さくらもちモチ

感想「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜（ファントム）」第9話：名前　[アニメ感想] [編集]

アニメ「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜（ファントム）」の感想です。
今回は第９話「名前」です。

私は原作のゲームを遊んでおらず、
漫画を含めたメディアミックスの他作品も読んでいません。
また、第１〜２話を視聴しておらず、
その分はウィキペディアを読んで補完しています。
これを書いている現在は、16話までとりあえず視聴済みです。


前回の第8話「急変」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-27-6

各話の感想は、他作品も含めて
下記一覧ページでURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-9


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アイン編も大詰めです。
腹を撃たれて傷ついたアインを連れて
車をひたすら走らせ、逃避行をするツヴァイでしたが、
アインはサイス＝マスターに、
ツヴァイはクロウディアとリズィに捕まるという顛末になりました。



今回、アインが“エレン”と名付けられました。

以下、文章の感じで、
アインとエレン、ツヴァイとレイジの名前が交じっています。
読み難いかもしれませんが、ご容赦下さい。

途中で、サイス＝マスターについて語るアインが、
彼が自分に名前を付けてくれたと言いますが、
当時、記憶を消された事で何も持っていなかったアインに
唯一与えられたもの
──それが、“アイン”という数字の名なんですね。
だから、アインにとってサイスは特別な存在のようです。
だとすれば、単なる数字ではない、
彼女の個を表わす名前“エレン”をくれたレイジ（ツヴァイ）は、
この時点で、彼女の中でサイスを超えた存在になったはずです。
エレン自身、アインという名前を大事にしているようですが、
これはあくまでファントムとして
──暗殺者として、サイスの人形として在る時の名前ですからね。
人を殺さなくても名前があるという事は、
エレンにとって大きいと思います。



ドライブの途中で、アインに請われたツヴァイが
思い出したばかりの日本の話をします。
ツヴァイが日本のどこ出身なのかは、私には分かりませんが、
彼が語る日本がどんなものだったのかに興味があります。
きっと、良い事だけじゃないんでしょうね。
クロウディアやインフェルノの他の幹部が言っていたように、
彼らには、安穏としている日本は腑抜けた国として映っているようなので、
ツヴァイは苦笑しながらそれも語ったかもしれません。
でもアインには、そういう点ですら魅力的に聞こえたと思います。
もし、これから遠い先、アインが本当の意味で自由になれたら
この時のツヴァイの話を思い出して、
自分の目で実際の日本を見に行くだろうなとも思いました。



ツヴァイが、レイジとしてのパスポートを破ったシーンは、
分かっていても──何度見ても、衝撃的です。
また、サインの部分の切れ端をアインが持っていた点も……。
ツヴァイは、
“アイン”の名を与えられた時からの記憶しか持ってない彼女を
一人にしない為に、
パスポートを破ったんですよね。
これは、アインを連れて逃げた事に続いて
ツヴァイが自分の意思でちゃんと選択した事でもありました。

自分は死ぬべきだと思って死のうとしたのに、
ツヴァイのいない間に銃口をこめかみに当てるので精一杯で、
実際に引き金を引けなかったアインは、
サイスの人形から、一人の人間として脱却していたと思います。
人としては良い変化……なのに、
この時のアインにとっては、これが絶望でしかないんですよね。
「昨日あそこで死んでいればアインのまま死ねたのに」云々の台詞は、
聞いていて、とても痛かったです。
だからこそ、アインを生かす為にツヴァイが付けた名が
彼女にとって重いんだなぁ……。



終盤、アインがサイスと再会し、
ツヴァイがクロウディアに捕まってしまうシーンは
立て続けに描かれたので、「あぁぁぁぁ」と思いました。
タイミングをはかったように
二人がそれぞれ別の場所で捕まっちゃうなんて、可哀相過ぎます。
そして、アインをエレンとして生かす為に、
ツヴァイがサイスから彼女を引き離そうとするのは正解ですが、
それがサイスの死に繋がるという考えは
あまりにもクロウディアたちに都合が良過ぎます。
もし、ツヴァイが物事を冷静に考えられる状況だったなら、
サイス一人を殺したところで何も変わらない
──自分とアインはクロウディアにいいように使われるだけだというぐらい
分かっていたでしょうが、
それに気付けないほど心身共に衰弱していたのかなと思いました。






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続きの第10話「終幕」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-28

宜しければ、合わせてどうぞ。

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