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感想:機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第17話「散りゆく光の中で」再放送*ネタバレあり [ガンダム00:アニメ感想]

ガンダム00セカンドシーズン再放送の感想です。
今回は、第17話「散りゆく光の中で」の簡単な雑記&感想です。
ネタバレを含みます。


*日曜午後5時の本放送時も感想を書いていました。
その時の感想はこちら(非常に長文です)
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-02-01-5

前回の第16話「悲劇への序章*再放送」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-16-1


ガンダム00のアニメ感想記事のURLは
ドラマCDやゲーム等の感想記事と合わせて
こちらの一覧ページでまとめています。
機動戦士ガンダム00:アニメ・CD・ゲーム感想一覧



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ブレイクピラー事件の破片撃ち&セルゲイ大佐さようならの回です。
アニュー達もトレミーの中で言っていましたが
こういう有事の時に兵士が軍を越えて一つにまとまれたのは
本当に皮肉な話です。
尤も、こんな時ですらまとまれなかったら、本当、最悪なので
これでも良かったと思える事が、また皮肉なのですが……。



ハーキュリー大佐たち連邦軍のクーデター派が
軌道エレベーターを占拠しようとした際、
リボンズの意を秘かに受けていたアロウズ上層部は気付かぬ振りをして、
わざと彼らが動き易いようにしていましたが
(ブレイクピラー事件の責任をカタロンに被せる為)
皆が一つになって破片撃ちをするとまでは予想していたのでしょうか。
もし予想していたとしても
捏造映像を既に流した後&
真実を証言できる乗客はほとんど死んでいる&
アロウズ内で箝口令を布くのは簡単&
カタロン達の言い分は無視できる
……といった要素から、
放っておいても害は無いと踏んで、放置したのかもしれません。
ただ、リボンズならこれでもいいと思うんですが、
そのリボンズですら泳がせていたヴェーダがこれを容認しているのが
やはり引っ掛かります。
ヴェーダは、リボンズがこうした有事を引き起こした件についても
人類を革新させる為の段階の一つとして黙認した、もしくは、
革新への道に害にはならないので放っておいたか
──どちらかですよね。
結果的に、それらが実って
刹那という純粋種のイノベイターが生まれましたが、
イオリアの計画が全て達成するまで──ヴェーダがそれを実現させるまで、
地球はどれだけの痛みを感じなければいけないのかなと
つい真面目に考えてしまいました。



スミルノフ親子については……
小熊もといアンドレイの愚かさについては、
本放送時の感想で散々書いたと思うので、割愛します。
(私の気持ちは、当時とあまり変わってません)

セカンドシーズンの最後で
GNアーチャーに乗ったマリーと会話をしたアンドレイは、
あの戦いの後、今回の放送でも言っていたように
どんなに小さな命でも救うつもりで
軍人として正しい事を行なっているようです。
結局、彼は、セルゲイ大佐にまつわる真実を知ったんでしょうか。
個人的には、キム司令の顔を一発ぶん殴るぐらいの気概が
アンドレイにあっても良いような気がしますが、
きっと彼は真実を知ってもそうはしませんよね。
そして、キム司令はこの後どうなったのか……。
この先で描かれる四ヶ月の間に
連邦政府は完全にアロウズの傘下に入ってしまいます。
当然、連邦軍もアロウズの下に入る事になったので、
キム司令もその中で無事に昇進を果たしていたなら
それ相応の地位を貰えているはずです。
セカンドシーズンの終わりで、地上はとりあえずの平和を得たものの
こういう打算的な悪人が駆逐されたわけではないので、
彼も新体制の元でしぶとく生き残っているかもしれません。

改めて見直して思った事が一つ。
今回、キム司令の命令を受けたセルゲイが秘密特使として中に赴いた事が、
勘違いをしたアンドレイに討たれた悲劇に繋がりましたが、
もしセルゲイがその役目を任されず
家でいつも通りにテレビを見ていただけだったら……
彼はアロウズが捏造映像を流した事も知らず、
ハーキュリー大佐の悪事に一方的に憤慨したかもしれません。
そして、もしかしたら「自分が止める」と言って、
誤解をしたままハーキュリー大佐を討ったかもしれません。
そう、一歩間違えれば別の悲劇になっていたかもしれないんだなと
今さら思いました。

これだと、アンドレイの存在が要らないものになってしまう上に、
結果的に“スミルノフ親子の確執”という問題が少しも改善されず、
駄目なので
(セルゲイが死んだ事が、その後のアンドレイの改心に繋がっているので)
やはりここは
アンドレイによってセルゲイが討たれるのが順当なんでしょうが……。



