は少ないのですが……
実際、書かれてる方としても、「無理言ってる」と承知の上だから難しいところというか。

真面目な話、けいおんにしろ大正野球娘にしろ、ガチの練習風景メインで作ることは出来るでしょうけど、それってやっぱり一部が評価してくれても、多くの視聴者は「もっと楽しいキャラ同士の交流が見たかった」と思うかと。
制作側はその事を充分に分かってるから、何と言われてもこういう構成にすると思います。
尺があれば練習風景をがっつり描くでしょうけど……どっちか削るならこうなるかなと。
ある程度の練習などが必要な作品だと避けて通れない問題ですが、リアリティがなくなるからそういう作品はやめるって流れになっても勿体ないし、難しいですよね。
by とおりすがり (2009-08-28 19:28) 

さくら

■初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。

以前の感想記事でも書いたのですが、私も、
「けいおん!」キャラより「〜野球娘。」キャラの方が
練習していると思えますので、
この点については好感を持っており、評価もしています──が、
前回と今回の放送では、練習に重きを置かれず、
その他の事がメインになっているので残念だと思っています。

また、作中における野球の割合への不満については、
こちらも以前の感想記事で触れた事の復唱になりますが
本来、この作品は
“野球もする少女たちの日常”として評価されるべきです。
この場合、重きが置かれているのは
“野球”ではなく“日常”です。

「けいおん!」もそうなのですが、
作品はあくまで“日常”をメインに描かれているのに、
出版社なりアニメ制作会社が“野球”を押し出しているので
(「けいおん!」の場合は“楽器演奏”)
私は「あれ?」と思うわけです。
記事の感想にも書きましたように
野球をウリにするのであれば、もっと野球を主にしてほしいんです。
小梅ちゃんを映画デビューさせるエピソードではなく、
彼女が野球で苦労したり、それこそ
野球で三郎さんの力を借りるようなエピソードを入れる方が
良かったと、思えてなりません。
たとえば、4クールもあるような長いスパンで
今回のような話が幾つか入るのは、仕方がないのですけれど
こちらの作品はたった1クールですよね……。

尤も、私は高校野球と楽器演奏が大好きで、
自分自身が上達までに相応の苦労をしているせいで、
作中でキャラがさほどの苦労をせずに成功している事に対して
人並み以上に「嘘っぽい」と感じてしまうのかもしれません。

by さくら (2009-08-29 23:23) 

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