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感想@アニメ「蒼天航路」第15話:黒い嵐*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「蒼天航路」の感想です。
今回は第15話「黒い嵐」です。ネタバレがあります。
原作の漫画は未読です。

前回の第14話「強の始まり」はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-08

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-26-3


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今回の放送で、私が「良かった」と思えた事。
・呂布にちょっとでもまともな台詞があった
・郭嘉が出てきた!



今回は曹操が行なった徐州大虐殺の回でした。
前回の感想の終わりで、私は
この行ないのせいで曹操は潜在的な敵を作った……と書きましたが、
今回の放送の終わりで
曹操が敢えて呂布との戦いを一年も行なおうとしているのを見て、
考えが変わりました。
優秀な人材を手元に集める為の手段として
曹操が呂布の戦いを利用するなら、
そうした敵を作る事ですら
(自分に見合う為の敵がいないと、世の中を上手く誘導できないので)
彼は「ならばよし」とか言っちゃいそうな気がします。
この人は恐るべしプラス思考なのかもしれないとまで、思いました。

というか、この時点でもう曹操は
天下を掌中に収めているようなものですよね。
人民の為を思ったら
一日でも早く戦いを終わらせる必要がある──けれど、
これでは民が一時的な安息を得られるだけで
根本的な解決になっていません。
曹操が、将も民も皆、自分に従えば幸せになれるとの強い自信を
抱いているかもしれないと考えてみれば、
長い目で見たら、今は民に多少の無理をさせても、
良い将を得て、自分を阻む敵を打ち倒していった方が得だという事に
なります。
また、民にしてみれば、兵として戦いに参加していれば
戦場で死ぬ可能性が高くなる反面、
この時期だけでもとりあえず食いっぱぐれる事はないのを思えば
大きな利点です。
尤も、戦いの場になる場所に住んでいる民にとっては
これ以上ない迷惑でしょうが……。

でも、この徐州大虐殺、
曹操のお父さんが殺された事が発端らしいですが
アニメで見せられた限りでは動機が弱いなと思いました。
私は、先週の放送で分からなかった点を調べているついでで、
この大虐殺についても軽く知りましたので、
今回の話に対しては「あぁ、これがそうなのか」と思いましたが、
そうやって前知識を入れておかないと、今回の放送は、
唐突に戦いが始まって、一段落していると思ってしまったと思います。
何より、物語の主人公が基本的に“善”の人間であるのを踏まえれば、
視聴者は、曹操のやっている事が良いのか悪いのかが分からず
変に混同したのではないでしょうか。
ただ、まさに飛蝗のように、
去った後は草の根も生えないと表現できるほど
曹操軍が圧倒的な力でもって人々を切り殺していったのは
よく実感できました。



さて、劉備。
曹操が力でもって人心を掌握するなら
劉備は人道で……なわけですが、
私には、肝心の劉備がそこまで魅力的に思えない
──ただのうさん臭いオッサンに成り下がっているのが
気になります。

ただ、面白いなと思ったのが、
以前は劉備自身が連呼するばかりだった“中山靖王劉勝の末裔”が、
今や皆から言われるようになっていた点です。
劉備が世の中から必要とされてなかった時代は、
彼がいくら大声でそう言おうと、
皆は気にも留めず、鼻で彼を笑い飛ばすばかりでした。
まともに取り合う者はいなかったと思います。
でも、今回、
曹操に絶望した民たちが劉備に救いを求めるようになると、
彼らは、劉備に縋る為の名目として
噂で聞いた“中山靖王劉勝の末裔”という言葉を挙げたんですよね。
民にとって、自分たちを助けてくれるかもしれない人間は、
少しでも強くて、血が優れている方が良いわけじゃないですか。
(そういう要素が、対象である劉備にあればあるほど、
彼についていけば自分は救われるかもしれないと
強く信じる事ができるので)
自分がのし上がる為の手段の一つとして口にしていた
“中山靖王劉勝の末裔”という神輿の上に、
今回、民によって劉備が担がれたのを思うと、
ちょっと感慨深くなりました。

でも、劉備が本格的に蜂起する場面として、
民の迫力に圧倒された彼が困った様子を見せたのは
ちょっと弱いと思いました。
あそこは、皆の歓声を受けた劉備が、即座に力強く
「よっしゃ! 俺に任せろ!」と言うべきだったと思います。



再び曹操の話に戻りますが……
今回、曹操対呂布の戦いが描かれましたが、
背後に描かれている虫(イナゴ)の群れがよく分かりませんでした。
中国は昔から蝗害に悩まされていて、
この後、曹操も蝗害に敗因を作られる事もあったはずですが、
今回の描写は、蝗がたまたま曹操側についていたと
表わしているんでしょうか??
それをものともしなかった呂布も凄かったですが、
まるで飛蝗の群れを操っているような曹操の余裕っぷりも
凄かったです。
そして、いち武将として呂布とまともにやり合えちゃう彼の強さにも。



分からない部分も確かにありましたが、
筍イクのピンチ(馬がかわいそうでした)や
天才軍師・郭嘉の登場なども含めて
話にメリハリがある面白い回でした。
呂布の描かれ方に問題はありますが
やはり戦のシーンが間にあると、話に山が作られ易いからか
見ていて面白いです。



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感想は以上です。


第16話「天子奉戴」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-22


2009-07-15 10:15  nice!(0)  コメント(0) 
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