これは過去の感想で触れたかどうか失念しましたので
もしかしたら重複するかもしれませんが、
破片撃ちを全軍に要請する際に、
スメラギさんがモニターで顔を出したのが、とても印象的でした。
以前のメメントモリ攻略の際にも、
アロウズの襲撃に遭ったカタロン宇宙軍を救う時に
刹那が(ヘルメットを被っていたものの)
顔を彼らに明かしていたので、
トレミー組が正体を明かすのは初めてではなかったのですが
(尤も、彼らは中東支部のメンバーと会っているので
その点でも迷いはなかったのかもしれません)
今回はあの場にいる全軍に対して、
スメラギさんが迷いもなくヘルメット無しの素顔を晒したのは
大きいと思うんです。
勿論、一刻の猶予もない緊急事態で、通信をする為だけに
彼女がパイロットスーツに着替えたりヘルメットを被ったりしたんじゃ
視聴者は興醒めするので、
話の流れでいっても当然なのですが、
スメラギさんが顔を出したからこそ
その必死さが適確に伝わったのではないかと思っています。
もし、五年前のトレミー組だったら、
守秘義務云々を重視して、音声のみの通信にしたでしょう。
音声+詳細データだけを流しても、事実は適確に伝わりますが
“今が本当に非常時である”という
人間の本能を即座に揺さぶる事は
なかなか難しかったのではないでしょうか。
また、この事態はアロウズによって上手く改竄されたはずですが、
スメラギさんの顔は、いわゆる手配書のような形で出回り、
文字通り彼女はお尋ね者となったと思います。
となると、普通の生活をするのはもう二度と難しいわけで……。
なり振り構っていられなかったからこそ、
ああいう通信を流したのでしょうが、
そうするまでに至った理由は、これが非常事態だった事の他に、
こうした彼女の覚悟もあったからかなぁと思いました。

次回は四ヶ月後ですね。早いなぁ。
ライルとアニューがくっついちゃうのか……。





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感想は以上です。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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続きの第18話「交錯する思い」*再放送の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-30-1

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-07-26 13:26  nice!(0)  コメント(4) 
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コメント 4

ピース

ハーキュリー大佐の行動は、いくら真実を暴くためとはいえ、そもそもが市民の犠牲を前提にして(しかも、それを自分たちで引き起こしている)の計画でした。
軍上層部との戦闘の中で、市民にやむを得ず犠牲が出る、というのならまだしも、これではただのテロリストのやり口ですからね。
正直、ハーキュリーは信念はあるものの、夢想家である部分が大きすぎましたね。
スタッフもそれは分かってたからこそ、ああいう後悔の中での死に様にしたのでしょうけど。

アンドレイは愚かではありますが、セルゲイ大佐も父親としては本人も認めている通り、努力が足りなかったですね。いくら自分が辛くても、傷ついた息子と接することを拒むのは、父親としては失格です。
実の息子とそのような関係のまま、半ば罪滅ぼし的に、ソーマを養子にしようとしたのも、良いこととは言えません。
まあ、大佐ほどの人格者でも、そうなってしまうのですから、やはり親子の関係は難しいのでしょうけどね。

あ、それと、
>そのリボンズですら泳がせていたヴェーダ
というところですが、そんな設定出てましたっけ?
この時点では、ヴェーダはリボンズが掌握していたのではないのでしょうか?
by ピース (2009-07-26 21:07) 

さくら

■ピース様
こんにちは。再びのコメントありがとうございます。

ハーキュリー大佐については
私はピース様とは少し違う意見を持っています。
以下、少し長いですが、一意見をお読み頂ければ嬉しいです。

確かに彼は、ブレイクピラー事件を引き起こした原因の一人ですが、
人質に取った人民の命を奪う気は全くなかったと思います。
セルゲイ大佐と共に
メメントモリ二号機による攻撃があるらしいと察した際に、
すぐに人民を逃がそうとして行動に移したのが、その表われです。

第16話アバンでのハーキュリー大佐の演説の通り、
彼の目的は、今回のクーデターの成功ではありません。
クーデターを機に、アロウズの悪行を世に明らかにし、
戦争や平和に対して無関心でいる人民に目を覚ましてもらう為です。
それには、人質に取った彼らを
何としても生かしたまま地上に帰す必要があります。
なので、ハーキュリーには彼らを危険に晒す気は
なかったと思います。
(寧ろ、オートマトンからの攻撃から守っている点も含めると、
人質という名目で彼らを“保護した”と言っても良いと思います。
尤も、クーデターさえ起きなければオートマトンの攻撃もなかったので、
順番が逆ですが……)
ハーキュリーの計画では、
彼自身やクーデター派の死が計算されていても、
人民の死はなかったはずです。

とはいえ、命を奪う気はなかったとしても
人民を人質に取る行為は、してはいけない事です。
ハーキュリー大佐もそれが分かっているからこそ、上記の演説で
彼らに向かって「憎んで頂いて結構」と言ったのだと思います。
自ら憎まれ役を買ってでて、こうした行動に出たわけですが
それを逆に、アロウズに利用されてしまったんだと思います。


ハーキュリーの死の描き方についても、私は、
「正しい信念を持った人の行動ですら
この情勢下では悲劇を生んでしまう」……というのを
スタッフさんは描きたかったんだと思っています。
現実を知らない夢想家の当然の結末という一面も
確かにあるとは思いますが
今回は、セルゲイ大佐の死も描かれているので
こういう感傷的な意味合いの方が強いように思えました。


