さくらもちモチ

感想：大河ドラマ「天地人」第12回 命がけの使者 *ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

HKの大河ドラマ・天地人
第12回「命がけの使者」の感想です。ネタバレを含みます。


前回の第11回「御館の乱」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-28
前々回の第10回「二人の養子」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-08-4




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景勝と景虎の跡目争いに乗じて
周囲の各国が越後を支配しようと暗躍します。
上杉の話としては、
景勝側の兵糧が尽きそう→ならば打って出るしかない
→その為に他から協力を得よう！
……と、あまり話が進んでいません。
大河ドラマは基本的に群像劇なので
（しかもこの作品は戦国時代なので特に）
主人公以外もしっかりと描いていくのは大事なのですが
話の流れがゆっくり過ぎるなぁと思いました。

仙桃院は、国をまとめる力は景勝の方が上だと暗に言いますが、
この御館の乱の後、織田信長や家康との争いの末に、
景勝一代で上杉家が没落していくのを踏まえると、
本当にそうかなぁと思います。
尤も、この後、武田氏が滅亡したのを考えれば、
景虎が跡目を継いだら武田氏の二の舞いになったかもしれないので、
これでもまだましなのかもしれませんが。



前々回の大河が「風林火山」で、武田信玄が主人公だったわけですが
景勝や兼続の時代での彼はとっくに亡くなっていて、
子の勝頼の代になっているので、
後日談のように思えるのが、面白いです。
まだ幼い子だった勝頼が家督をしっかと継いでいて
（長篠の戦いで破れた後なのが残念ですが）、
油川夫人の一人娘・菊姫が出てきたのが、感慨深いです。
菊姫は、この後、景勝の正室となるわけですが……
この作品は“大河ドラマ”なので、
きっと仲睦まじい夫婦として描かれるんでしょうね。
（実際には、夫婦仲はあまり宜しくなかったとする説の方が多いです）

菊姫ご自身は、質素倹約を重んじて
上杉家臣からも随分と慕われていたようなので、
このドラマでも凛として描かれていたのが嬉しいです。
美人さんだったし、今後が楽しみです！



お船について、嫉妬を抱く直江信綱の描写が
はっきりと示されました。
まんじりともしない夜、
床の前で独り待つお船と、
そっと忍んで来ながらも結局去ってしまった信綱は
とても良かったです。

戦国時代という背景を踏まえれば、
夫婦（めおと）二人が寝ないわけがないので、
お船には信綱の手がついていて当然なのですが、
まるで初夜すら迎えてない二人のようにも思えました。

お船の涙については……
妻としての義務を果たさなくては！と思う反面、
そう思い込んでいる自分（無理をしている？）を知った上で、
来ない信綱を心情を察したのかなと思いました。
婚約する前からお船の心が兼続に傾いていたのは、明白なので
この辺は見ていてせつなかったです。
ただ、これは戦国時代の大河ドラマなのに、
合戦シーンより恋愛シーンの方が良く思えるのは
どうかと思ってしまいました。



兼続が助けた相手が、説得相手の首領の母との設定は
今どき誰もやらないような話だったので、
すみませんが笑ってしまいました。
人助けをした兼続の義が、自分への義になってくる展開は
あまりにもベタ過ぎます。
そうならないと、今後の話の都合もあるのでいけないんでしょうが
短絡過ぎるなぁと思いました。
兼続の人の好さを表わすエピソードの一つなのに
心に少しも残らないのが残念です。
「命を賭けて」兼続が説得したとの台詞が出てきましたけれど、
すみませんが私は感動できませんでした。残念。

どうも、制作者側が提示する「ここで感動してくれ！」のポイントで
私の心が少しも動かないので、
未だに作品に気持ちが入りません。
主人公である兼続に私が共感できないのが
一番の問題なのかも。
動きの少ない景勝よりも、
どんどん（少しずつ）壊れていく景虎の方が魅力的なのも
困ったことです。
これは、役者云々じゃなく、
脚本や演出の問題だと思います。
景勝は景虎より出番が多いのに、影が薄い……。
ちょっと勿体ないです。
ここぞという時に重い一言を吐く役回りは良いのですが、
彼も若き武将なので、もう少し動きがあっても良いと思います。



御館の乱は長引きますし、景虎が自害した後も
景勝には苦難の道が続くので
そこら辺をどう描いてもらえるのかは楽しみです。
勝ち戦が少ないので、視聴者を楽しませるのは
相当難しいと思います。



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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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