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感想「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜(ファントム)」第6話:大火 [アニメ感想]

アニメ「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜(ファントム)」の感想です。
今回は第6話「大火」です。

私は原作のゲームを遊んでおらず、
漫画を含めたメディアミックスの他作品も読んでいません。
また、第1〜2話を視聴しておらず、
その分はウィキペディアを読んで補完しています。
これを書いている現在は、16話までとりあえず視聴済みです。


前回の第5話「刹那」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-27-1

各話の感想は、他作品も含めて
下記一覧ページでURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-9


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前回の「刹那」に引き続き、石頭トニーの話でした。

最後で、言わば“良いマフィア”だったトニー・ストーンが
信頼していた人から裏切られて死ぬシーンは、
見ていて後味が悪かったです。
警官のガントが、悪い事をしておいしい思いをしそうだとは、
前回からの描写で何となく想像できていましたが、
腹心の部下であるアントンにトニーが射殺されるとは……。

ハードドラッグが蔓延するのを決して許そうとせず、
メラニー・スクウェアを正しい“遊び場”として
機能させようとしていたトニーの気概は、確かに正しいです。
古い考えかもしれないけれど、
それが良いと考える部下達から慕われていたらしい事から、
彼が持つ小さな庭の中では、それがまかり通っていました。
アントンもトニーの気持ちをよく分かっていたでしょうし、
彼に対して仲間意識も持っていたでしょう。
でも、自分が裏の世界から抜けだせる千載一遇のチャンスの前では、
それらは一気に吹き飛んでしまいました…。
ガントにしてもそうです。
多分、ガントが石頭トニーに目を掛けていたのは嘘ではないし、
インフェルノから話を持ちかけられなければ、
トニーの死を普通に悼んでいたかもしれなかったと思います。
でも、ガントも自分の欲に忠実な男だったので、
実際にトニーを殺したアントンの代わりとして、
“首謀者を射殺した事でマフィア戦争を終わらせた功労者”になり、
警部職への昇進+表彰まで受けちゃったんですね。

トニーは悪くない──と思います。
アントンは、本当の自分を知らないトニーを責めましたが、
逆にトニーから自分の変化を疑われていたら
アントンが辛かったと思います。
また、自分をずっと信じてくれていたトニーを殺して
安穏とした日々を得られた……と自覚し続ける事が、
アントンが生涯背負わなければならなくなった十字架になりますよね。



Bパートの、ファントムによる任務遂行シーンは
息を詰めながら見ました。
面白かった!
インフェルノが行なったという事実をことごとく消して
他人に罪を擦り付ける工作を続ける様は
さすがというか何というか……。
最後、狙撃したアインがマフィアの死体を銃の傍に置いて
立ち去っていきましたが、
こういう分かりやすい工作は、勘の鋭い人にはバレバレですよね。
でも、アイン(インフェルノ)がこうしたお陰で、
捜査をさせられる警察は犯人を探す手間を省けるし、
強大な力を持つマフィアを変に突つかずに済むし、
(真犯人を逮捕できない事を許せない真っ当な警察官もいるでしょうが、
どうもあの世界の警察は腐っているらしいので、
マフィアの気持ち逆撫でして事を荒立てるぐらいならば
嘘の真実をそのまま受け入れた方が良いと思う警察官の方が多そうです)
他のマフィアには「インフェルノに楯ついたらこうなるぞ」という
牽制にもなったと思います。
インフェルノがトニーへの報復を行なっただけでなく、
この機に乗じて、ロサンゼルスを仕切っていたボス達を総じて殺し、
自分たちの勢力を広めることに繋げた点は
本当に空恐ろしかったです。



人を殺した手(銃で人を撃った手)で物を食べる
──人に死を与えた手で、自分に生を与える行為をすることに対する
ツヴァイの自覚も、興味深かったです。
同じ時に、アインが、
拾ってきた一本の切り花を、水入りのコップに活けていました。
彼ら二人の場合、組織の命令に背けば自分に死が待っているので、
まさに、他人を殺す事で自分の生を得ていることになります。
自分が生き続ける為には
人を殺す任務を成功させ続けるしかないという問題が
当人たちの自覚の有無にかかわらず、
彼らを苦しめているんだなぁと実感しました。



さて、梧桐組の二人が登場しました!
この組が辿る未来を見ている私には、
ちょっとせつなかったです……。
インフェルノと積極的にかかわりを持とうとした時点で、
彼らは地獄に足を踏み入れたのと同然だったと思います。



サイス=マスターの、アインへの愛情は
やはり人形愛ですね……。
サイスがアインを完全に“物”としてしか扱ってないのが面白いです。
また、サイスは
この世に自分とアインさえ居れば良いという考えでいるようですが、
彼女を亡くしたら彼はどうするのかなと思いました。






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続きの第7話「過去」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-27-5

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-07-27 11:48  nice!(1)  コメント(0) 
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