>そのリボンズですら泳がせていたヴェーダ
放送終了後の雑誌やムック本のインタビュー記事などで
何度となく出ていたと思います。
リボンズはヴェーダの全てを掌握した気でいましたが
実際はそうではありませんでした
(ヴェーダがリボンズに錯覚させていた)。

一期のアレハンドロの時と同じように、
同志の中にイオリア計画を裏切る者が出てきても、
目的遂行を本格的に妨げる事にならなければ、
ヴェーダは基本的に放っておくようです。
今回のリボンズの裏切りは、
逆に、目的遂行のいい促進剤になっていたらしいので
(そのお陰で計画が早く進み、純粋種のイノベを誕生させた)
彼の好きにさせていたのだと思います。

by さくら (2009-07-27 21:41) 

ピース

「アロウズなどという組織を台頭させたのは市民の愚かさなんだよ。彼らには目覚めてもらわねばならん。たとえ『痛み』を伴ってもな」、「連邦政府・アロウズの悪行を『目の当たりにさせ』市民達を目覚めさせると。たとえ痛みが伴おうとも」、「連邦がいくら策を練ろうとも、真実はすぐに露呈する。ゆえに、市民達を地上に降ろしたのだ」などの台詞。
また、オートマトンがキルモードで投入されることを予測していたこと(報告を受けても全く動揺していない)、予測していながら、あらかじめ市民を安全な場所まで避難させるなどの措置をとっていないこと。市民に死傷者が出たという報告にも動揺が見られないこと。

これらのことから、ハーキュリーの計画は、「アロウズは市民達の犠牲を省みず攻撃してくるだろうから、それを利用し、市民達に『アロウズは自分たちまで殺しにかかってきた』ということを目の当たりにさせ、(ハーキュリーの言うように)連邦政府への疑念を起こさせること」だったと思われます。
いくら政府が情報統制を敷こうとも、6万もの市民がそれを知れば、生の情報として、徐々に広まっていくという、ある意味では皮算用的な狙いがあったのではないでしょうか。逆に言えば、あらゆるメディアも政府の統制下にある中、これくらいしか方法がなかった、ということでもある訳ですが。

では、逆に、さくら様はクーデター派の計画がどのようなものだったとお考えでしょうか?
市民の前でハーキュリーが演説をしたくらいで、市民の意識が変わるとは思えません。
また、ハーキュリー達が市民の犠牲を意図せず、「自分たちクーデター派が無人兵器に容赦なく攻撃されるところを市民に見せる」というのでは、現実的に考えて、市民達からしてみればテロリストでしかないクーデター派がいくら容赦なく攻撃されても、「仕方ない」「自業自得」の一言で済ませられてしまう可能性の方が大きく、これも無いでしょう。

軍司令部や政府中央を襲撃するでもなく、政権とは直接関係ないタワーを占拠するだけ、しかも最初から市民を解放する予定だったのなら(しかし、すぐには解放せず、攻撃を受けて解放)、数人の市民を犠牲に、6万人の市民に政府への疑念を抱かせ、新たな反抗の芽とする、ということくらいしか彼らには無いと思うのですが。
人質無しで、タワーに籠もるだけで、政府と交渉できる、などと甘い考えを持っていたとも思えないですし。

ハーキュリー本人が言うように一度地上に降り、バラけた6万人もの市民たちを皆殺しにするなどさすがに不可能(道義的にも、いくらアロウズでもそこまではしないだろう、とも考えていたのかも)で、自分たちはここで死んでも、市民達の中から徐々に疑念が生まれればそれで良い、という考えだったのでしょう。
しかし、メメントモリの力で一気に6万もの口が塞がれ、ハーキュリーの目論見は、多くの市民を犠牲にしただけで終わってしまった、ということだと思います。


ムック本は読めていないので、リボンズがヴェーダを掌握できていないとは知りませんでした。
アロウズの弾圧・虐殺もコンピュータであるヴェーダでは許容範囲だったのですね。イオリアも許容していたのかな。
やはり、1期でCBがヴェーダではなく、自分たちに意思で動くようになったのは正解ですねー。ティエリアはヴェーダの全てを掌握したのかな?
前からちょっと思ってましたが、これって、ヴェーダやイオリアはかなり残酷なことをしていますよね。リボンズの苦悩なども、彼の計画のせいでもありますし。
劇場版でそこら辺が補完されないかなあ、と、ちょっと思ってます。劇場版の敵がイオリアやヴェーダだったり。さすがに無いですかね。

長文失礼しました。
by ピース (2009-07-28 02:00) 

さくら

■ピース様。
こんにちは。

ハーキュリー大佐のクーデターについては
確か、雑誌やムックのインタビューで
多少語られていたと思います。
その具体的な内容を挙げられないほど
私は忘れてしまっているのですが、
もしかしたら、ハーキュリー大佐の計画についても
制作側の見解が挙がっていたかもしれません。
後で何かの折に記事を見た際には、注意して読んでみるつもりです。

貴重なご感想・ご考察をお寄せ下さり
ありがとうございました。
by さくら (2009-07-30 02:01) 

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