さくらもちモチ

感想：大河ドラマ「天地人」第17回 直江兼続誕生 *ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHKの大河ドラマ・天地人
第17回「直江兼続誕生」の感想です。
ネタバレを含みます。


前回の第16回「信玄の娘」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-19-4
前回の第15回「御館落城」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-16-5

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4


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武田勝頼の返答の書状は、実物が残っていただけあって
物凄く迫力があって、説得力がありました……。
絶対に、喉から手が出るほど欲しい援軍だったはずなのに。
（自分達に先がないと分かっていたからこそ
兵を無駄死にさせない為に、敢えて断わったのかもしれませんが）

そして、こんな事を書いて大仰な見栄を切ってみせたのに
私達のような後世の人間に
その内情も心境もしっかりと知られてしまっているのが哀れです。
でも、このエピソードからは彼の男気を感じられました。
いい男じゃないですか、勝頼！



いつも通り、「またか……」と思うシーンが幾つかありました。

まずは、兼続が直江家に婿養子として入った話。
兼続が、一度は固辞しておきながらも
周りから強く望まれたことで「では」と言って話を受けるのが
ワンパターンです。
ここは、兼続が自主的に直江家に入っては駄目なので、
（お船と結婚したいと積極的に望んでは駄目）
他人から請われたのを受けて、
お船と結ばれる展開になったのは順当ですし、良いと思うのですが、
これまで散々、他の回で、
兼続が断わっておきながら
結果的に（時には渋々と）話を受ける展開が多かったので
マンネリだなと思う方が強いです。
正直、飽きています。

また、危機に陥った武田をどうするかで
景勝が「助ける」と決意した直後のシーン。
兼続が義を説いて、景勝の決定に同意した後、
評定に参加していた上田衆の顔が
次々とアップになって、
景勝や兼続の言葉に感動しているのが表わされていました。
これについても、「またか」と思いました。
そんなシーンより
武田が滅亡する合戦シーンでも入れた方が
（ただでさえ、他の回で戦闘が少な過ぎるので）
良かったのではないかと思いました。

登場人物の心情を丁寧に描いて下さるのは、
彼らを理解する上で助けになるので、
視聴者として本当に有難いのですが、
そればかりが続くと、話が緩くなるというか
だらだらとしてしまうので、
もう少し話を全体的に引き締めて
時には疾走感のあるところを見てみたいなと望んでしまいます。



武田への派兵の件で、
景勝と菊姫が一層険悪になるかと思いきや、
菊姫の心が瓦解して景勝に寄り添う展開になりました。
この作品では、二人のいがみ合いはここまでで、
これから先は、菊姫の良妻賢母っぷりが強調されるのでしょうか。
そうなると、史実とは異なる展開になりますが
この作品は良くも悪くも“大河ドラマ”の冠をかぶってますので
それで良いと思います。
なにより、菊姫は愛らしくてステキなので、
ムッとした顔よりは
かわいい笑顔をたっぷり見せてほしいですし。



情が絡むところを書くのが好きなスタッフさんなのか、
魚津城に人を遣らなければならなくなった際に、
兼続が安部政吉と会話するシーンは、とても良かったです。
安部役の葛山さんが、ちょっと涙を滲ませているようなのに
兼続に「情をはさむな」と言うところが、もう……。

私は、義や情を説く兼続には白々しさを感じてしまうのですが
（「お前がそれを言うな」とツッコミを入れてしまうほどの
安っぽさを感じてしまいます）
ここでの情には、ほろりときてしまいました。
兼続は……ううん、
これまでのエピソードの積み重ねのせいだと思いますが
私の中で、「安直で押しに弱い人」とのイメージが
すっかり出来ているせいか、苦手なキャラクターです。



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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第18話「義の戦士たち」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-05-10-9

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